情報理論

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 情報理論
科目番号 5E07 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「イラストで学ぶ 情報理論の考え方」,植松友彦,講談社.参考図書:"MODERN DIGITAL AND ANALOG COMMUNICATION SYSTEMS(Fourth Edition)", B.P. Lathi and Zhi Ding, OXFORD UNIVERSITY PRESS.
担当教員 加藤 直孝

到達目標

1.情報理論の各種概念を数学を用いて説明できる.
2.情報量や情報量の性質を数学を用いて説明できる.
3.情報源の符号化を数学を用いて説明できる.
4.通信路のモデルや通信路容量を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1情報理論の各種概念を数学を用いて説明できる.情報理論の各種概念の数学を用いた説明が理解できる.情報理論の各種概念の数学を用いた説明が理解できない.
評価項目2情報量や情報量の性質を数学を用いて説明できる.情報量やその性質を数学を用いた説明で理解できる.情報量やその性質を数学を用いた説明で理解できない.
評価項目3通信路のモデル全体を説明できる.通信路のモデルの各要素を説明できる.通信路のモデルが理解できない.
評価項目4情報源符号化について説明できる情報源符号化について理解できる情報源符号化について理解できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
情報理論の基礎を学ぶことを目的とする.単に情報理論で使われる言葉の表面的な理解をするのではなく,大学院等で本格的に情報理論を研究するために必要な基礎学力の習得を目指す.確率の定義をコルモゴロフの公理的定義からスタートし,情報理論の基礎を積み上げる.ただし,この授業では,情報源符号化定理にフォーカスし,エントロピーの本当の意味を理解することを中心にすえる.教科書の前半をカバーする.
実務経験のある教員による授業科目:加藤は企業(IBM)でコンピューター・アーキテクチャーを担当していた.その経験を活かし,インフォメーション・コーディング,特に情報符号化に関する授業を行う.
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って行う.確率や統計の知識(確率過程など)を必要とする場合は,適宜板書やプリント等で補いながら行う.この授業では,教科書の前半をカバーし,通信路符号化定理に関しては,結論の式を述べるにとどめる.また,教科書の定理の証明を通して,証明における記号の扱い方など,より汎用的な能力を高めるためるようにする.授業終了時には,受講者全員が,情報理論におけるエントロピーとは何かを,自信をもって述べられるようにすることがこの授業の目的である.
注意点:
参考図書:"MODERN DIGITAL AND ANALOG COMMUNICATION SYSTEMS(Fourth Edition)", B.P. Lathi and Zhi Ding, OXFORD UNIVERSITY PRESS. 
"Elements of Information Theory", Thomas M. Cover, Joy A. Thomas, John Wiley & Sons

評価方法詳細:
定期試験 50%,課題等その他 50% を目安として評価する. 60点以上を合格とする.再試は行わない.
次回の授業範囲を予習し、教科書の該当範囲を事前に読んでおくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション 数学を使わず情報理論を理解できる.
2週 情報理論の概要 情報理論の全体像を理解できる.
3週 情報の表現 集合と順序対を再確認する.
4週 確率の基礎 確率のコルモゴロフの公理的定義を理解できる.
5週 情報量 各種情報量の定義とその意味を理解できる.
6週 情報量の性質(1) イェンゼンの不等式と対数和不等式を理解できる.
7週 情報量の性質(2) ダイバージェンスの非負性やエントロピーの上界式を証明できる.
8週 確率分布について 二項分布とポアソン分布を理解している.
4thQ
9週 テストを行う. 教科書を見なくても,ダイバージェンスの非負性やエントロピーの上界式を証明できる.
10週 大数の法則を証明する(1) 大数の法則を理解できる.
11週 情報源の符号化(1) 情報源符号,平均符号語頭符号を理解できる.
12週 情報源の符号化(2) クラフトの不等式を理解できる.
13週 情報源の符号化(3) 情報源符号化逆定理,情報源符号化定理を理解できる.
14週 ハフマン符号 ハフマン符号を理解できる.
15週 予備 予備
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3後1,後2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力0000000
専門的能力50000050100
分野横断的能力0000000