電気電子演習3

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気電子演習3
科目番号 3E17 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:服藤 憲司 著 「例題と演習で学ぶ電気回路」森北出版株式会社
   :基礎電磁気学(改訂版) 山口昌一郎  電気学会
担当教員 越地 尚宏,ウリントヤ ,山本 哲也

到達目標

1.技術の歴史と社会との関わりについて基礎的な説明ができる。
2.社会を支える技術分野と電気電子工学との関わりについて基礎的な説明ができる。
3.自己の将来やキャリアについて客観的に分析やまとめを行い、将来未向けた行動の基盤を整理しをまとめることができる。
4.電気電子工学の基礎となるベクトル解析や線積分/面積積分の概念を理解し、計算ができる。
5.交流回路を複素数を利用して解析を行うことができる。
6.交流回路基本定理を理解し、回路解析に応用することができる。
7.共振回路、誘導回路を理解し、その解析を行うことができる。
8.三相交流回路を理解し、その解析を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術の歴史と社会との関わりについて基礎的な説明ができる。技術の歴史と社会との関わりについて基礎的な説明がある程度できる。技術の歴史と社会との関わりについて基礎的な説明ができない。
評価項目3社会を支える技術分野と電気電子工学との関わりについて基礎的な説明ができる。社会を支える技術分野と電気電子工学との関わりについて基礎的な説明がある程度できる。社会を支える技術分野と電気電子工学との関わりについて基礎的な説明ができない。
評価項目4自己の将来について一定の方向性や今後のなすべき指針を十分まとめることができる。自己の将来について一定の方向性や今後のなすべき指針をまとめることがある程度できる。自己の将来について一定の希望をまとめることができない。
評価項目5ベクトル解析や線積分や面積分等について十分理解し、応用問題を解くことができる ベクトル解析や線積分や面積分等についての基礎的事項を理解し、基礎的問題を解くことができる分等についての基礎的事項を理解できず、基礎的問題を解くことができない
評価項目6交流回路を複素数を利用して解析を行うことができ、解析結果より、電気信号の振舞えや特徴を予測できる。交流回路を複素数を利用して解析を行うことができる。交流回路を複素数を利用して解析を行うことができない。
評価項目7交流回路基本定理を理解し、回路解析に応用することができ、回路設計に活用できる。交流回路基本定理を理解し、回路解析に応用することができる。交流回路基本定理を理解し、回路解析に応用することができない。
評価項目8共振回路、誘導回路を理解し、その解析を行うことができ、回路設計に活用できる。共振回路、誘導回路を理解し、その解析を行うことができる。共振回路、誘導回路を理解し、その解析を行うことができない。
評価項目9三相交流回路を理解し、その解析を行うことができ、回路設計ができる。三相交流回路を理解し、その解析を行うことができる。三相交流回路を理解しその解析を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
前期前半は技術史から始め現在の産業業種に至る俯瞰的な観点から電気電子工学をとらえ、電子工学との関わりを調べながら自己の将来の進路を見据え、その目標達成のための方法を検討しキャリア形成の指針を立て実行する力を養う。前期後半は電気電子工学の基礎となるベクトル解析の概念の理解や演習を行う。後期には、電気電子工学の基礎をなす重要な科目である電気回路と電磁気に関する演習により基礎力の充実を図る。電気回路の演習では、電気回路Iに引き続き、交流回路の基本定理・解析、共振回路、誘導回路、三相交流回路の電気回路の基礎について学ぶ。電磁気の演習では、基本の方電位、電位差、静電容量について学ぶ。実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で製作指導を担当していた教員が、その経験を活かして授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
前期は技術史やキャリア形成に関する配布資料及び教科書を用いた演習を行う。
後期は、基本的には教科書に沿って進めるが、必要に応じて演習問題等の課題を課す。
注意点:
前期は課題レポート、授業中の小テストなどにより100点評価する。後期は試験により100点満点で評価する。60点以上を合格とする。再試は1回のみ行う。
参考書:柴田尚志 著 「電気回路Ⅰ」コロナ社
    家村道夫 他 著 「入門 電気回路 基礎編」オーム社
    家村道夫 他 著 「入門 電気回路 発展編」オーム社
    黒木修隆 編著 「電気回路I」オーム社
    竹野裕正 編著 「電気回路II」オーム社

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 技術の歴史と社会との関わり(1) 科学者や技術者が、様々の困難を克服し技術発展に寄与した例を調査できる
2週 技術の歴史と社会との関わり(2) 科学者や技術者が、様々の困難を克服しながら科学者や技術者が、様々の困難を克服し技術発展に寄与した例を調査し説明できる
3週 社会を支える技術分野と電気電子工学の関わり(1) 電気電子技術者が働く業界について調査することができる
4週 社会を支える技術分野と電気電子工学の関わり(2) 電気電子技術者が働く業界について複数の例を示し説明できる
5週 キャリア形成(1)キャリア形成に関する基礎事項 キャリア形成に関する基礎事項について理解し、説明することができる
6週 キャリア形成(2)自身のキャリア形成 自身を客観的に分析し、キャリア形成について考察したりまとめたりすることができる。
7週 ベクトル解析(1):ベクトルの性質と演算 ベクトルの性質と演算についてその概念や仕組みを理解し、具体的な計算や考察及び演習ができる。
8週 ベクトル解析(2):内積と外積 内積と外積についてその概念や仕組みを理解し、具体的な計算や考察及び演習ができる。
2ndQ
9週 ベクトル演算子とスカラー場/ベクトル場(1)スカラー場/ベクトル場及び∇ スカラー場やベクトル場及び演算子∇についてその概念や仕組みを理解し、具体的な計算や考察及び演習ができる。
10週 ベクトル演算子とスカラー場/ベクトル場(2)divとgrad ベクトル演算子であるdivとgradの概念や仕組みを理解し、具体的な計算や考察及び演習ができる。
11週 ベクトル演算子とスカラー場/ベクトル場(3)rot ベクトル演算子であるrotの概念や仕組みを理解し、具体的な計算や考察及び演習ができる。
12週 線積分(1) 線積分及び関連事項の基礎を理解しスカラー場の線積分の具体的な計算や考察ができる。
13週 線積分(2) ベクトル場の線積分の概念や仕組みを理解し、具体的な計算や考察ができる。
14週 面積積分(1) 平面の面積積分から出発して面積積分の概念や仕組みを理解し、具体的な計算や考察ができる。
15週 面積積分(2) 3次元の面積積分の概念や仕組みを理解し、具体的な計算や考察ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 正弦波交流の基礎  正弦波交流の周期、周波数、位相、平均値と実効値について理解し、説明できる。
2週 フェーザ形式による表現 フェーザ形式による表現を理解し、回路解析に応用できる。
3週 複素インピーダンス 複素インピーダンスの概念を理解し、回路解析に応用できる。
4週 交流回路の有効電力と力率 交流回路の有効電力と力率を理解し、計算できる。
5週 共振回路 共振回路の共振特性を理解する。
6週 交流回路のキルヒホップの法則 交流回路のキルヒホップの法則を理解し、回路解析に応用できる
7週 枝電流法・閉路電流法・節点電位法 枝電流法・閉路電流法・節点電位法を理解し、回路解析に応用できる。
8週 重ね合わせの理とテブナン定理 重ね合わせの理とテブナン定理を理解し、回路解析に応用できる。
4thQ
9週 クーロンの法則 クーロンの法則を理解し、電荷間にはたらく力についての計算が出来る。
10週 ガウスの法則Ⅰ ガウスの法則を説明でき、各種電界の計算などに用いることができる。
11週 ガウスの法則Ⅱ ガウスの法則を説明でき、各種電界の計算などに用いることができる。
12週 電位、電位差Ⅰ 電位の概念や性質を説明でき、これらを用いた計算ができる。
13週 電位、電位差Ⅱ 電位の概念や性質を説明でき、これらを用いた計算ができる。
14週 静電容量Ⅰ 静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。
15週 静電容量Ⅱ
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前7,前8,前9,前10,前11
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前8,前9,前10,前11
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前8,前9,前10,前11
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前9,前10,前11
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前14,前15
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前12,前13
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。2前1,前2,前3,前4
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。2前1,前2,前3,前4
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4後1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4後1
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4後2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4後3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4後1
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4後2
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4後3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4後6
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4後3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4後5
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4後8
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4後7
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4後7
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4後8
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4後9
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4後10,後11,後12,後13,後14,後15
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4後10,後11,後12,後13,後14,後15
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4後10,後11,後12,後13,後14,後15
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4後10,後11,後12,後13,後14,後15
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4後14,後15
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2前5,前6
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。2前5,前6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題やレポート/小テスト等合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力0000000
専門的能力50000050100
分野横断的能力0000000