到達目標
1.技術哲学における概念や議論について、正確かつ十分な説明をあたえることができる。
2.学習内容を自分自身の生活に適用し、適切な具体例を考えることができる。
3.学習内容を踏まえ(もしくは批判的に受け止め)、自分自身や社会のあり方について、自らテーマを見つけて、十分に説得力のあるかたちで考察することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 技術哲学における概念や議論について、正確かつ十分な説明をあたえることができる。 | 技術哲学における概念や議論について、必要最低限の説明をあたえることができる。 | 技術哲学における概念や議論について、説明することができない。 |
評価項目2 | 学習内容を自分自身の生活に適用し、適切な具体例を考えることができる。 | 学習内容を自分自身の生活に適用し、具体例を考えることができる。 | 学習内容を自分自身の生活に適用し、具体例を考えることができない。 |
評価項目3 | 学習内容を踏まえ(もしくは批判的に受け止め)、自分自身や社会のあり方について、自らテーマを見つけて、十分に説得力のあるかたちで考察することができる。 | 学習内容を踏まえ(もしくは批判的に受け止め)、自分自身や社会のあり方について、自らテーマを見つけて一定の考察ができる。 | 学習内容を踏まえ(もしくは批判的に受け止め)、自分自身や社会のあり方について、考察することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
■私たちの生活にはさまざまなかたちで技術がかかわっています。そうした技術は私たちのものの見方や考え方、また行為や意思決定に影響を与えています。そうした技術の影響力について、私たちはいかに探求することができるのでしょうか。また、私たちは自身の生活のなかで、そうした影響力にたいしてどのように向き合うのでしょうか。
■こうした問題を考えるアプローチの一つが、技術哲学です。哲学とは概念の詳細な検討をおこなう学問です。したがって技術哲学とは技術にかかわる概念を詳細に検討する学問ということになります。技術哲学のアプローチによって、技術が私たちにたいしてもつ影響力について、概念レベルで詳しく検討することができます。
■この授業では、技術哲学のさまざまな視点や方法論を身に着け、それを批判的に検討して自分自身のものの見方や考え方を発展させてゆきます。テキストとしては、マーク・クーケルバーク著『技術哲学講義』丸善出版、2023年を基本的に用います。学生に購入義務はありません。
■とりわけ具体的な事例にもとづいて考察することを心がけます。担当教員が適宜具体例を提示するほか、学生も主体的に自分自身の生活を振り返って具体例にもとづいて考察します。
授業の進め方・方法:
■事前学習について
・本授業は事前学習が必須です。
・教員は毎回の授業の最後に一枚のプリントを学生に配布して次回授業までに取り組むよう指示します。学生は、配布されるワークシートの設問に回答して授業に臨んでください。
■授業について
・授業は大きく分けて二つのパートからなります。まず、教員が各回の重要なテーマについて講義をおこないます。次に、ワークシートを用いたグループワークをおこないます。
■事後学習
・授業後、学生はワークシートを持ち帰り、これを事後学習および期末レポート作成に役立てます。
注意点:
■成績評価その他
(1)点数配分:平常点(グループワーク)60%、期末レポート40%
(2)評価基準:60点以上を合格とする
(3)再 試:再試は行わない
(4)学修単位:本科目は学修単位であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す
■期末レポートについて
・剽窃やAI使用といった違反行為が認められた場合、成績は0点とし、再評価は行いません。
■欠席について
・欠席者分の配布資料は保管しません。欠席時はクラスメートにコピーさせてもらってください。
・授業を欠席すると平常点がありません(公欠の場合も同様)。公欠の場合は連絡すること。代替措置があります。また、グループワークに参加しない者(睡眠する、また討論に参加しないなど)は欠席とみなします。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
イントロダクション 授業方針の説明 |
授業を受けるにあたっての基礎的な知識を得る。授業方針を理解する。
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2週 |
技術哲学の歴史と背景 |
技術哲学の成り立ちを理解する。技術哲学の歴史的文脈、背景、批判的な問いを理解する。
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3週 |
現象学と解釈学――ハイデガー、マクルーハンと現代の研究 |
ハイデガー、マクルーハン、および技術の解釈学・現象学における現代の研究を理解する。
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4週 |
ポスト現象学、物質的解釈学、媒介理論 |
経験論的転回、アイディやフェルベーク、およびそれらにたいする批判的議論を理解する。
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5週 |
批判理論とフェミニズム |
マルクス、批判理論、フェミニズム技術哲学を理解する。
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6週 |
プラグマティズム、分析的アプローチ、文化横断的哲学 |
プラグマティズム、分析的技術哲学、異文化間の文化横断的な技術哲学を理解する。
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7週 |
情報技術から哲学、そして情報倫理へ |
フロリディおよび彼にたいする批判的議論を理解する。
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8週 |
ロボット工学と人工知能から、道徳的地位と人間関係をめぐる考察へ |
ロボットの道徳的行為者性、道徳的被行為者性を理解する。
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2ndQ |
9週 |
遺伝子工学とサイボーグからトランスヒューマニズムとポストヒューマニズムへ |
トランスヒューマニズム、エンハンスメント、ポストヒューマニズムについて理解する。
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10週 |
気候変動とジオエンジニアリングから「自然」への問いと「人新世」における「人新世」の考察へ |
自然概念の問題、および人新世について理解する。
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11週 |
技術哲学と他の哲学 |
倫理学・道徳哲学、哲学的人間学、言語哲学とのつながりについて理解する。
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12週 |
技術哲学とその他の学問分野――学際性と超域性 |
自然科学と工学、社会科学、人文学とのつながりについて理解する。
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13週 |
技術哲学とアカデミア外での実践 |
RRIと価値感応的デザイン、政策立案との関連、および技術哲学の将来について理解し考察する。
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14週 |
技術設計とその倫理 |
技術的媒介の設計や予期技術倫理について理解する。
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15週 |
まとめおよびレポート作成のためのガイダンス |
本講義全体をふりかえる。また期末レポート作成のための知識を得る。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 30 | 0 | 0 | 0 | 20 | 50 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 30 | 0 | 0 | 0 | 20 | 50 |