制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 4S13 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 パソコン、ダイレクトドライブモータ、振子、回路部品(それぞれ1セット/2人)。テキスト(プリント配布)
担当教員 江崎 昇二

到達目標

1.数学モデルから伝達関数を導出し、ブロック線図で表現できる。
2.制御性能を定量的に評価できる。
3.周波数特性から伝達関数を導出できる。
4.PID制御系を設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1伝達関数をブロック線図で表現し、変形できる。微分方程式を伝達関数に変換できる。微分方程式を伝達関数に変換できない。
評価項目2制御性能を定量的に評価できる。制御性能の定量的評価方法が理解できる。制御性能の定量的評価方法が理解できない。
評価項目3周波数特性をボード線図に描くことができ、ボード線図から伝達関数を導出できる。周波数特性をボード線図に描くことができる。周波数特性をボード線図に描くことができない。
評価項目4PID制御系の構成を理解し、パラメータ設計できる。PID制御系の構成を理解できる。PID制御系の構成を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
メカトロ系エンジニアが経験する古典制御理論に関する実務上の問題点と課題を理解し、適切に対応する能力を養う。
授業の進め方・方法:
外乱除去や安定性改善ができるフィードバック制御(古典制御理論)についてその基礎を講義し、ダイレクトドライブモータの速度制御実験を行い、理解を深める。
演習は小テスト形式で行う。
各実験は1セット/2人の実験装置を用い、実験結果についての簡単な口頭試問を行う。
注意点:
評価は、期末試験70%、レポート30%として100点満点に換算し、60点以上を合格とする。
期末試験は100点満点とし、合格とならなかった者に対して再試験を行う。ただし、再試験を行った者の評価は60点を最大とする。
レポートは、毎授業ごとに時間内提出:3点,次回までの提出:2点,次々回以降:1点とし、回数×3点を満点とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 フィードバック制御概要
自動制御の定義と種類を説明できる。
2週 ラプラス変換 ラプラス変換ができる。
3週 ラプラス変換 ラプラス変換による微分方程式の解法を説明できる。
4週 伝達関数 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。
5週 ブロック線図 ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。
6週 過渡特性(応答の特性値) 過渡応答の特性値を説明できる。
7週 過渡特性(一次遅れ要素) 一次遅れ要素の過渡特性の特性値を説明できる。
8週 過渡特性(二次遅れ要素) 二次遅れ要素の過渡特性の特性値を説明できる。
2ndQ
9週 周波数特性(周波数伝達関数による応答特性) 周波数伝達関数を用いて周波数特性を説明できる。
10週 周波数特性(ボード線図) ボード線図を説明できる。
11週 周波数特性(ボード線図の基本要素) 基本要素のボード線図を説明できる。
12週 周波数特性(一般的な伝達関数のボード線図) 一般的な伝達関数とボード線図の関係を説明できる。
13週 周波数特性(ボード線図による伝達関数計測) ボード線図から伝達関数を求める方法を説明できる。
14週 周波数特性(DDモータのゲイン線図による伝達関数計測) DDモータの周波数応答結果をゲイン線図に描くことができる。
15週 周波数特性(DDモータのゲイン線図による伝達関数計測) DDモータのゲイン線図から伝達関数を求めることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 安定判別法(特性方程式) 特性方程式から制御系の安定・不安定を判別する方法を説明できる。
2週 安定判別法(特性方程式) 極と応答の関係を説明できる。
3週 安定判別法(フルビッツの安定判別法) フルビッツの安定判別法による安定判別を説明できる。
4週 安定判別法(フルビッツの安定判別法) フルビッツの安定判別法により安定な範囲を求める方法を説明できる。
5週 PID制御設計法(連続時間および離散時間制御系の構成) 連続時間および離散時間PID制御系の構成を説明できる。
6週 PID制御設計法(限界感度法、一次遅れ+むだ時間系近似法) 限界感度報および一時遅れ+むだ時間系近似法を説明できる。
7週 PID制御設計法(根軌跡法) 根軌跡法を説明できる。
8週 PID制御設計法(根軌跡法) 与えられたシステムの根軌跡を描くことができる。
4thQ
9週 PID制御設計法(PID制御の特徴) PID制御系の構成を説明できる。
10週 PID制御設計法(DDモータの速度制御実験:一次遅れ+むだ時間系近似法) DDモータ(実機)のPID速度制御実験によりそれぞれの特性を説明できる。
11週 PID制御設計法(DDモータの速度制御実験:一次遅れ+むだ時間系近似法) DDモータ(実機)のPID速度制御実験によりそれぞれの特性を説明できる。
12週 PID制御設計法(定常偏差) フィードバック制御における定常偏差を説明できる。
13週 PID制御設計法(DDモータの速度制御実験:限界感度法) DDモータ(実機)の限界感度法によるPID速度制御実験によりそれぞれの特徴を説明できる。
14週 PID制御設計法(DDモータの速度制御実験:根軌跡法) DDモータ(実機)の根軌跡法によるPID速度制御実験によりそれぞれの特徴を説明できる。
15週 PID制御設計法(DDモータの速度制御実験:根軌跡法) DDモータ(実機)の根軌跡法によるPID速度制御実験によりそれぞれの特徴を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。3前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3前1
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3前2,前3
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前3
伝達関数を説明できる。4前4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4前5
制御系の過渡特性について説明できる。4前6,前7,前8
制御系の定常特性について説明できる。4前6
制御系の周波数特性について説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4後1,後2,後3,後4
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3前4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3前5
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3前7,前8
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。3後12
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3後1,後2,後3,後4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000