到達目標
地球環境および防災・減災に配慮した工学に取り組むために必要なアースサイエンスの基礎知識を身に付ける。
1. 宇宙の誕生・進化の過程で、太陽系に属する惑星として地球が誕生したことを理解できる。
2. 地球内部の熱がエネルギー源となり、地球のダイナミックな活動(地震や火山活動など)が起きていることを理解できる。
3. 地球誕生以降の地球環境の歴史を古生物のはたらきと関連づけて理解できる。
4. 太陽から届く放射エネルギーが、地球の大気・海水の循環や温室効果に果たす役割を理解できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 未到達レベルの目安(不可) |
評価項目1 | 宇宙を構成する天体の一つである地球の特徴を理解し、地球が属する太陽系の進化について説明できる。さらに、太陽の活動が日常の生活とどう関わっているのか考察できる。 | 宇宙を構成する天体の一つである地球の特徴を理解し、地球が属する太陽系の進化について説明できる。 | 宇宙を構成する天体の一つである地球の特徴を理解せず、地球が属する太陽系の進化について説明できない。 |
評価項目2 | 地震と火山噴火のメカニズムについて説明することができる。さらにこれら自然災害発生時の対策や防災・減災について考察できる。 | 地震と火山噴火のメカニズムについて説明することができる。 | 地震と火山噴火のメカニズムについて説明することができない。 |
評価項目3 | 化石に記録された地球環境の移り変わりを、大気組成の変化と関連づけて説明できる。さらに、地球温暖化の現状をデータから読み取れる。 | 化石に記録された地球環境の移り変わりを、大気組成の変化と関連づけて説明できる。 | 化石に記録された地球環境の移り変わりを、大気組成の変化と関連づけて説明できない。 |
評価項目4 | 地球の熱収支から温室効果のしくみを説明できる。さらに、地球熱収支の局所的な不均衡が大気・海洋の大循環を引き起こすメカニズムを説明できる。 | 地球の熱収支から温室効果のしくみを説明できる。 | 地球の熱収支から温室効果のしくみを説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
私たちが住む地球は広大な宇宙を構成する天体の一つであり、地球を構成する元素はどこかの恒星の中で合成されたものである。また、太陽系に属する地球の気候変動は太陽活動と密接に関わっている。さらに、個体としての地球のダイナミックな活動(地震や火山活動など)は、現在の豊かな大地をもたらすが、時として大きな災害を引き起こす。地球のなりたちを理解し、気候変動や地球活動が引き起こす自然災害から身を守るためには、地学的知識が必要不可欠である。本授業では、地球環境保全や防災・減災などの工学分野に必要となるアースサイエンスに関する基礎知識を獲得し、また地学現象について自ら考え、データを読み解き分析する科学的素養を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
宇宙の誕生・進化の過程の中で、太陽系が誕生したことを学習し、太陽系における惑星としての地球、地震や火山に代表される活動する地球へと授業を進める。その後、古生物から地球誕生以来の地球史を学び、地球の熱収支と関わる温室効果や大気・海洋の大循環、現在の地球環境問題や自然災害に関する事項を学ぶ。基本的に教科書に記載された内容を学習するが、必要に応じて他の教材から引用した資料や映像教材を用いて説明する。
注意点:
授業の進め方は教科書の記載順序と一部異なるが、基本的な学習事項は教科書に従うため、教科書をしっかり読むこと。また、地学は自然現象を学ぶ学問であり、物理や化学、生物の基礎科目で学習する事項を包含し、また地理とも深く関連している。他教科の学習とも相乗効果があるので、多角的視点から受講してください。試験80%、平常点20%を目安として評価する。前期成績50%・後期成績50%で総合評価し、60点以上を合格とする。原則として再試験は行わない。
授業予定の教科書該当ページを事前に読んでおくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
(天文1)宇宙のすがた |
ビッグバンによる宇宙の誕生を理解し、宇宙の構造・進化を説明できる。
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2週 |
(天文2)太陽と恒星 |
太陽のエネルギー源や構造、太陽活動のようすを理解するとともに、太陽をはじめとする恒星の一生を説明できる。
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3週 |
(天文3):太陽系の天体 |
太陽系が太陽を中心にその周りを周回する惑星・小天体で構成されていることを説明できる。
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4週 |
(天文4):惑星の形成とその進化 |
地球型惑星と木星型惑星の分類が出来、地球で生命が誕生・進化できた環境要因を説明できる。
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5週 |
(固体地球1)地球の構造 |
地球の形と大きさ、地球内部の構造を説明できる。
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6週 |
(固体地球2)プレートテクトニクス |
プレート運動と3種類のプレート境界の特徴を関連づけて説明できる。
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7週 |
(固体地球3)地震と地殻変動 |
地震発生のメカニズムを断層運動の観点から理解し、地震に伴う地殻変動について説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
(固体地球4)火山 |
マグマの生成や火山噴出のしくみを理解し、火山ができる場所を説明できる。
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10週 |
(地球史1)化石と地質時代の区分 |
地球と生命の歴史を理解し、地質時代の区分や時間的なスケールを説明できる。
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11週 |
(地球史2)古生物の変遷 |
地球史における生物の変遷から、地球環境の歴史を大気組成の変化と関連づけて説明できる。
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12週 |
(大気海洋1)地球の熱収支 |
太陽放射と地球放射がバランスしていることを理解し、温室効果を説明できる。
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13週 |
(大気海洋2)大気圏の構造 |
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。
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14週 |
(大気海洋3)大気と海水の運動 |
地球の熱収支の局所的な不均衡が大気の大循環を引き起こし、ひいては海流を駆動するしくみを説明できる。
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15週 |
(まとめ)地球環境と自然災害 |
これまでの学習を振り返り、日本で起こる自然災害について列挙できるとともに、防災・減災について考えることができる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。 | 3 | |
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。 | 3 | |
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。 | 3 | |
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。 | 3 | |
マグマの生成と火山活動を説明できる。 | 3 | |
地震の発生と断層運動について説明できる。 | 3 | |
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。 | 3 | |
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。 | 3 | |
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。 | 3 | |
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。 | 3 | 前1 |
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。 | 3 | |
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 20 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 0 | 0 | 20 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |