電磁気学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電磁気学
科目番号 4S06 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎電磁気学(山口昌一郎著)(電気学会)
担当教員 堺 研一郎

到達目標

1.ガウスの法則を用い,同心球,無限長の円筒,無限平面などの様々なモデルにおける電界の強さ,電束密度を求めることができる.
2.電界の強さから電位と静電容量を求めることができる.
3.複数のコンデンサを接続した場合の各端子管電圧,蓄積された電荷などを求めることができる.
4.電磁気学のベクトル解析について理解し,それに関連した問題を解くことができる.
5.ビオ・サバールの法則,あるいはアンペアの周回積分の法則を用いて様々なモデルにおける磁界の強さ,磁束密度を求めることができる.
6.磁界中の電流が受ける力と仕事を求めることができる.
7.電磁誘導によって生じる起電力およびと様々なモデルにおけるインダクタンスを求めることができる.
8.磁気回路における起磁力や磁気抵抗,磁界の強さを求めることができる.
9.マクスウェルの方程式から電磁波の波動方程式とその解を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ガウスの法則を用い,同心球,無限長の円筒,無限平面などの様々なモデルにおける電界の強さ,電束密度を求めることができる.同心球,無限長の円筒,無限平面などの様々なモデルにおける電気力線,電束線を図示することができる.同心球,無限長の円筒,無限平面などの様々なモデルにおける電気力線,電束線を図示することも電界の強さを求めることもできない.
評価項目2電界の強さから電位と静電容量を求めることができる.電界の強さと電位の関係式および蓄積された電荷を用いた静電容量との関係式を示すことができる.導体に蓄積された電荷とそれが作る電界の強さ,電位,静電容量の関係を示すことができない.
評価項目3複数のコンデンサを接続した場合の各端子管電圧,蓄積された電荷などを求めることができる.コンデンサを並列あるいは直列に接続した場合の合成容量を求めることができる.複数のコンデンサを接続した場合の各種端子管電圧と蓄積される電荷のほか,直列接続,並列接続した合成容量を求めることもできない.
評価項目4電磁気学のベクトル解析について理解し,それに関連した問題を解くことができる.電磁気学のベクトル解析について理解し,それに関連した基本的な問題を解くことができる.電磁気学のベクトル解析について理解し,それに関連した問題を解くことができない.
評価項目5ビオ・サバールの法則,あるいはアンペアの周回積分の法則を用いて様々なモデルにおける磁界の強さ,磁束密度を求めることができる.ビオ・サバールの法則,あるいはアンペアの周回積分の法則を用いて様々なモデルにおける磁界の強さ,磁束密度を図示することができる.ビオ・サバールの法則,あるいはアンペアの周回積分の法則を用いて様々なモデルにおける磁界の強さ,磁束密度を図示することも求めることもできない.
評価項目6磁界中の電流が受ける力と仕事を求めることができる.磁界中の電流が受ける力の方向を求めることができる磁界中の電流が受ける力の方向,その大きさ,また,仕事を求めることができない.
評価項目7電磁誘導によって生じる起電力およびと様々なモデルにおけるインダクタンスを求めることができる.電磁誘導によって生じる起電力を求めることができる.電磁誘導によって生じる起電力およびと様々なモデルにおけるインダクタンスを求めることができない.
評価項目8磁気回路における起磁力や磁気抵抗,磁界の強さを求めることができる.磁気回路における起磁力,磁気抵抗,磁界の強さの関係を示すことができる.磁気回路における起磁力,磁気抵抗,磁界の強さの関係ならびにそれらの量を求めることができない.
評価項目9マクスウェルの方程式から電磁波の波動方程式とその解を求めることができる.マクスウェルの方程式から電磁波の波動方程式を求めることができる.マクスウェルの方程式から電磁波の波動方程式もその解も求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
電気電子工学の基礎科目,およびメカトロニクス・情報工学関連科目として,電磁気学の修得を目的とする.この科目に平行して履修予定の電気回路2,電子回路,半導体材料工学,パワーエレクトロニクスなどを学ぶ上で必須の科目である.
授業の進め方・方法:
教科書に沿った板書授業を中心とし,例題や類題の演習も行う.演習課題は必ず自分で解き,自己学習能力を高めるよう努力すること.
関連科目:電気回路1,電気回路2,電子回路,半導体材料工学,パワーエレクトロニクスなど
注意点:
点数配分:前期と後期の平均とする.
前期は期末試験(60%),課題(40%)で評価する.課題は毎回与える課題の内容と提出状況、ならびに学習に対する態度・志向性によって評価する。
評価基準:60点以上を合格とする.
再試:前期の再試験は各学生が評価項目の標準的な到達レベルに達していない項目について行う。60%以上の得点を合格とし、60点の評価とする。
諸注意:講義資料を事前に公開するため,適宜事前学修を行うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 概要説明および電荷とクーロンの法則 電荷とクーロンの法則について説明できる
2週 電気力線と電界ならびに電束と電束密度、ガウスの法則 電気力線と電界ならびに電束と電束密度について、ガウスの法則を用いて説明できる。
3週 電界と電位 電界と電位について説明できる。
4週 同心円、無限長円筒、無限平面における電界と電位 同心円、無限長円筒、無限平面における電界をガウスの法則によって求め、電位を計算することができる
5週 電気双極子と静電容量 電気双極子と静電容量について説明できる。
6週 前期中間まとめ 前期中間まとめ
7週 課題 1週から6週の内容に関する課題を解き、各種問題を解くことができる。
8週 電位係数と容量係数 電位係数と容量係数を説明することができる。
2ndQ
9週 電気影像法 電気影像法について説明することができる。
10週 誘電体 誘電体と静電容量の関係、コンデンサに蓄積されるエネルギーについて説明できる。
11週 スカラー場における勾配とナブラ演算子および線積分、面積分、体積分、グリーンの定理 スカラー場における勾配とナブラ演算子および線積分、面積分、体積分、グリーンの定理について説明できる。
12週 ベクトル場における線積分、面積分、電界の発散と回転およびガウスの法則の微分形とストークスの定理 ベクトル場における線積分、面積分、電界の発散と回転およびガウスの法則の微分形とストークスの定理
13週 ラプラス・ポアソンの方程式 ラプラス・ポアソンの方程式について説明できる
14週 前期末のまとめ 前期末のまとめ
15週 前期末試験 前期末試験
16週 前期成績確認 前期の成績を確認し、自身の達成度を説明できる。
後期
3rdQ
1週 磁気現象とアンペアの右ねじの法則、ビオ・サバールの法則 磁気現象とアンペアの右ねじの法則、ビオ・サバールの法則について説明できる
2週 アンペアの法則と磁界のポテンシャル アンペアの法則と磁界のポテンシャルについて説明できる
3週 磁界中の電流が受ける力、平行導線の電流間の電磁力 磁界中の電流が受ける力、平行導線の電流間の電磁力について説明できる
4週 電磁誘導 電磁誘導について説明できる
5週 自己インダクタンスと相互インダクタンス 自己インダクタンスと相互インダクタンスおよびそれらの関係について説明できる
6週 環状ソレノイド、無限長ソレノイド、有限長ソレノイド、平行往復導線間の自己インダクタンス 環状ソレノイド、無限長ソレノイド、有限長ソレノイド、平行往復導線間の自己インダクタンスを求めることができる
7週 後期中間まとめ 後期中間まとめ
8週 後期中間試験 後期中間試験
4thQ
9週 磁性体 物質の磁性、時価率と透過率、強磁性体の時価、磁化エネルギーについて説明できる
10週 磁気回路 磁気回路に関する問題を解くことができる。
11週 磁束に関するガウスの法則 磁束に関するガウスの法則について説明できる
12週 マクスウェルの方程式と波動方程式 マクスウェルの方程式と波動方程式について説明できる
13週 平面波と電磁波 平面波、損失のある誘電体中の電磁波、導体と電磁波について説明できる
14週 ポインティング・ベクトルおよび電磁波の反射と等価、伝送 ポインティング・ベクトルおよび電磁波の反射と等価、伝送について説明できる
15週 後期末試験 後期末試験
16週 後期成績確認 前期の成績を確認し、自身の達成度を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。3
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3
ローレンツ力を説明できる。3
磁気エネルギーを説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
自己誘導と相互誘導を説明できる。3
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。3

評価割合

試験発表課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60040000100
基礎的能力0000000
専門的能力6003000090
態度・志向性001000010