電力発生工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電力発生工学
科目番号 5E03 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:西嶋 喜代人、末廣 純也 著 「電気エネルギー工学概論」 朝倉書店
担当教員 末廣 純也

到達目標

1.電気エネルギーの発生に関わる基本技術の理解
2.電気エネルギーの輸送と貯蔵に関わる基本技術の理解
3.エネルギー・環境分野全般に関する国際的視野の涵養

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:エネルギー資源とその利用形態エネルギー、環境、経済の相互関係を理解し、その将来展望に関する持論を説明できる。エネルギー、環境、経済の相互関係を理解するエネルギー、環境、経済の相互関係を理解していない。
評価項目2:従来の発電方式水力、火力、原子力発電方式の原理を理解し、与えられた条件に応じてその発生出力を計算できる。水力、火力、原子力発電方式の原理を理解している。水力、火力、原子力発電方式の原理を理解していない。
評価項目3:新しい発電方式再生可能エネルギー、燃料電池、高速増殖炉、核融合発電の原理を理解し、与えられた条件に応じてその発生出力を計算できる。再生可能エネルギー、燃料電池、高速増殖炉、核融合発電の原理を理解している。再生可能エネルギー、燃料電池、高速増殖炉、核融合発電の原理を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
現代文明の発展はエネルギー消費量増加のあゆみでもあり、特に電気エネルギーは変換効率、制御性などの長所のため、エネルギー需要に占める割合は益々増加する傾向にある。一方、化石燃料を一次エネルギーとするこれまでの発電方式は環境破壊等、様々な問題を抱えている。本講義では電気エネルギーの発生技術について従来方式と直接発電等、研究開発中の新しい方式について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書を用いた講義を行う。その基礎は、熱力学、電気回路、電磁気学、物理化学である。新聞などの報道を通して、エネルギーに関わる社会情勢に関心を持つことも重要である。
注意点:
・定期試験(中間試験+期末試験)90%、課題レポート10%を目安として評価する。
・再試験は必要に応じて行う。
・評価基準:60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 エネルギー資源とその利用形態 エネルギー、環境、経済との関係を理解する。
2週 火力発電方式(1)~熱力学の基礎 熱力学の第1法則、第2法則を理解する。
3週 火力発電方式(2)~状態量と状態線図 作動流体の状態量を状態線図で表現できる。
4週 火力発電方式(3)~汽力発電所の基本構成 汽力発電所の構成と水蒸気の状態変化を理解する。
5週 火力発電方式(4)~複合発電システム 複合発電システムの構成と熱効率について理解する。
6週 原子力発電方式(1)~原子核の結合エネルギー 核分裂反応でエネルギーが発生するメカニズムを理解する。
7週 原子力発電方式(2)~核分裂反応断面積と中性子の一世代 中性子エネルギーと核分裂反応衝突断面積の関係を理解する。
8週 原子力発電方式(3)~原子炉の構成 原子炉(軽水炉)の構成を理解する。
2ndQ
9週 水力発電方式(1)~ベルヌーイの法則 水力学とベルヌーイの法則を理解する。
10週 水力発電方式(2)~水力発電所の構成 水路式、ダム式、揚水式などの水力発電所の構成を理解する。
11週 太陽光発電と風力発電 太陽光発電と風力発電の原理と出力計算法を理解する。
12週 燃料電池 燃料電池の原理、種類、水素製造法などを理解する。
13週 高速増殖炉と核融合発電 高速増殖炉と核融合発電の原理と開発状況を理解する。
14週 エネルギー貯蔵技術(1)~揚水発電 揚水発電によるエネルギー貯蔵の原理と実際を理解する。
15週 エネルギー貯蔵技術(2)~超伝導マグネットエネルギー貯蔵 超伝導マグネットを用いたエネルギー貯蔵の原理と開発状況を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4前1
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4前1
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4前1
電力システムの経済的運用について説明できる。4前1
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4前9,前10
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4前2,前3,前4,前5
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4前6,前7,前8
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4前11,前12,前13
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4前1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力400000040
分野横断的能力100000010