概要:
メカトロ系エンジニアが経験する計測に関する実務上の問題点と課題を理解し、適切に対応する能力を養う。
授業の進め方・方法:
エンジニアにとって目の前で起こっていることを正確に理解することは重要である。そのためまず物理量を正確に表現する単位系、測定方法、計測器の基本原理等について学ぶ。またデータを統計的に扱う方法についても学ぶ。さらに近年、特にメカトロ系では計測データを一旦コンピュータに取り込み情報処理することから、計測に関連する電子回路、コンピュータプログラム、通信プロトコルについても学ぶ。
注意点:
評価は、期末試験100% 100点満点に換算し、60点以上を合格とする。合格とならなかった者に対して再試験を行う。ただし、再試験を行った者の評価は60点を最大とする。授業は原則教科書の内容に沿って行うが、必ずしも一頁ずつ追っていくわけではなく、教科書で書かれている概念を別の表現で説明する形式の講義となる。そのため授業前・後に教科書を読み返し、多角的に計測工学に関連する概念を理解していく予復習が必要となる。
諸注意:授業で学んだことを各自で十分に復習すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
物理量と計測方法、単位、SI 単位 |
測定の種類を説明できる。 SI 接頭語を説明できる。 様々な物理量を SI 単位系で表現できる。
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2週 |
計測誤差、零位法と偏位法
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計測に纏わる誤差の要因を説明できる。 零位法と偏位法について、動作原理や長所短所、身近な例などを説明できる。
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3週 |
有効数字、正確度と精度 |
有効数字について説明できる。 有効数字のある数値同士の四則演算ができる。 正確度と精度の違いについて説明できる。
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4週 |
分散、標準偏差、標本 |
平均と分散、標準偏差について説明ができる。 標本分散、標本標準偏差について説明ができる。
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5週 |
正規分布、最小二乗法 |
ヒストグラムについて説明ができる。 正規分布とσについて説明ができる。 最小二乗法について説明ができる。
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6週 |
電気回路と計測、センサ、ノイズ |
計測の IT 化について説明ができる。 センサの役割について説明ができる。 主なセンサの動作原理について説明ができる。 主なノイズの要因と対策について説明ができる。
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7週 |
信号増幅に関する用語、OP アンプ |
dB に関する計算ができる。 S/N 比について説明ができる。 OP アンプの役割と基本動作について説明ができる。
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8週 |
OPアンプ回路の計算 |
簡単な OP アンプに関する計算ができる。 ボルテージフォロア回路について説明ができる。 反転増幅器に関して説明ができる。
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2ndQ |
9週 |
OPアンプ回路例 |
単電源 OP アンプについて説明ができる。 差動増幅回路について説明ができる。 OP アンプの用途について幾つかの例を挙げることができる。
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10週 |
ノイズとフィルタ |
ノイズと信号の周波数の違いについて説明することができる。 フーリエ展開の働きについて説明することができる。 周波数スペクトルとフィルタ特性について説明することができる。 ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタについて説明することができる。 RC パッシブフィルタについて説明することができる。
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11週 |
DA コンバータ、AD コンバータ |
DA コンバータ、AD コンバータの働きについて説明することができる。 代表的な AD コンバータの仕組みとそれぞれの長所短所について説明することができる。
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12週 |
デジタルフィルタ、データサンプリング |
FIR フィルタ、IIR フィルタについて説明することができる。 簡単なデジタルフィルタをコンピュータ言語で記述することができる。 サンプリング定理について説明することができる。
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13週 |
センサモジュールと通信 |
デジタル回路間の通信として、パラレル接続、バス接続、シリアル接続の違いを説明することができる。 調歩同期式通信について説明することができる。 I2C、SPI 通信がどのようなものか説明することができる。
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14週 |
行動計測、IoT 機器 |
携帯型 IoT 機器に必要な要素を説明することができる。 人の行動推定アルゴリズムについてイメージを持つことができる。
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15週 |
計測装置の製品化 |
計測装置、IoT 機器を製品化する上での留意事項について説明することができる。 混合行列について説明することができる。 薬機法、電波法について説明することができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。 | 1 | |
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。 | 2 | |
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。 | 2 | |
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。 | 1 | |
論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。 | 2 | |
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。 | 2 | |
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。 | 1 | |
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。 | 1 | |
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。 | 1 | |
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。 | 2 | |
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。 | 1 | |
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。 | 2 | |
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。 | 2 | |
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。 | 2 | |
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。 | 1 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 1 | 前2,前11,前12 |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 2 | 前1,前3,前4,前5,前13,前14,前15 |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 2 | 前1 |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 1 | 前4 |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 3 | 前7,前8,前9,前10,前11,前12,前14 |