四力学演習

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 四力学演習
科目番号 0252 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 材料力学演習(村上、森)森北出版、工業力学(入江)理工学社、熱力学(金原他)実教出版、JSMEテキストシリーズ「流体力学」(日本機械学会)日本機械学会
担当教員 青野 雄太,中尾 哲也,田中 大,谷野 忠和

到達目標

1.材料力学の変形解析を行うことができる。
2.工業力学の静力学、動力学について、力学の基礎と応用を習得する。
3.工業熱力学の基礎的問題を解くことができる。
4.流体工学のベルヌーイの定理を使った問題が解ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1材料力学の変形解析を行うことができる。材料力学の変形解析をある程度行うことができる。材料力学の変形解析を行うことができない。
評価項目2工業力学の静力学、動力学について、力学の基礎と応用を習得する。工業力学の静力学、動力学について、力学の基礎と応用をある程度習得する。工業力学の静力学、動力学について、力学の基礎と応用を習得できない。
評価項目3工業熱力学の基礎的問題を解くことができる。工業熱力学の基礎的問題をある程度解くことができる。工業熱力学の基礎的問題を解くことができない。
評価項目4流体工学のベルヌーイの定理を使った問題が解ける。流体工学のベルヌーイの定理を使った問題がある程度解ける。流体工学のベルヌーイの定理を使った問題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
本授業では、機械工学の主要科目である「材料力学」、「工業力学」、「工業熱力学」、「流体工学」に関して、現象理解と解析力の向上のために演習を行う。
授業は、上記の4つの分野について週毎にオムニバス形式で行い、基本問題から応用問題までを解くことにより、解析力を養う。
授業の進め方・方法:
授業では、各週毎に課題を与え、その解答を行う。
課題は宿題としてレポートの提出が必要であり、全てのレポートの提出がない場合には合格点を与えない。
注意点:
各分野ごとに随時試験またはレポートの評価を行い,各科目25点×4で100点満点とする.
評価基準:60点以上を合格とする.
再試験は行わない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 引張圧縮を受ける部材の変形解析 引張圧縮を受ける部材の変形を解析できる。
2週 力、モーメントの釣合い 力のモーメントの意味を理解し、計算できる。偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。
3週 理想気体の状態方程式 理想気体の状態方程式を理解できる。
4週 流体の性質と分類 流体の性質と分類を理解し,説明できる。
5週 引張圧縮のひずみエネルギー法 エネルギー法を用いて引張圧縮を受ける部材の変形を解析できる。
6週 平面、立体の重心位置 重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。
7週 理想気体の状態変化 理想気体の状態変化を理解できる。
8週 流れの基礎 流体の現象に関わる次元解析を使って,無次元数を求めることができる。
2ndQ
9週 ねじりを受ける部材の変形解析 ねじりを受ける部材の変形を解析できる。
10週 位置・速度・加速度、角度・角速度・各加速度 速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と距離の関係を説明できる。速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と距離の関係を説明できる。
11週 カルノーサイクル カルノーサイクルを理解できる。
12週 静止流体の力学 静止流体に関わる圧力について理解し,圧力の測定および物体に作用する圧力による力に関わる問題を解くことができる。
13週 ねじりを受ける部材のひずみエネルギー法 エネルギー法を用いてねじりを受ける部材の変形を解析できる。
14週 運動の法則 運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。
15週 熱力学の第二法則とエントロピ 熱力学の第二法則とエントロピを理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 準1次元流れ 準1次元流れに関わる連続の式とベルヌーイの式を理解し,基礎的な問題を解くことができる。
2週 曲げモーメントを受けるはりのたわみ解析 曲げモーメントを受けるはりのたわみを解析できる。
3週 慣性モーメント、剛体の回転運動 周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる
4週 内燃機関 内燃機関を理解できる。
5週 運動量の法則 運動量の法則を理解し,問題に適用できる
6週 曲げモーメントを受ける曲りはりのたわみ解析 曲げモーメントを受ける曲りはりのたわみを解析できる。
7週 エネルギー保存、仕事の原理 エネルギー保存則,仕事の原理を理解し,問題に適用できる
8週 蒸気の性質・蒸気表 蒸気の性質・蒸気表を理解できる。
4thQ
9週 管内の流れ 管内流れに関する流れの違い,管内の損失の意味を理解し,基礎的な問題を解くことができる。
10週 曲げ、ねじり、引張圧縮の組合によるはりの変形 曲げ、ねじり、引張圧縮の組合によるはりの変形を解析できる。
11週 運動量保存、角運動量保存 運動量保存,角運動量保存則が理解できる
12週 ランキンサイクルとその応用 ランキンサイクルとその応用サイクルを理解できる。
13週 物体まわりの流れ 物体まわりの流れ,物体に作用する抗力,揚力を理解し,基礎的な問題を解くことができる。
14週 曲げ、ねじり、引張圧縮の組合によるはりの応力 曲げ、ねじり、引張圧縮の組合によるはりの応力を解析できる。
15週 1次元自由振動 1次元自由振動の運動方程式を立てて解くことが出来る
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。2前9
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。2前2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。2
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3前2
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3前2
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3前2
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3前2
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。2後15
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。2後15
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。2前10
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。2前14
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3後3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3後3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3後3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。2
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3後3
動力の意味を理解し、計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。2
運動量および運動量保存の法則を説明できる。2
物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。2
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。2前1,前5,前9,前13,後2,後6,後10,後14
応力とひずみを説明できる。2
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。2
応力-ひずみ線図を説明できる。2
許容応力と安全率を説明できる。2
断面が変化する棒について、応力と伸びを計算できる。3
棒の自重よって生じる応力とひずみを計算できる。3
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。3前5
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。3
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。2前9,前13
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。3
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。3前9,前13
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。2後2,後6
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。2後2,後6
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。2後2,後6
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。2後6
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。3後2,後6
多軸応力の意味を説明できる。2後14
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。3後14
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3前5
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3前13,後6
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。3後2,後6,後10
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3前4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3前4,前8
圧縮性流体と非圧縮性流体の違いを説明できる。3前4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3前4
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3前12
パスカルの原理を説明できる。3前12
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。3前12
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。3前12
物体に作用する浮力を計算できる。3前12
定常流と非定常流の違いを説明できる。3前4
流線と流管の定義を説明できる。3後1
質量保存則と連続の式を説明できる。3後1
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3後1
オイラーの運動方程式を説明できる。3後11
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。3後1
ピトー管、ベンチュリー管、オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる。3後9
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3後11
層流と乱流の違いを説明できる。3後9
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3後9
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。3後9
ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる。3後9
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。2後9
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。3後9
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。2後13
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明できる。2後13
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。2後13
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。2後13
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3前3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3前3
熱力学の第一法則を説明できる。3前3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3前3
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3前3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3前7
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3前7
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3前7
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3前7,後4
熱力学の第二法則を説明できる。2前15
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。2前15,後4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3前11
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。2前15
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。2前15
サイクルをT-s線図で表現できる。2前15
熱の有効エネルギーを説明できる。2前15
水の等圧蒸発過程を説明できる。2後8,後12
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。3後8,後12
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。2後8,後12

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合01000000100
基礎的能力060000060
専門的能力040000040
分野横断的能力0000000