制御工学1

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 制御工学1
科目番号 4S38 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:森泰親著、「演習で学ぶ基礎制御工学新装版」(森北出版)/教材:プリント配布
担当教員 田中 諒

到達目標

1.ラプラス変換の諸定理を説明できる。
2.システムの動特性を伝達関数で表現できる。
3.伝達関数をブロック線図で表現できる。
4.周波数特性から信号の伝達特性(過渡特性、定常特性)を評価できる。
5.システムの安定性の概念を理解し、代数的に判別できる。
6.PID制御系を設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラプラス変換の諸定理を説明でき、微分方程式を解くことができる。ラプラス変換の諸定理を理解でき、微分方程式を解くことができる。ラプラス変換の諸定理を理解できず、微分方程式を解くことができない。
評価項目2システムの動特性を伝達関数とブロック線図で表現できる。システムの動特性を伝達関数で表現できる。システムの動特性を伝達関数で表現できない。
評価項目3周波数特性をボード線図に描くことができ、ボード線図から伝達関数を導出できる。周波数特性をボード線図に描くことができる。周波数特性をボード線図に描くことができない。
評価項目4周波数特性から信号の過渡特性と定常特性を評価できる。周波数特性から信号の過渡特性あるいは定常特性を評価できる。周波数特性から信号の過渡特性と定常特性を評価できない。
評価項目5システムの安定性の概念を説明でき、代数的に判別できる。システムの安定性を代数的に判別できる。システムの安定性を代数的に判別できない。
評価項目6PID制御系の構成を理解し、パラメータ設計できる。PID制御系の構成を理解できる。PID制御系の構成を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
制御工学は、メカトロニクス分野において重要な学問の一つである。本講義では、古典制御理論を中心に、高精度な自動制御を実現するための技術的課題およびその解決法について学習する。
授業の進め方・方法:
主に、教科書や配布プリントなどを用いて講義を進める。また、Octaveを用いた電子計算機室でのパソコン利用による演習も行うことで、さまざまな実機へ応用するための素養を身に付ける。また、理解を深めるため、随時演習課題を課す。
関連科目:制御工学2、応用数学
注意点:
点数分配:定期試験70点+演習課題30点で評価する。
評価基準:60点以上を合格とする。
再試:すべての演習課題を提出した学生のみ再試を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 フィードバック制御概要
自動制御の定義と種類を説明できる。
2週 ラプラス変換 代表的な時間関数のラプラス変換を理解できる。
3週 推移定理、初期値の定理、最終値の定理 推移定理、初期値の定理、最終値の定理を理解できる。
4週 微分方程式の解法 ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。
5週 伝達関数の導出 システムの入出力表現から伝達関数を導出できる。
6週 時間応答 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。
7週 ブロック線図 ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。
8週 前期中間試験 前期中間試験を実施し、これまでの理解度を確認する。
2ndQ
9週 周波数特性(周波数伝達関数による応答特性) 周波数伝達関数を用いて周波数特性を説明できる。
10週 周波数特性(基本要素のベクトル軌跡) 基本要素のベクトル軌跡を説明できる。
11週 周波数特性(一般的な伝達関数のベクトル軌跡) 一般的な伝達関数のベクトル軌跡を説明できる。
12週 周波数特性(ボード線図) ボード線図の性質を理解できる。
13週 周波数特性(基本要素のボード線図) 基本要素のボード線図を説明できる。
14週 周波数特性(一般的な伝達関数のボード線図) 一般的な伝達関数とボード線図の関係を説明できる。
15週 周波数特性(ボード線図による伝達関数計測) ボード線図から伝達関数を求める方法を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 過渡特性(応答の特性値) 過渡応答の特性値を説明できる。
2週 過渡特性(一次遅れ要素) 一次遅れ要素の過渡特性の特性値を説明できる。
3週 過渡特性(二次遅れ要素) 二次遅れ要素の過渡特性の特性値を説明できる。
4週 安定判別法(特性方程式) 特性方程式から制御系の安定・不安定を判別する方法を説明できる。
5週 安定判別法(特性方程式) 極と応答の関係を説明できる。
6週 安定判別法(ラウスーフルビッツの安定判別法) ラウスーフルビッツの安定判別法による安定判別を説明できる。
7週 安定判別法(ラウスーフルビッツの安定判別法) ラウスーフルビッツの安定判別法により安定な範囲を求める方法を説明できる。
8週 後期中間試験 後期中間試験を実施し、これまでの理解度を確認する。
4thQ
9週 定常特性と内部モデル原理 定常特性と内部モデル原理を説明できる。
10週 定常偏差の計算 システムの定常偏差を計算できる。
11週 PID制御系設計法(PID制御の特徴) PID制御系の構成を説明できる。
12週 PID制御系設計法(限界感度法、一次遅れ+むだ時間系近似法) 限界感度法および一次遅れ+むだ時間系近似法を説明できる。
13週 PID制御系設計法(部分的モデルマッチング法) 部分的モデルマッチング法を説明できる。
14週 PID制御系設計法(根軌跡法) 根軌跡法を説明できる。
15週 PID制御系設計法(根軌跡法) 与えられたシステムの根軌跡を描くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。3前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3前1
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3前2,前3,前4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前2,前3,前4
伝達関数を説明できる。4前5,前6,前7
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4前5,前6,前7,後11,後12,後13,後14,後15
制御系の過渡特性について説明できる。4後11,後12,後13,後14,後15
制御系の定常特性について説明できる。4後11,後12,後13,後14,後15
制御系の周波数特性について説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後11,後12,後13,後14,後15
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4後4,後5,後6,後7,後11,後12,後13,後14,後15
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3前5,前6
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3前7
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3後1,後2,後3
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。3後9,後10
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3前12,前13,前14,前15
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3後4,後5,後6,後7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000