西欧文化論

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 西欧文化論
科目番号 4SG01 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 毎回、内容に関連した資料を配布する。
担当教員 福田 かおる

到達目標

1.西欧人の態度や考え方の特徴とされる事柄について、基礎的な知識を習得する。
2.自分を含めた現代人の生活に、西欧文化がどう影響しているのかを考察できる。
3.自分の考えを整理して、明確な文章で表現することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 西欧的な「個人主義」「合理主義」とはどのようなものかを理解する西欧的な「個人主義」「合理主義」について自分がどう理解したかを説明できる資料を参照しながら西欧的な「個人主義」「合理主義」と自分自身の考え方を比較できる西欧的な「個人主義」「合理主義」についてコメントできない
評価項目2 西欧文化が日本人や自分自身に与えている影響を理解できる自分の価値観や人生観を近代化以降の西欧的価値観と関連付けて説明することができる資料を参照しながら西欧近代の価値観が日本に影響を与えている点をいくつか挙げることができる西欧近代文化がどのような点で自分の考え方に影響を与えているか全く説明できない
評価項目3 授業で理解した内容と自分の考えを明確な文章で表現できる他者の考えや論説と自説を区別しながら、論理的に説明できる自分の考えを論理的に説明できる自分の考えを論理的に説明できない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
「西欧」のイメージは近代化や合理的思考などと結び付けられることが多いが、この授業では、近代化をもたらした「西欧的」考え方や態度とはどのようなものであるかを、著名な文献を参照しながら考察する。また、近代化を牽引してきた西欧という側面だけでなく、近代化後の問題に直面し対処しようとしている一面についても紹介する。
授業の進め方・方法:
・授業では毎回テーマに沿った資料を配布し、それを参考にしながら進める。
・講義では資料の解説のほか補足説明もするので、各自で講義内容をノートに記録すること。試験時には配布資料と自筆ノートを持込み可とする。
・出席確認を兼ねて、毎回最後にその日の授業内容に関連した質問を出し、それに対する各自の回答を提出してもらう。回答は内容と表現の2点を評価し、成績の一部とする。
注意点:
点数配分:定期試験70%、授業毎の提出物30%
評価基準:60点以上を合格とする。
再試:再試験は実施しない。(5点前後不足した学生には補充レポートを課す場合がある。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション:「西欧文化」のイメージ 自分がこれまでに抱いてきた「西欧文化」のイメージを確認する。
2週 「個人主義」について 他の受講者が持っている「西欧文化」のイメージを参照する。さらに、西欧的な「個人主義」と自分の考え方を比較する。
3週 西欧的人間観 「動物の福祉」・「動物の権利」についての議論を参照しながら、西欧的人間観の特徴を理解する。
4週 西欧的自然観 近年の動物福祉運動やベジタリアンの増加に現れた、動物観・自然観を理解する。
5週 社会の変化と動物観・自然観の変遷(キース・トマス参照) 産業革命後のイギリスで、社会の変化が人々の自然観・動物観にどのような変化をもたらしたかを概観する。
6週 マナーの発達と文明化(ノルベルト・エリアス参照) 西欧における「文明化された」礼儀作法の生成過程を概観する。
7週 近代国家と規律(ミシェル・フーコー参照) 近代的刑罰が人間の精神を矯正・感化する方法に変化したことを概観する。
8週 工業化と経済システムの変化(1)(カール・ポラニー参照) 西欧で発達した近代的な市場経済の特徴を知る。
4thQ
9週 工業化と経済システムの変化(2)(カール・ポラニー参照) 「自由な個人」の創出と経済発展の関係を理解する。
10週 個人と理性 キリスト教思想において「理性」が重要な要素であることを理解する。
11週 「勤勉な現代人」を作ったもの(マックス・ウェーバー参照) 西欧人の勤勉さの底流には「合理主義」があるという学説を知る。
12週 チャリティーと隣人愛 キリスト教的「隣人愛」の考え方を知り、相互扶助・社会保障につながる経緯を概観する。
13週 消費者意識 近年の消費者運動の主張が「個人の権利と責任」に対する考えを反映していることを理解する。
14週 近代化の余波:価値観の変化(アンソニー・ギデンス参照) 近代化以後の西欧人の問題意識を知る。
15週 まとめ 授業で紹介した西欧文化の要素を再度確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。1後2,後4,後8,後14
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。2
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。2
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。2後14
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。1後9
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。2
公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。1
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。2
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。1
現代社会の政治的・経済的諸課題、および公正な社会の実現に向けた現在までの取り組みについて理解できる。1
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。2
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。1
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。1

評価割合

試験提出物その他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000