概要:
微分積分は、工学や自然科学を含む現代科学の必須の基礎概念である。2年生で学習した1変数関数の微分・積分を発展させて学ぶ。さらに2変数以上の関数の微分・積分の概念と計算能力を養成する。そして、微分・積分を使って様々な問題を解決できるようになることを目指す。
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿った分かりやすい講義を目指す。しかし1、2年生で学んだことを踏まえた内容であり、またこれまで以上に抽象的で高度な数学を学ぶことになる。イメージをつかんで内容を理解すること、学んだことを応用して問題を解決することを心掛けてほしい。
授業を実りあるものにするために、数学に興味を持って、前向きに受講することを期待する。
注意点:
【評価方法】
■1stQの評価方法
(定期試験100点満点)×0.7+(小テスト30点満点)の合計100点で評価する.
■2ndQの評価方法
{(定期試験100点満点)×0.7+(小テスト30点満点)}×0.5+(1stQの評価点)×0.5の合計100点で評価する.
■3rdQの評価方法
(定期試験100点満点)×0.7+(小テスト30点満点)の合計100点で評価する.
■4thQの評価方法
{(定期試験100点満点)×0.7+(小テスト30点満点)}×0.25+(3rdQの評価点)×0.25+(前期の評価点)×0.5の合計100点で評価する.
4thQの評価点で60点以上を合格とする.
【定期試験の注意点】
・再試験は必要に応じて 行う。
・追試験の追試験は行わない.各定期試験前に、追試日および追試験を公欠により欠席する場合の対応について連絡をする.
【小テストの注意点】
・小テストは授業の最初に行う.
・小テストを公欠により受験しなかった場合、その小テストは評価に加味しない.
・小テスト予定日が遠隔授業となった場合,対面授業に戻るまで延期する.
・小テストの評価点は,(努力点3点)+(小テストの点数)×0.7の10点満点で評価する.出席と欠席では、小テストの点数が同じ0点であっても評価点は異なることに注意する.
・小テストの評価点は,各クォーターの成績評価時に30点満点に換算する.
【それ以外の注意点】
・授業中に食べ物を食べることを禁止とする.
・教員の説明中の私語は禁止とする.
・各自,欠席・遅刻・早退回数に注意する.
・自分の点数管理は、各自で行うこと.(例:前期30点の場合、後期で90点を取らなければならない等の計算)
・救済措置等は、一切行わない.
・以下の授業計画は,予定であり変更が生じる場合がある.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
第2次導関数と曲線の凹凸 |
2次以上の導関数を求めることができる。
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2週 |
逆関数とその導関数 |
逆関数の定義を理解し、その導関数の計算ができる。
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3週 |
逆三角関数と導関数 |
逆三角関数を理解している。逆三角関数の導関数を求めることができる。
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4週 |
曲線の媒介変数方程式 |
関数の媒介変数表示を理解し、その導関数を計算できる。
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5週 |
極座標と曲線 |
極座標の定義を理解し、曲線を極座標で表すことができる。
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6週 |
平均値の定理 |
平均値の定理や、その応用である関数の増減との関係を理解してい る。
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7週 |
不定形の極限 |
ロピタルの定理を理解し、不定形の極限を求めることができる。
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8週 |
前期前半の復習 |
前期前半の内容の復習をして、定着させる。
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2ndQ |
9週 |
べき級数 |
べき級数の定義を理解し、その収束半径を求めることができる。
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10週 |
高次導関数 |
2次以上の導関数を求めることができる。
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11週 |
テイラーの定理 |
テイラーの定理を理解し、関数をべき級数に展開することができる。
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12週 |
主な関数の不定積分 |
不定積分の公式を用いて、主な関数の計算ができる。
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13週 |
分数関数の積分 |
不定積分の公式を用いて、基本的な分数関数の計算ができる。
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14週 |
正弦、余弦の分数関数の積分 |
正弦、余弦を含めた分数関数の積分計算をすることができる。
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15週 |
前期後半の復習 |
前期後半の内容の復習をして、定着させる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
和の極限値としての定積分 |
定積分の定義を理解している(区分求積法)。
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2週 |
面積・体積 |
様々な曲線で囲まれた図形の面積や回転体の体積を求めることができる。
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3週 |
曲線の長さ |
いろいろな曲線の長さを求めることができる。
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4週 |
広義積分 |
広義積分の概念を理解している。
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5週 |
2変数関数 |
2変数関数の定義域やグラフを理解している。
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6週 |
偏導関数 合成関数の偏導関数 |
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。 合成関数の偏微分法を利用した計算ができる。
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7週 |
2変数関数の平均値の定理 |
2変数関数の平均値の定理の概要を理解している。
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8週 |
後期前半の復習 |
後期前半の内容の復習をして、定着させる。
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4thQ |
9週 |
2変数関数の極大・極小 |
基本的な関数について、2次までの偏導関数を計算できる。 偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。
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10週 |
陰関数定理 |
陰関数定理の概要を理解している。
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11週 |
条件付き極大・極小 |
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。
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12週 |
重積分 |
2重積分の定義を理解している。 2重積分を累次積分になおして計算することができる。
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13週 |
極座標による重積分 変数変換による重積分 |
極座標に変換することによって2重積分を計算することができる。 変数変換することによって2重積分を計算することができる。
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14週 |
重積分の応用 |
2重積分を用いて、基本的な立体の体積を求めることができる。
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15週 |
後期後半の復習 |
後期後半の内容の復習をして、定着させる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | 前7 |
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。 | 3 | 前1 |
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。 | 3 | 前1 |
合成関数の導関数を求めることができる。 | 3 | 前1 |
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。 | 3 | 前1 |
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。 | 3 | 前3 |
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。 | 3 | 前1,前7 |
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | 前1 |
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。 | 3 | 前4 |
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。 | 3 | 前1 |
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。 | 3 | 前4 |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | 前12 |
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。 | 3 | 前12,前13,前14 |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | 後1 |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 3 | 前13,前14 |
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。 | 3 | 後2 |
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。 | 3 | 後3 |
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。 | 3 | 後2 |
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。 | 3 | 後5 |
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。 | 3 | 後6 |
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。 | 3 | 後6 |
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。 | 3 | 後9,後11 |
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。 | 3 | 後12 |
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。 | 3 | 後13 |
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。 | 3 | 後14 |
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。 | 3 | 前11 |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 3 | 前11 |