概要:
コンピュータの演算機能は論理回路で設計されている.本科目では,ディジタル技術の基礎として,論理式および論理回路のしくみと設計を身につける.
授業の進め方・方法:
教科書の題材に沿って講義し,必要に応じて参考書や配付資料を参照する.
注意点:
評価方法
(1) 試験60%(前期期末,後期期末 各30%),課題(小試験を含む)40%で評価する.
(2) 評価基準:60点以上を合格とする.
(3) 再試験は実施しない.
前回までの授業内容について小試験を実施するので,復習しておくこと.予習・復習課題,研究課題等は必ず期限までに提出すること.
参考書
[1] 笹田一郎 著『学びやすいディジタル電子回路』,オーム社.
[2] 浅川 毅 著『論理回路の設計』,コロナ社.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
2値論理と論理機能 |
2値論理と集合,論理,電気信号との関係,および基本的な論理機能を理解できる.
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2週 |
論理機能と真理値表 |
真理値表による入出力関係の表現を理解できる.
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3週 |
2進数・16進数とBCD符号 |
10進数・2進数・16進数,およびBCD符号の仕組みを理解し,互いに変換できる.
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4週 |
基本論理演算 |
論理変数,否定(NOT),論理和(OR),論理積(AND)による演算を理解できる.
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5週 |
ブール代数 |
ブール代数の演算規則や定理をベン図や論理式で理解できる.
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6週 |
論理式の標準形 |
論理関数の主加法・主乗法標準形による表現と,真理値表との等価性を理解できる.
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7週 |
論理式の簡単化 |
ブール代数の演算規則を用いた論理式の簡単化を理解できる.
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8週 |
カルノー図 |
真理値表とカルノー図の等価性,およびカルノー図を用いた論理式の簡単化を理解できる.
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2ndQ |
9週 |
論理ゲートとTTL/CMOS IC |
基本論理ゲート記号を構成する論理機能と正論理・負論理の意味を理解できる.ロジックICを用いたディジタル電子回路による論理回路の実現方法を理解できる.
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10週 |
論理記号と論理式 |
論理式,論理記号,真理値表の関係を理解し,互いに変換できる.
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11週 |
AND⇄OR論理機能変換 |
ド・モルガンの定理による論理機能のAND⇄OR変換を理解できる.
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12週 |
マルチプレクサとデマルチプレクサ |
AND/OR/XORゲートの信号制御機能を理解し,応用例としてマルチプレクサとデマルチプレクサの構成と動作を理解できる.
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13週 |
エンコーダとデコーダ |
入出力関係を変換する組合せ論理回路の例として,エンコーダとデコーダの動作と設計方法を理解できる.
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14週 |
半加算器と全加算器 |
2進数の数値演算を組合せ論理回路で実現する半加算器と全加算器の構成と動作を理解できる.
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15週 |
2の補数とその性質 |
2の補数による負数の表現,および1の補数を経由して加算器により実現する方法を理解できる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
加算器による減算器 |
2の補数を利用して加算器とNOTゲートによる減算器を構成できる.
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2週 |
ダイオードによる論理ゲート |
PLAの構成要素でもあるダイオードによる論理ゲート (Mickey Mouse Logic) の機能を理解できる.
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3週 |
PLA (プログラマブルロジックアレイ) |
AND-OR論理式や真理値表から,PLAを用いて組合せ論理回路を設計できる.
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4週 |
SRラッチ |
NOTゲートによる入力なし記憶回路から,入力付き記憶回路を構成する考え方を理解できる.
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5週 |
Dラッチ |
動作の簡明なDラッチの構成と動作を理解できる.
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6週 |
クロックパルスと二安定回路 |
フリップフロップがクロックパルスに同期して動作すること,およびその意味を理解できる.
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7週 |
マスタスレーブ型フリップフロップ |
マスタスレーブSRフリップフロップの仕組みと動作を理解できる.
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8週 |
JKフリップフロップ |
トグル動作が可能なJKフリップフロップの仕組みと動作を理解できる.
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4thQ |
9週 |
Dフリップフロップ |
動作の簡明なDフリップフロップの仕組みと動作を理解できる.
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10週 |
非同期式カウンタ |
非同期式$2^n$進カウンタの仕組みと動作を理解できる.
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11週 |
アップカウンタとダウンカウンタ |
非同期式のアップカウンタとダウンカウンタの仕組み,およびその設計方法を理解できる.
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12週 |
同期式カウンタ |
同期式カウンタの仕組みと特徴を理解できる.
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13週 |
同期式カウンタの設計 |
同期式カウンタのJKフリップフロップおよびDフリップフロップによる設計方法を理解できる.
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14週 |
レジスタ |
フリップフロップをデータの記憶に利用するレジスタの仕組みと動作を理解できる.
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15週 |
シフトレジスタ |
レジスタを応用したシフトレジスタ,リングカウンタ,ジョンソンカウンタの動作が理解できる.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。 | 3 | 前3,前14,前15,後1 |
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | 前3 |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | 前3 |
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 3 | 前3 |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 3 | 前3 |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 3 | 前2,前4,前5,前11 |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 3 | 前5,前6,前10,前11 |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 3 | 前7,前8 |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 3 | 前7,前8 |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 3 | 前9,前10,前12,前13,前14,後2,後3 |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 3 | 前12,前13,前14,後1,後3 |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 3 | 前12,前13,前14,後1,後3 |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 3 | 後4,後5,後6,後7,後8,後9 |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
与えられた順序回路の機能を説明することができる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
順序回路を設計することができる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |