到達目標
(1)Transport Layer, Packet Layer, Link Layerのサービスを説明できる.
(2)サービスを実現するためのプロトコールを説明できる.
(3)ネットワーク関連のプログラムやOSのコマンドを活用し,PCのネットワークに関する状態を把握できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | コンピューター上でのTransport Layer, Packet Layer, Link Layerのサービスの受け渡しを理解できる. | Transport Layer, Packet Layer, Link Layerのサービスを説明できる. | 階層化されたサービスとその相互関係が理解できない. |
評価項目2 | サービスを実現するためのプロトコールがなぜそのようなプロトコールなのか説明できる. | サービスを実現するためのプロトコールを説明できる. | 一つひとつのサービスのプロトコールが理解できない. |
評価項目3 | IP, Subnet, Default router,DHCPなどネットワーク設定における常識を理解している. | IP, Subnet, Default router,DHCPなどネットワーク設定を説明できる. | IP, Subnet, Default router,DHCPなどネットワーク設定のための知識がない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
この授業では,将来色々な組織で各自のコンピューターをネットワークに接続する際に,理解しておくべき基本的な知識を学ぶ.ISO OSIやTCP/IPの階層構造の理解や,IPアドレスに関する実務的な理解,LANに関する技術的な知識の習得を目的とする.担当教員はIBMでの長い実務経験を有している.
実務経験のある教員による授業科目:加藤は企業(IBM)でネットワーク・アーキテクチャーを担当していた.その経験を活かしネットワーク・アーキテクチャー,特に TCP/IP に関する授業を行う.
授業の進め方・方法:
授業は,できるだけ教科書に沿って進めるが,毎回,授業の最初に英語学習の意味も含めてStanford大学のコンピューター・ネットワークに関する公開授業を見る.また,一般教室の無線LANに接続してネットワーク関連のコマンドを試すので,BYOD(Bring Your Own Device)としてノートブックPCを持ち込むことが望ましい.教科書は,シスコのネットワークの資格取得に向けた基礎的な知識を扱っているが,その内容の汎用性は高い.安心して教科書の学習を進めていただきたい.将来必ず役に立つ.
注意点:
参考書:Computer Networking (A Top-Down Approach), International ed of 7th revised ed., James F. Kurose, Keith W. Ross, Pearson Education
上記の参考書が世界的に認められた教科書である.さらなる学習には上記英語の本を参照すること.日本語翻訳はあるが,第2版の古本のみである.
評価方法の詳細:
定期試験50%、課題レポート50%を目安として評価する。
60点以上を合格(60点)とする。再試は行わない.
次回の授業範囲を予習し、教科書の該当範囲を事前に読んでおくこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
オリエンテーション |
コンピューターを理解しないと,通信ネットワークは理解できないことを知る.
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2週 |
ネットワークの全体像を説明する. |
data linkやend-to-endのコミュニケーションと言った言葉に慣れる.
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3週 |
クローズドネット,インターネットなどいろいろなネットワークとそれらとの接続機器を説明する. |
ネットワーク機器にもいろいろあることを理解する.
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4週 |
ネットワークの階層構造を説明する.ISO OSIとTCP/IPについて説明する. |
ISO OSI, TCP/IPの概要を理解できる.
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5週 |
Ethernetに関する説明をする. |
Ethernet, MAC address, UTPケーブル,RJ-45,CRCと言った基本的な技術を理解している.
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6週 |
IP,ICMP,ARP などIP関連のプロトコルについて説明する. |
ICMPやARPのプロトコルが理解できる.
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7週 |
TCP,UDPの役割とそれらのプロトコルについて説明する. |
TCP, UDPの役割,それらのフォーマットとプロトコルを説明できる.
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8週 |
IP address, subnet mask, default gatewayなど,インターネット・ユーザーとして知っておくべきことを説明する. |
IP address, subnet mask, default gateway などの基本的な役割と使われ方を説明できる.
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4thQ |
9週 |
IP Version 4のアドレスの詳細を説明する.Version 6の重要性も少し説明する. |
IP Version 4のアドレスの体系について説明できる.Version 6の学習の必要性を説明できる.
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10週 |
グローバルアドレス,プライベートアドレス,NATなどそれらの使われ方を説明する. |
グローバルアドレス,プライベートアドレス,NATを説明でき,実際に接続しているネットワークを理解できる.
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11週 |
レイヤー2スイッチ,ルーター,レイヤー3スイッチ,がどのような役割を持ち,どのようにデータを転送するかを説明する. |
レイヤー2スイッチ,ルーター,レイヤー3スイッチ,がどのような役割を持ち,どのようにデータを転送するかを説明できる.
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12週 |
ルーティングテーブルの動作を説明する. |
ルーティングテーブルの動作を説明できる.
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13週 |
シスコの機器を概観する. |
シスコのネットワーク構成図をある程度理解できる.
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14週 |
まとめ |
全体を外観し,復習する.
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15週 |
予備(テスト返却等) |
予備(テスト返却等)
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | インターネットの仕組みを理解し、実践的に使用できる。 | 3 | |
情報セキュリティの必要性、様々な脅威の実態とその対策について理解できる。 | 2 | |
インターネットを用いた犯罪例などを知り、それに対する正しい対処法を実践できる。 | 3 | |
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報通信ネットワーク | プロトコルの概念を説明できる。 | 3 | |
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。 | 3 | |
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。 | 3 | |
インターネットの概念を説明できる。 | 3 | |
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。 | 3 | |
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。 | 3 | |
無線通信の仕組みと規格について説明できる。 | 3 | |
有線通信の仕組みと規格について説明できる。 | 3 | |
基本的なルーティング技術について説明できる。 | 3 | |
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |