計算機アーキテクチャ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 計算機アーキテクチャ
科目番号 4E14 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (1)ディジタル回路設計とコンピュータアーキテクチャ,Sarah L. Harris, David Mony Harris, 星雲社,(2)高専機構 「情報システムユーザーガイドライン」
担当教員 加藤 直孝

到達目標

(1)特定のマイクロプロセッサーにおけるインストラクションセットを理解し,アセンブリーコードが書ける.
(2)マイクロプロセッサーを作成する視点から,マイクロプロセッサーの基本的なアーキテクチャーを説明できる.
(3)プログラミングに必要なレベルにおいて,CPUとメモリーの基本動作を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1簡単なC言語をアセンブリー言語に翻訳できる.極めて簡単なC言語をアセンブリーコードに変換できる.極めて簡単なC言語をアセンブリー言語に翻訳できない.
評価項目2単一サイクルのCPUの設計過程を理解でき,拡張できる.単一サイクルのCPUの設計過程を理解できる.CPUの設計過程を理解できない.
評価項目3コンピューター全体をOS(kernel)の観点から理解できる.コンピューター全体を各サブシステムの観点から理解できる.コンピューターを各サブシステムに分けて理解できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業では,コンピューターのアーキテクチャー,特にマイクロプロセッサーに関するアーキテクチャーについて学習する.コンピューターに関する種々雑多なアーキテクチャーの知識を増やすことを目的とせず,マイクロプロセッサーを作るために必須でかつ重要な部分を理解することを目的とする.
実務経験のある教員による授業科目:加藤は企業(IBM)で計算機のアーキテクチャーを担当していた.その経験を活かしCPUのアーキテクチャーについて授業を行う.
授業の進め方・方法:
教科書の第6章以降に基づいて授業を行う.教科書の第5章までのデジタル回路はすでに習得しているものとする.デジタル回路の理解が不十分な者は,第5章までを読んで適宜復習すること.教科書ではARMアーキテクチャーに基づいて解説を行う.ARMのアセンブラーの演習も行う.途中の週の1回に,高専機構 「情報システムユーザーガイドライン」を用いて,情報セキュリティーの常識を身に付けているかを確認する.
注意点:
参考書:Raspberry Pi ASSEMBLY LANGUAGE(RASPBIAN BEGINNERS),BRUCE SMITH,CreateSpace Independent Publishing Platform 
評価方法の詳細:
定期試験50%、課題レポート50%を目安として評価する。
60点以上を合格とする。再試は行わない.
教科書の、次回の授業範囲を事前に読んでおくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション(コンピュータの全体像について)
12週から14週分は,最後に固めずに3週目以後に分散して解説する.
アセンブラーの理解が重要であることを理解している.
2週 Raspberry Pi (ARM):アセンブリ言語,機械語(1) ARMのassemblerをRaspberry Piのエミュレーター上で書ける.
3週 Raspberry Pi (ARM):アセンブリ言語,機械語(2) ARMのassemblerをRaspberry Piのエミュレーター上で書ける.
4週 高専機構 「情報システムユーザーガイドライン」を用いて,セキュリティーに関する常識を身に着けているか確認する.
情報セキュリティーの常識を身に着けている.
5週 ARM:アセンブリ言語  ARMの重要な命令セットを理解している.
6週 ARM:機械語 ARMの重要な命令セットを理解している.
7週 ARM:プログラミング(算術/論理命令) ARMで算術/命令を書ける.
8週 ARM:プログラミング(分岐/条件文) ARMで分岐/条件文を書ける.
2ndQ
9週 ARM:プログラミング(配列) ARMのアセンブラーで,配列処理を理解できる.
10週 ARM:プログラミング(手続き呼び出し) ARMのアセンブラーで,手続き呼び出しを理解できる.
11週 ARM:メモリーマップ,コンパイル,アセンブル,リンク,ロード ARMでのメモリーマップを理解できる.
12週 単一サイクルプロセッサー(1) 単一サイクルプロセッサーの設計手順を説明できる.
13週 単一サイクルプロセッサー(2) 単一サイクルプロセッサーの設計手順を説明できる.
14週 単一サイクルプロセッサー(3) 単一サイクルプロセッサーの設計手順を説明できる.
15週 まとめ 学んだことは,重要ではあるがコンピューターアーキテクチャーの一部であり,CPUの一部の理解に過ぎないことを理解する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3前2,前3,前5,前6
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3前2,前3,前5,前6
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3前2,前3,前5,前6
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3前2,前3,前5,前6
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。3前2,前3,前5,前6
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。3前2,前3,前5,前6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力0000000
専門的能力50000050100
分野横断的能力0000000