工業熱力学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工業熱力学
科目番号 0255 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:熱力学(事例でわかる考え方と使い方)金原他、実教出版
担当教員 田中 大

到達目標

1. 気体の持つ性質、気体の状態方程式および状態変化について理解することができる。
2. 内燃機関の動作原理を理解し、そのサイクル計算ができる。
3. 蒸気の性質および蒸気原動機の動作原理を理解し、そのサイクル計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体の持つ性質、気体の状態方程式及び状態変化について理解し、それに関連した問題を解くことができる。気体の持つ性質、気体の状態方程式及び状態変化について理解し、それに関連した問題をある程度解くことができる。気体の持つ性質、気体の状態方程式及び状態変化について理解することができない。
評価項目2 内燃機関の動作原理を理解し、そのサイクル計算ができる。 内燃機関の動作原理を理解し、そのサイクル計算がある程度できる。 内燃機関の動作原理を理解できるが、そのサイクル計算ができない。
評価項目3蒸気の性質および蒸気原動機の動作原理を理解し、そのサイクル計算ができる。蒸気の性質および蒸気原動機の動作原理を理解し、そのサイクル計算がある程度できる。蒸気の性質および蒸気原動機の動作原理を理解できるが、そのサイクル計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱エネルギを機械的・電気的エネルギに変換する内燃機関および蒸気機関などは、工業的に重要な役割を果たす。したがって、代表的な熱機関について、それらの機関の動作原理および熱効率等を理解する事を目的とする。そのためには、気体の性質や気体の状態が変化する際の周囲との相互作用等について理解することが重要であるため、エンタルピやエントロピなどの新しい概念を導入しながら、熱力学第一、第二法則、また理想気体の状態変化や蒸気の性質について理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書および板書を利用して授業を進める。
本授業は、流体工学とともに機械工学の熱流体分野の重要科目であり、5年で学ぶの伝熱工学、流体機械、エネルギー変換工学の基礎となる。演習問題等を自ら解き、授業の内容を十分に理解すること。
注意点:
前期および後期それぞれにおいて中間および期末試験を100点満点で行い、総合成績は4回の試験の平均得点を100点満点として評価する。
再試験は原則として学年末に1回のみ行い、最高点は60点とする。
60点以上を合格点とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の全体像を理解できる。
2週 熱力学の基礎と状態量、閉じた系の仕事 熱力学の基礎と状態量、閉じた系の仕事を理解できる。
3週 熱力学の第一法則とエンタルピ、開いた系の仕事 熱力学の第一法則とエンタルピ、開いた系の仕事を理解できる。
4週 理想気体の状態方程式 理想気体の状態方程式を理解できる。
5週 比熱と熱容量 比熱と熱容量を理解できる。
6週 理想気体の状態変化(等積、等温、等圧) 理想気体の状態変化を理解できる。
7週 理想気体の状態変化(断熱、ポリトロープ) 理想気体の状態変化を理解できる。
8週 混合気体と実在気体 混合気体と実在気体を理解できる。
2ndQ
9週 湿り空気 湿り空気を理解できる。
10週 工業熱力学演習 演習問題を解くことができる。
11週 サイクルと熱効率、PV線図 サイクルと熱効率、PV線図を理解できる。
12週 カルノーサイクル カルノーサイクルを理解できる。
13週 熱力学の第二法則とエントロピ 熱力学の第二法則とエントロピを理解できる。
14週 逆カルノーサイクル、熱の有効エネルギー 逆カルノーサイクル、冷凍機・ヒートポンプ、熱の有効エネルギを理解できる。
15週 工業熱力学演習 演習問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 内燃機関の基礎 内燃機関の基礎を理解できる。
2週 オットーサイクル オットーサイクルを理解できる。
3週 ディーゼルサイクル ディーゼルサイクルを理解できる。
4週 サバテサイクル サバ手サイクルを理解できる。
5週 ブレイトンサイクル ブレイトンサイクルを理解できる。
6週 工業熱力学演習 演習問題を解くことができる。
7週 蒸気の性質 蒸気の基礎的な性質を理解できる。
8週 蒸気表・蒸気線図 蒸気表・蒸気線図を理解できる。
4thQ
9週 絞り熱量計 絞り熱量計を理解できる。
10週 蒸気原動機の基礎 蒸気原動機の基礎を理解できる。
11週 ランキンサイクル ランキンサイクルを理解できる。
12週 再熱サイクル 再熱サイクルを理解できる。
13週 再生サイクル 再生サイクルを理解できる。
14週 再熱・再生サイクル 再熱・再生サイクルを理解できる。
15週 工業熱力学演習 演習問題を解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3前2
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3前2
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3前2,前3
熱力学の第一法則を説明できる。3前3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3前3
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3前3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3前4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3前5
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3前5
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3前6,前7
熱力学の第二法則を説明できる。2前13
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。2前11,後1,後2,後3,後4,後5
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3前12
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。2前13
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。3前13
サイクルをT-s線図で表現できる。2前13
熱の有効エネルギーを説明できる。2前14
水の等圧蒸発過程を説明できる。2後7
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。3前8,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。2後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000