到達目標
1.さまざまな事象をシステムとしてモデル化し、問題解決の方法を提示できる。
2.種々のOR手法を理解し、簡単な問題を解くことができる。
3.線形計画法やその他の数理計画を実際の問題に適用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
モデル化と問題解決方法の提示 | モデル化、及び問題解決の方法が適切かつ高度である。 | モデル化、及び問題解決の方法が概ね適切である。 | モデル化、及び問題解決の方法が適切でない。 |
OR手法による問題解決 | OR手法の高度な理解ができ、やや高度な問題を解くことができる。 | OR手法の基本的な理解ができ、簡単な問題を解くことができる。 | OR手法の理解が不十分、または簡単な問題を解くことができない。 |
数理計画による問題解決 | 数理計画を実際の問題に適用でき、かつ高度な分析ができる。 | 数理計画を実際の問題に適用できる。 | 数理計画を実際の問題に適用できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
システム工学の目標は、システムを適確にモデル化し、その性能や信頼性を向上させることである。本科目では性能の向上、すなわちシステムの最適化の技法であるオペレーションズ・リサーチ(OR)を取り上げる。身近な例題に触れながら、日常生活や産業、あるいは社会のさまざまな問題解決や意思決定に広く役立つことを実感し、応用できる感性と能力を身につける。
授業の進め方・方法:
教科書の記述を題材に、適宜その他の資料も提示しながら講義する。
幅広い問題を調査し、解決策を提示する内容のレポートなど課題を数回課す。
課題は期限までに必ず提出すること。
注意点:
課題100%で評価する。
評価基準:60点以上を合格とする。
システム工学とORの適用対象は幅広く、実際の問題解決に役立てることを常に考えてほしい。
参考書はトピックのそれぞれについて多数あるので、そのつど紹介する。
参考書:[1] 刀根 薫 著『ゲーム感覚意思決定法』、日科技連出版社。
[2] 久保幹雄・松井知己 著『組合せ最適化[短編集]』、朝倉書店。
[3] 今野 浩・後藤順哉 著『意思決定のための数理モデル入門』、朝倉書店。
[4] 高橋幸雄・森村英典 著『混雑と待ち』、朝倉書店。
[5] 坂井豊貴 著『多数決を疑う — 社会的選択理論とは何か』(岩波新書)、岩波書店。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
システム工学とオペレーションズ・リサーチ |
システム工学とオペレーションズ・リサーチの関係を理解できる。
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2週 |
数理計画とその表現法 |
数理計画の標準的な表現法を理解できる。
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3週 |
線形計画法とその解法 |
線形計画法とその基本解法を理解し、計算機を活用して問題を解くことができる。
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4週 |
AHP(階層分析法)による意思決定 |
AHPの仕組みを理解し、意思決定に応用できる。
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5週 |
ネットワーク計画 (1) 輸送問題と最小費用フロー問題 |
最小費用フロー問題を理解し、線形計画法を利用して解くことができる。
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6週 |
ネットワーク計画 (2) 最短路問題 |
最短路問題をダイクストラ法で解くことができる。
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7週 |
ネットワーク計画 (3) 最小木問題 |
最小木問題をクラスカル法で解くことができる。
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8週 |
モンテカルロ法とランダムウォーク |
乱数の性質を理解し、身の回りの現象の理解に役立てることができる。
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4thQ |
9週 |
在庫管理 (1) 経済的発注量 |
在庫管理におけるHarrisのモデルと経済的発注量の考え方を理解できる。
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10週 |
在庫管理 (2) 在庫管理法と発注基準 |
経済的発注量に基づく基本的な在庫管理法を理解できる。
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11週 |
待ち行列 (1) M/M/c/cモデル(呼損系) |
呼損系待ち行列の特性を理解できる。
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12週 |
待ち行列 (2) M/M/1モデル |
待ち行列モデルのうち窓口が一つの場合の特性を理解できる。
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13週 |
スケジューリング (1) アロー・ダイアグラム |
作業手順をアロー・ダイアグラムに整理して分析できる。
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14週 |
スケジューリング (2) PERT |
アロー・ダイアグラムをもとにPERTの特性値を導き、スケジューリングに利用することができる。
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15週 |
オペレーションズ・リサーチのさまざまな問題 |
ゲームの理論、最適停止、ファイナンス理論など、ORの幅広い応用についての理解を深める。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 4 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 4 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 4 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 4 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 4 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 4 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 4 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 4 | |
評価割合
| 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
専門的能力 | 100 | 100 |