概要:
現代社会において倫理感の欠如、低落に起因した事件、事故、不祥事、訴訟問題等枚挙に暇がない。安心・安全・快適な市民生活を工業の分野から支えるべき技術者の具備すべき資質の一つとしての「倫理」をその精神から法制度的知識等にいたる事柄を先行事例から学ぶ。特に昨今、大きな社会問題となっている情報セキュリティおよび知的財産に関連する諸問題、組織におけるインテグリティとコンプライアンスの確保のための倫理等を先行事例として取り上げ、議論を通じて学べるようにする。
授業の進め方・方法:
●座学授業を中心に行うが、必要に応じて課題演習を実施する。
●教科書の予習、授業後のノートや資料の復習を欠かさないこと。
●授業中は、板書だけではなく口頭で話す重要事項のメモも取ること。
●授業内では過去~現在の起こっている実際の倫理問題を扱うので、普段からインターネットや報道
で情報を収集しておくこと。
●普段から自分の「1個人」「社会人」「技術者(の卵)」としての倫理観形成に努めること。
注意点:
評価方法:定期試験(期末試験)、演習課題(小テストを含む)で評価する。
点数配分:前半50% + 後半50%
評価基準:60点以上を合格とする。
再試験 :実施する。
学習にあたっては予習復習を必要とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
1 技術者の社会的責任と倫理、技術者の行動規範 (第1章、第2章) |
公衆、生活倫理、技術者倫理に関する定義を理解する。技術者の行動規範を理解する。
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2週 |
2 研究倫理、説明責任 (第3章、第4章) |
研究者の倫理を理解する。技術者の説明責任について理解する。
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3週 |
3 技術情報と知的財産の保護、内部告発(第5章、第6章) |
知的財産について理解する。内部告発と関係法令を理解する。
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4週 |
4 製造物責任、ヒューマンエラー、化学と倫理(第7章、第8章,第9章) |
製造鬱責任と製造物責任法について理解する。事故、ヒューマンエラー、化学に関する倫理を理解する。
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5週 |
5 ナノテクノロジーと倫理、バイオテクノロジーと倫理(第10章、第11章) |
期待される技術に関する倫理について理解する。
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6週 |
6 情報ネットワーク社会と倫理,情報新技術と倫理(第12章、第13章) |
情報ネットワーク、情報技術に関する倫理を理解する。
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7週 |
7 環境保全と倫理、多様性社会と倫理(第14章、第15章) |
環境保全に関する倫理、多様性社会に関する倫理について理解する。
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8週 |
8 前半の振り返り |
これまでの内容についての理解を確認する。
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4thQ |
9週 |
9 モノ作りと事故の歴史~事故の原因と責任を考える~
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安全の原理・フェールセーフが理解できる。
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10週 |
10 安全の原則・リスク |
安全の原則及びリスクが理解できる。
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11週 |
11 事故・責任とはなにか?・日本の安全の現状 |
事故と責任,日本の安全の現状を把握できる。
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12週 |
12 リスクベース社会・衡平性の原則 |
リスクベース社会、平衡性原理が理解できる。
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13週 |
13 被害者と加害者の安全・インターロック |
被害者と加害者の安全の違いについて理解できる。
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14週 |
14 止めない・止める・止まる・止まらない |
止めない・止める・止まる・止まらないの違いについて理解できる。
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15週 |
15 日本の製品 |
日本の製品・CEマークについて理解できる。
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16週 |
期末試験 |
これまでの内容についての理解を確認する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | |
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 3 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。 | 3 | |
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。 | 3 | |
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。 | 3 | |
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 3 | |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 3 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |