応用物理2

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用物理2
科目番号 4E37 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 詳解物理学 原康夫著 東京教学社
担当教員 越地 尚宏

到達目標

・質点や剛体の運動について、基礎的事項やその性質について理解し、これらに関する計算ができる。
・波動現象について、基礎的事項やその性質について理解し、これらに関する計算ができる。
・熱力学的な考え方ができ、これらに関する計算ができる。
・前期量子論(粒子性・波動性、電子モデル、エネルギー準位)について理解でき、これらに関する計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
質点や剛体の運動について、基礎的事項やその性質について理解し、計算ができる。質点や剛体の運動について深く理解し、応用問題を含む殆どの計算問題を解く事ができる。質点や剛体の運動について基礎的な事項を理解し、基礎的な問題の殆どを解く事ができる。質点や剛体の運動について基礎的な事項を理解できず、基礎的な問題の解法を理解していない。
波動現象について、基礎的事項やその性質について理解し、これらに関する計算ができる。波動現象について深く理解し、応用問題を含む殆どの計算問題を解く事ができる。波動現象について基礎的な事項を理解し、基礎的な問題の殆どを解く事ができる。波動現象について基礎的な事項を理解できず、基礎的な問題の解法を理解していない。
熱力学的な考え方ができ、これらに関する計算ができる。熱力学について深く理解し、応用問題を含む殆どの計算問題を解く事ができる。熱力学について基礎的な事項を理解し、基礎的な問題の殆どを解く事ができる。熱力学について基礎的な事項を理解できず、基礎的な問題の解法を理解していない。
前期量子論について理解し、これらに関する計算ができる。前期量子論について深く理解し、応用問題を含む殆どの計算問題を解く事ができる。前期量子論について基礎的な事項を理解し、基礎的な問題の殆どを解く事ができる。前期量子論について基礎的な事項を理解できず、基礎的な問題の解法を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
今まで学んできた物理関連講義を基礎とし、電気電子工学において重要である内容について再構築を行い、多角的視点からの知識及び思考法の習得を目的とする。今までの物理関連講義に比べ、より抽象度の増した物理を学ぶことで、物事をモデル化し理解する考え方を習得する。また、歴史的背景についても述べ、現在の物理学との繋がりについての理解も深める。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で進める。理解を深めるために適宜演習を行い、レポート課題を課す。
物理学は、講義を聴くだけでは理解しにくいため、自ら考え自ら手を動かすことが必要となる。身近な現象や日常的に使っている機器の原理を知ることも理解につながるため、身の回りの現象に興味を持ち観察することも重要である。
注意点:
前期中間試験20%。前期期末試験20%、後期中間試験20%。後期期末試験20%、課題レポート&小テスト20%の合計評価とする。
前後期それぞれの総合再試をそれぞれ一回のみ行う。
評価基準:60点を合格点とする。
指定した教科書のページを事前に読んでおくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力学  質点の力学(復習) 一つの質点の運動について、速度と加速度の概念の説明や計算ができる。
2週 力学 運動の法則 一つの質点の運動について運動方程式を立てて、物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができ簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て解くことができる。
3週 力学  力の法則 相対座標と換算質量を用いて二質点の運動方程式をたて、解くことができる
4週 力学 様々な運動や力 摩擦力 物体にはたらく様々な力を理解し、静止摩擦力や動摩擦力に関する計算ができる
5週 力学 仕事とエネルギー 仕事とエネルギーの概念が理解でき、これらに関する計算ができる。
6週 力学 運動量保存則 運動量や力積に関する考え方が理解でき、これらの計算ができる。
7週 力学 回転運動と角運動量 角運動量や角運動量保存則について理解し、具体的な例を挙げて説明できる。
8週 力学 見かけの力 見かけの力とは何か理解でき、それらに関する計算ができる。
2ndQ
9週 力学 質点系や剛体の運動法則 質点系や剛体とは何か理解し、それらの重心に関する計算ができる。
10週 力学 剛体のつりあい 剛体における力のつり合いに関する計算ができる。。
11週 力学 剛体の慣性モーメント 一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。
12週 力学 剛体の回転運動 剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
13週 力学 剛体の平面運動 剛体の平面運動について理解ができ、関連する計算ができる。
14週 波動 波の性質 波の基本的性質について理解ができ、それに関する計算ができる。
15週 波動 定常波 定常波の基本的性質について理解ができ、それに関する計算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 熱:熱と温度 エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。
2週 熱:気体の性質 ボイル・シャルルの法則、理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。
3週 熱:気体の分子運動 期待の熱現象を気体分子の運動として理解し、それに関する計算ができ、原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。
4週 熱:気体の状態変化と比熱 ボイル・シャルルの法則、理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。
5週 熱:熱機関 熱機関の熱効率に関する計算ができる。
6週 熱:熱力学の第二法則 不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができるとともにこれらに関する計算ができる。
7週 熱:カルノーサイクルとカルノーの原理 カルノーサイクルやカルノーの原理について理解できる。
8週 熱:エントロピーとは エントロピーの概念について理解し、具体例を挙げることができる。
4thQ
9週 熱:エントロピー増大則 エントロピー増大則について理解し、これらに関する計算ができる。
10週 熱伝導と熱放射 時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。
11週 前期量子論 電子の発見 J.J.トムソンの実験や比電荷、電子の質量について歴史的背景とともに内容を理解できる。
12週 前期量子論 光電効果と仕事関数 光電効果と仕事関数について理解し、関連する計算ができる。
13週 前期量子論 ボーアの原子モデル ボーアの原子モデルについて理解する
14週 前期量子論 水素原子のスペクトル(1) エネルギー準位の概念を理解できる。
15週 前期量子論 水素原子のスペクトル(2) 水素原子のスペクトルを求めることができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1,前13
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前1
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1,前2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前1
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
物体に作用する力を図示することができる。3前2,前3
力の合成と分解をすることができる。3前3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前3
慣性の法則について説明できる。3前2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前2
運動方程式を用いた計算ができる。3前2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前2
運動の法則について説明できる。3前2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前4
最大摩擦力に関する計算ができる。3前4
動摩擦力に関する計算ができる。3前4
力のモーメントを求めることができる。3前13
角運動量を求めることができる。3前12
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前12
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前10
重心に関する計算ができる。3前10
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前12
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前9,前11,前12
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後5
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後5,後10
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後1
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3後1,後6,後10
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3後1,後3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3後3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3後4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前15
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後5,後6,後7,後9
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後4,後5,後7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000