応用数学1

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用数学1
科目番号 4S04 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高遠節夫・斎藤 斉ほか4名,新応用数学(大日本図書),配布プリント。参考書:志賀浩二,複素数30講(朝倉書店)
担当教員 黒木 祥光

到達目標

1. 与えられた関数にフーリエ級数展開またはフーリエ変換を行い,スペクトルを示すことができる.
2. 基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる.
3.ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる.
4.コーシーの積分定理,留数の定理を用いて複素積分を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1与えられた関数にフーリエ級数展開またはフーリエ変換を行い,スペクトルを示すことができる.与えられた関数に対してフーリエ級数展開またはフーリエ変換の何れを適用すべきか判断でき,計算式を示すことができる.与えられた関数に対してフーリエ級数展開またはフーリエ変換の何れを適用すべきか判断できず,計算式を示すこともできない.
評価項目2基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる.基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換式を示すことができる.基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換式を示すこともできない.
評価項目3ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる.ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解く過程を示すことができる.ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解く過程も示すことができない.
評価項目4コーシーの積分定理,留数の定理を用いて複素積分を求めることができる.コーシーの積分定理,留数の定理を用いて複素積分の計算式を示すことができる.コーシーの積分定理,留数の定理を用いて複素積分の計算式も示すことができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
理工学の様々な分野で使用されているフーリエ級数展開,フーリエ変換,ラプラス変換とそれらの応用,および複素関数論に関する知識の習得を目的とする.
授業の進め方・方法:
授業は配布プリントおよびスライドにて教科書の内容を説明した後,課題に取り組んでもらう.
注意点:
履修にあたり,数学,特に微分積分(数学2A,数学3A)の知識を必要とする.
評価方法の詳細
前期評価(中間試験と期末試験の平均)と後期評価(中間試験と期末試験の平均)の平均にて評価する.
評価基準:60点以上を合格とする.
授業ごとに毎回演習課題を出すので,次回の授業までに提出すること.
全課題を提出した学生のみ,再試験を行う.60点以上を合格(60点)とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 関数の内積および三角関数の直交性 関数の内積および三角関数の直交性について説明できる.
2週 周期2πの関数のフーリエ級数 周期2πの関数のフーリエ級数について説明できる.
3週 一般の周期関数のフーリエ級数 一般の周期関数のフーリエ級数について説明できる.
4週 複素フーリエ級数 複素フーリエ級数について説明できる.
5週 フーリエ級数のスペクトル表現 フーリエ級数を用いたスペクトルについて説明できる.
6週 フーリエ級数からフーリエ変換へ フーリエ級数とフーリエ変換の関係について説明できる.
7週 パーセバルの定理と畳み込み パーセバルの定理と畳み込みについて説明できる.
8週 ラプラス変換の定義と例 ラプラス変換の定義について説明でき,いくつかの例を求めることができる.
2ndQ
9週 ラプラス変換の性質 ラプラス変換の性質について説明できる.
10週 逆ラプラス変換 逆ラプラス変換を求めることができる.
11週 ラプラス変換の常微分方程式への応用 ラプラス変換を用いて基本的な1階および2階線形微分方程式を解くことができる.
12週 畳込みと積分方程式 畳込みとラプラス変換の関係およびラプラス変換を用いた積分方程式の解法を説明できる.
13週 線形システムの伝達関数とデルタ関数 線形システムの伝達関数とデルタ関数について説明できる.
14週 フーリエ級数,フーリエ変換,ラプラス変換のまとめ フーリエ級数,フーリエ変換,ラプラス変換に関する演習
15週 学力到達確認 試験の答案を返却し,各自の学力到達状況を確認する.
16週
後期
3rdQ
1週 複素数と極形式および絶対値と偏角 複素数と極形式および絶対値と偏角について説明できる.
2週 複素関数とは 複素関数について説明できる.
3週 コーシー・リーマンの関係式 コーシー・リーマンの関係式について説明できる.
4週 逆関数 複素関数の逆関数について説明できる
5週 複素関数に関する復習 複素関数に関する演習
6週 複素積分とは 複素積分について説明できる.
7週 コーシーの積分定理 コーシーの積分定理について説明できる
8週 複素関数と複素積分およびコーシーの積分定理に関する復習 複素関数と複素積分およびコーシーの積分定理に関する中間試験もしくは演習
4thQ
9週 コーシーの積分表示 コーシーの積分表示について説明できる
10週 数列と級数 複素数の数列と級数について説明できる.
11週 関数の展開 複素関数のテイラー展開とローラン展開について説明できる
12週 孤立特異点と留数および留数定理 孤立特異点と位数,留数および留数定理を用いた複素積分について説明できる.
13週 ブロムウィッチ積分 ブロムウィッチ積分を用いた逆ラプラス変換について説明できる.
14週 複素積分に関する演習 複素積分に関する演習を行う.
15週 学力到達確認 試験の答案を返却し,各自の学力到達状況を確認する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学角を弧度法で表現することができる。3前1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1,前2,前3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3前1,前2,前3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前1,前2,前3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3後10,後11
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3後10,後11
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3後10,後11
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前8
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前8
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前8
合成関数の導関数を求めることができる。3前8
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前8
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3前8
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前1
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前5
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前5
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前5
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3後3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前11
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3前11
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力400000040
分野横断的能力100000010