計測工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 計測工学
科目番号 4S09 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 ディジタル時代の電気電子計測基礎 (コロナ社)
担当教員 小田 幹雄,千田 陽介

到達目標

1.計測に関する数学的な基礎的背景を理解できる。
2.計測に関する基礎的な電子回路を理解できる。
3.コンピュータを用いた計測のやり方がイメージできる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測に関する数学的な基礎的背景を理解し計算できる。計測に関する数学的な基礎的背景を理解できる。計測に関する数学的な基礎的背景を理解できてない。
評価項目2計測に関する基礎的な電子回路を理解し設計できる。計測に関する基礎的な電子回路を理解できる。計測に関する基礎的な電子回路を理解できてない。
評価項目3コンピュータを用いた計測のやり方を詳細に説明できる。コンピュータを用いた計測のやり方のイメージを持てる。コンピュータを用いた計測のやり方のイメージできない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
メカトロ系エンジニアが経験する計測に関する実務上の問題点と課題を理解し、適切に対応する能力を養う。
授業の進め方・方法:
エンジニアにとって目の前で起こっていることを正確に理解することは重要である。そのためまず物理量を正確に表現する単位系、測定方法、計測器の基本原理等について学ぶ。またデータを統計的に扱う方法についても学ぶ。さらに近年、特にメカトロ系では計測データを一旦コンピュータに取り込み情報処理することから、計測に関連する電子回路、コンピュータプログラム、通信プロトコルについても学ぶ。
注意点:
評価は、期末試験100% 100点満点に換算し、60点以上を合格とする。合格とならなかった者に対して再試験を行う。ただし、再試験を行った者の評価は60点を最大とする。授業は原則教科書の内容に沿って行うが、必ずしも一頁ずつ追っていくわけではなく、教科書で書かれている概念を別の表現で説明する形式の講義となる。そのため授業前・後に教科書を読み返し、多角的に計測工学に関連する概念を理解していく予復習が必要となる。

諸注意:授業で学んだことを各自で十分に復習すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物理量と計測方法、単位、SI 単位 測定の種類を説明できる。
SI 接頭語を説明できる。
様々な物理量を SI 単位系で表現できる。
2週 計測誤差、零位法と偏位法
計測に纏わる誤差の要因を説明できる。
零位法と偏位法について、動作原理や長所短所、身近な例などを説明できる。
3週 有効数字、正確度と精度 有効数字について説明できる。
有効数字のある数値同士の四則演算ができる。
正確度と精度の違いについて説明できる。
4週 分散、標準偏差、標本 平均と分散、標準偏差について説明ができる。
標本分散、標本標準偏差について説明ができる。
5週 正規分布、最小二乗法 ヒストグラムについて説明ができる。
正規分布とσについて説明ができる。
最小二乗法について説明ができる。
6週 電気回路と計測、センサ、ノイズ 計測の IT 化について説明ができる。
センサの役割について説明ができる。
主なセンサの動作原理について説明ができる。
主なノイズの要因と対策について説明ができる。
7週 信号増幅に関する用語、OP アンプ dB に関する計算ができる。
S/N 比について説明ができる。
OP アンプの役割と基本動作について説明ができる。
8週 OPアンプ回路の計算 簡単な OP アンプに関する計算ができる。
ボルテージフォロア回路について説明ができる。
反転増幅器に関して説明ができる。
2ndQ
9週 OPアンプ回路例 単電源 OP アンプについて説明ができる。
差動増幅回路について説明ができる。
OP アンプの用途について幾つかの例を挙げることができる。
10週 ノイズとフィルタ ノイズと信号の周波数の違いについて説明することができる。
フーリエ展開の働きについて説明することができる。
周波数スペクトルとフィルタ特性について説明することができる。
ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタについて説明することができる。
RC パッシブフィルタについて説明することができる。
11週 DA コンバータ、AD コンバータ DA コンバータ、AD コンバータの働きについて説明することができる。
代表的な AD コンバータの仕組みとそれぞれの長所短所について説明することができる。
12週 デジタルフィルタ、データサンプリング FIR フィルタ、IIR フィルタについて説明することができる。
簡単なデジタルフィルタをコンピュータ言語で記述することができる。
サンプリング定理について説明することができる。
13週 センサモジュールと通信 デジタル回路間の通信として、パラレル接続、バス接続、シリアル接続の違いを説明することができる。
調歩同期式通信について説明することができる。
I2C、SPI 通信がどのようなものか説明することができる。
14週 行動計測、IoT 機器 携帯型 IoT 機器に必要な要素を説明することができる。
人の行動推定アルゴリズムについてイメージを持つことができる。
15週 計測装置の製品化 計測装置、IoT 機器を製品化する上での留意事項について説明することができる。
混合行列について説明することができる。
薬機法、電波法について説明することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。1前2,前11,前12
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。2前1,前3,前4,前5,前13,前14,前15
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2前1
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。1前4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。3前7,前8,前9,前10,前11,前12,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000