到達目標
1.材料の基礎知識が理解できる。
2.導電体の特性について説明できる。
3.半導体・誘電体の特性について説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 原子レベルでの結合状態により結晶構造や物質が異なることが説明できる。 | 原子レベルでの構造や物質の結晶構造について理解できる。 | 原子レベルでの構造や物質を構成する基本的結晶構造の違いについて理解できない。 |
評価項目2 | キャリア密度の計算や物質によるエネルギー状態の違いから電気伝導性とその特徴を説明できる。 | キャリア密度の計算から電流や導電率の計算や電気伝導性が説明できる。 | キャリア密度の計算や導電率の計算等ができない。 |
評価項目3 | 真性半導体や不純物半導体でのバンド構造の違いやpn接合のキャリア移動とIV特性等の関連、誘電体や金属との性質の違いに関する一般的知識を説明できる。 | 半導体中の電子と正孔のキャリアの振舞いが電場により異なることや誘電体および金属との違いが理解できる。 | 半導体と誘電体、金属の違いが理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
1
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JABEE D-2
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教育方法等
概要:
現代のエレクトロニクス産業の基盤をなす機能性材料の電気的・光学的特性を理解するためには、マクロ的組織の特徴を学習するだけでなく、原子・分子配列や電子・フォノン等の結晶中における挙動についての専門的知識を養わなければならない。本講義では、電気・電子材料ならびに半導体・誘電体に関する電気・電子特性と材料の基本的性質との関連について学習する。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で半導体材料の研究開発を担当していた教員を中心に、その経験を活かして現場での技術の事例を含めた電気電子材料の基礎や結晶学に関する授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
プリントを適宜配布しながら講義を実施する。途中レポート提出を課す場合がある。
出欠はきびしくとり、他の学生に迷惑がかかるような学習態度が見られる場合は途中退席を命じる。
講義において不明な点は授業の妨げにならない程度でその都度質問に応じる。
講義内容は電気・電子材料の固体物性を基本とするため、物理学の復習や授業内容の復習を欠かさないことを推奨する。課題遂行状況に応じて中間試験実施の有無を決定する。
オフィスアワー:電子メール等によって事前に日時を打ち合わせること。
注意点:
成績評価は中間試験50%、期末試験50%とし、中間試験を実施しなかった場合は期末試験100%とし、60点以上を合格とする。
新型コロナ感染症拡大防止により、試験が実施できなかった場合は授業中に貸した課題を総合評価に入れることがある。配分については授業中に周知する。
不合格者については再試験を実施する。
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
結晶構造の基礎(結晶学の基礎) |
代表的な物質の結晶構造が理解できる。
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2週 |
結晶構造の基礎2(積層構造や空隙) |
結晶学的方位や面の表記およびミラー指数間の関係が理解できる。
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3週 |
結晶学の基礎と応用(方位や面のミラー指数) |
結晶学的方位や面の表記およびミラー指数間の関係が理解できる。
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4週 |
原子構造&軌道電子の状態 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。
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5週 |
電子のエネルギー準位と電磁放射 |
電子が有するエネルギーと軌道間遷移に伴う電磁放射が理解できる。
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6週 |
電磁放射とエネルギーバンド構造 |
孤立原子と結晶を構成した際のエネルギーバンド構造の形成について理解できる。
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7週 |
先端的な電気電子材料に関するトピックス |
先端的な高速通信&パワーデバイスに関する内容が理解できる。
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8週 |
確認試験(中間試験) |
これまでの内容について説明ならびに計算ができる。
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4thQ |
9週 |
エネルギーバンド構造と遮蔽効果 |
遮蔽効果を考慮した電子が有するエネルギーや電磁放射光の波長が計算できる。
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10週 |
導電体材料の電気伝導の基礎 |
電子の電荷量や質量などの基本性質や金属の電気的性質を説明でき、移動度や導電率の計算ができる。
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11週 |
半導体の基礎と占有確率・状態密度 |
半導体の種類に加え、ハンド構造図から金属とは異なる電気伝導を理解することができる。また電子の占有確率が計算できる。
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12週 |
先端的な電気電子材料に関するトピックス2 |
先端的な半導体センサに関する内容が理解できる。
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13週 |
金属および半導体のキャリアと密度 |
金属や半導体についてフェルミ・ディラック分布から有限温度でのキャリア密度の計算ができる。
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14週 |
pn接合半導体とデバイスの基礎 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド構造図を用いたpn接合の電流―電圧特性が説明できる
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15週 |
試験問題内容に関する理解度の再確認 |
定期試験で実施した項目や内容について説明できる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 4 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 4 | |
電磁気 | 導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 4 | 後5,後9,後10,後11,後14,後15 |
ローレンツ力を説明できる。 | 4 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 3 | 後14 |
電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 4 | 後3,後7,後8,後9,後11 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 3 | 後5,後7,後8,後9,後11,後12,後13 |
原子の構造を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後5,後7,後9 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 4 | 後4,後5,後7,後9 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後10,後15 |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 4 | 後8,後9,後11,後12 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 4 | 後13,後15 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 後6,後10,後13,後14,後15 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 4 | 後14 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 |
専門的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |