通信ネットワーク

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 通信ネットワーク
科目番号 5E08 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:ゼロからはじめる CCNA 「超」基礎講座(Gene, SBクリエイティブ),(1)高専機構 情報セキュリティ教材 「K-SEC情報モラル教材」(高専機構 「情報システムユーザーガイドライン」「低学年教材」)
担当教員 大崎 邦倫

到達目標

(1)Transport Layer, Packet Layer, Link Layerのサービスを説明できる.
(2)サービスを実現するためのプロトコールを説明できる.
(3)ネットワーク関連のプログラムやOSのコマンドを活用し,PCのネットワークに関する状態を把握できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンピューター上でのTransport Layer, Packet Layer, Link Layerのサービスの受け渡しを理解できる.Transport Layer, Packet Layer, Link Layerのサービスを説明できる.階層化されたサービスとその相互関係が理解できない.
評価項目2サービスを実現するためのプロトコールがなぜそのようなプロトコールなのか説明できる.サービスを実現するためのプロトコールを説明できる.一つひとつのサービスのプロトコールが理解できない.
評価項目3IP, Subnet, Default router,DHCPなどネットワーク設定における常識を理解している.IP, Subnet, Default router,DHCPなどネットワーク設定を説明できる.IP, Subnet, Default router,DHCPなどネットワーク設定のための知識がない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
この授業では,将来色々な組織で各自のコンピューターをネットワークに接続する際に,理解しておくべき基本的な知識を学ぶ.ISO OSIやTCP/IPの階層構造の理解や,IPアドレスに関する実務的な理解,LANに関する技術的な知識の習得を目的とする.授業の約半分の時間を使い,GNS3(Graphical Network Simulator 3)によるネットワーク構築のハンズオン演習を行い,Routerや端末の設定を体験する.
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で情報通信技術に関連する実務を担当していた教員が、その経験を活かして授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業は,できるだけ教科書に沿って進める.また,授業の半分を使い,GNS3によるネットワーク構築を行うハンズオン演習を行う.ハンズオン演習には各自のPCを必要とする.GNS3上で構築したネットワーク構成は,課題として各自Teamsへアップロードする.
教科書は,シスコのネットワークの資格取得に向けた基礎的な知識を扱っているが,その内容の汎用性は高い.安心して教科書の学習を進めていただきたい.将来必ず役に立つ.
注意点:
参考書:Computer Networking (A Top-Down Approach), International ed of 7th revised ed., James F. Kurose, Keith W. Ross, Pearson Education
上記の参考書が世界的に認められた教科書である.さらなる学習には上記英語の本を参照すること.日本語翻訳はあるが,第2版の古本のみである.
評価方法の詳細:
定期試験50%、課題レポート50%を目安として評価する。
60点以上を合格(60点)とする。再試は行わない.
次回の授業範囲を予習し、教科書の該当範囲を事前に読んでおくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション
高専機構 「情報システムユーザーガイドライン」を用いて本科における最後のセキュリティーの学習を行う.
コンピューターを理解しないと,通信ネットワークは理解できないことを知る.逆に,情報セキュリティーに関してはすべてが常識になっていることを確認する.
2週 ネットワークの全体像を説明する.
data linkやend-to-endのコミュニケーションと言った言葉に慣れる.
3週 クローズドネット,インターネットなどいろいろなネットワークとそれらとの接続機器を説明する. ネットワーク機器にもいろいろあることを理解する.
4週 ネットワークの階層構造を説明する.ISO OSIとTCP/IPについて説明する.
(ハンズオン1)GNS3上で, Switchを経由したVPCS端末接続を行う.
ISO OSI, TCP/IPの概要を理解できる.
5週 Ethernetに関する説明をする.
(ハンズオン2)GNS3上で,複数のVPCS端末をスイッチ経由で接続し,Layer2接続とLayer3接続の違いを理解する.
Ethernet, MAC address, UTPケーブル,RJ-45,CRCと言った基本的な技術を理解している.
6週 IP,ICMP,ARP などIP関連のプロトコルについて説明する.
(ハンズオン3)GNS3上で,ルーターのポートの設定を行う.
ICMPやARPのプロトコルが理解できる.
7週 TCP,UDPの役割とそれらのプロトコルについて説明する.
(ハンズオン4)GNS3上で,2個のルーターを経由したスタティックルーティングの設定を行う(前半).
TCP, UDPの役割,それらのフォーマットとプロトコルを説明できる.
8週 IP address, subnet mask, default gatewayなど,インターネット・ユーザーとして知っておくべきことを説明する.
(ハンズオン5)GNS3上で,2個のルーターを経由したスタティックルーティングの設定を行う(後半).
IP address, subnet mask, default gateway などの基本的な役割と使われ方を説明できる.
4thQ
9週 IP Version 4のアドレスの詳細を説明する.Version 6の重要性も少し説明する.
(ハンズオン6)GNS3上で家庭の無線ルーターと同様の構成を構築する.
IP Version 4のアドレスの体系について説明できる.Version 6の学習の必要性を説明できる.
10週 グローバルアドレス,プライベートアドレス,NATなどそれらの使われ方を説明する. グローバルアドレス,プライベートアドレス,NATを説明でき,実際に接続しているネットワークを理解できる.
11週 レイヤー2スイッチ,ルーター,レイヤー3スイッチ,がどのような役割を持ち,どのようにデータを転送するかを説明する. レイヤー2スイッチ,ルーター,レイヤー3スイッチ,がどのような役割を持ち,どのようにデータを転送するかを説明できる.
12週 ルーティングテーブルの動作を説明する.
1回目のテストを実施する.
ルーティングテーブルの動作を説明できる.
13週 シスコの機器を概観する.
2回目のテストを実施する.
シスコのネットワーク構成図をある程度理解できる.
14週 まとめ 全体を外観し,復習する.
15週 予備(テスト返却等) 予備(テスト返却等)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。2後1,後2,後3,後4,後5,後8,後9,後10,後11,後12,後13
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
インターネットの概念を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
無線通信の仕組みと規格について説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
有線通信の仕組みと規格について説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
基本的なルーティング技術について説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力0000000
専門的能力50000050100
分野横断的能力0000000