概要:
1年次から4年次までの学習結果を総合して、実用的な回路の設計法を習得する。まず電気電子装置の設計に関する基本要素を学ぶ。これに続き電気電子装置の中心となる電子回路の設計と実際の動作確認試験を行う基礎的な実践力を学習する。また、実現する装置に必要な課題をハードウェア、ソフトウェア両面から解決するの問題解決能力を身に付けることを目的とする。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で製品開発、電子回路設計、センサー開発応用を担当していた教員がそれらの経験を活かし電子回路設計や装置開発に関連する実務的な事項について講義や演習を行うものである。
授業の進め方・方法:
演算増幅器、センサー、マイコンなどの英語規格資料を教材に用いる。これらを理解する力を養い、課題仕様を実現する電子回路うを設計する。基本的な要素の動作を簡単な回路を組み立て動作を確認しながら進める。最終的に電子回路CAD、プリント基板CADを使い電子装置を設計ために必要な基礎知識を習得できる授業を行う。課題に積極的に向い、不足する知識を自己学習しながら装置を完成できるよう粘り強い努力が必要である。
注意点:
中間試験と期末試験(100点満点)の平均点の80%で80点、課題レポートなどで20点の総合得点で60点以上を合格とする。不合格の場合、一定の復習を行えば再試験を1回行い、60点以上合格としその評価は60点とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電気電子装置に関する概論 |
電気電子装置の基本構成について説明できる。
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2週 |
演算増幅器などの英文規格資料の活用 |
演算増幅器の規格表の読み取りができる。
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3週 |
各種センサとマイクロコンピュータの総括 |
光センサ、音響センサとマイクロコンピュータの主要な特性を説明できる。
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4週 |
電子装置に関する基礎知識 |
演算増幅器による基本回路を説明できる。
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5週 |
システムとしての電子回路設計 |
センサからのアナログ、デジタルでの入力に対応する電子回路とソフトウェアの目的を説明できる。
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6週 |
ハードウェアとソフトウェアの役割とその分担 |
システムとしてソフトウェアとハードウェアの役割分担について説明できる。
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7週 |
電子回路設計のためのCAD活用 |
電子回路の設計CADの基本動作を理解し回路図に部品配置できる。
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8週 |
中間試験 |
学習事項のまとめと確認
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2ndQ |
9週 |
プリント基板設計のためのCAD活用設計課題の演習(1) |
電子回路を配線し基板パターンの設計例を示すことができる。
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10週 |
設計課題の演習(1) |
問題を解決するための電子装置を構成図を示して提案できる。
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11週 |
設計課題の演習(2) |
必要なセンサ、増幅器などを選定し応答信号の観測ができる。
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12週 |
センサ信号を処理するソフトウェアの構築 |
1個のセンサ入力信号をマイクロコンピュータに入力後処理するソフトウェアを具体的に説明できる。
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13週 |
電子回路設計製作(1) |
装置を提案し構成図、マイコンと見合わせる電子回路を作成できる。
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14週 |
電子回路設計製作(2) |
特徴的な個所についてセンサを用いた信号および電子回路動作の確認ができる。
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15週 |
設計例の評価とまとめ |
提案する装置の主要な個所を提案書にまとめることができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | 前15 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 情報 | 論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。 | 3 | 前7,前9 |
電子回路 | 利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。 | 3 | 前4 |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。 | 4 | 前4 |
計測 | オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。 | 3 | 前10 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | 前10,前11 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | 前10,前11 |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | 前9,前10,前11,前12,前13 |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | 前5,前6,前7,前14,前15 |
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。 | 3 | 前11,前12,前13,前14 |
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。 | 3 | 前13,前14,前15 |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | 前15 |