制御工学2

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 制御工学2
科目番号 5S03 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 テキスト,課題プリント,演習課題プリントを配布.
演習パソコン,倒立振子実験装置類(それぞれ1セット/2人).
教科書:Pythonによる制御工学入門(南裕樹著/オーム社).
担当教員 原槙 真也

到達目標

1.ラグランジュ運動方程式を理解し,それを倒立振子の数学モデル導出に適用できる.
2.倒立振子の数学モデルより非線形微分方程式を導出し,連続時間や離散時間における状態方程式や伝達関数表現に変換できる.
3.倒立振子の制御に関する事項を理解でき,安定判別,極配置,LQ制御系が設計できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラグランジュ運動方程式を理解し,それを倒立振子の数学モデル導出に適用できる.ラグランジュ運動方程式を理解し,それを倒立振子の数学モデル導出が理解できる.ラグランジュ運動方程式を理解できず,それを倒立振子の数学モデル導出に適用できない.
評価項目2倒立振子の数学モデルより非線形微分方程式を導出し,連続時間や離散時間における状態方程式や伝達関数表現に変換できる.倒立振子の数学モデルより非線形微分方程式を理解でき,連続時間や離散時間における状態方程式や伝達関数表現が理解できる.倒立振子の数学モデルより非線形微分方程式を理解できず,連続時間や離散時間における状態方程式や伝達関数表現も理解できない.
評価項目3倒立振子の制御に関する事項を理解でき,安定判別,極配置,LQ制御系が設計できる.倒立振子の制御に関する事項が分かり,安定判別,極配置,LQ制御系が理解できる.倒立振子の制御に関する事項が理解できず,安定判別,極配置,LQ制御系も理解できない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
倒立振子の安定制御を問題として,メカトロ系エンジニアが経験する現代制御理論に関する基礎理論を課題と演習により理解し,実際の制御装置の取り扱いやその実施について適切に対応する能力を養う.
授業の進め方・方法:
多入力多出力系に対する制御系設計法(現代制御理論)についてその基礎を講義し,演習や課題で確認を行う.最後に倒立振子の実験装置を用いた安定化制御実験を行い、現代制御制御理論の理解を深める。
授業はTeamsを用いて行う.Teamsには授業に関する連絡事項,出席簿を置き,毎授業の動画も置く予定である.
また,WebClassには授業資料,課題プリント,演習課題プログラム,課題や試験の成績等を公開する.プログラム演習はGoogle Colaboratoryを用いる.
倒立振子の実験は1セット/2人の実験装置を用い,講義で習った内容を実際に体験する.
注意点:
評価は,定期試験平均を60%,レポート平均を40%として100点満点に換算し,最終成績とし60点以上を合格とする.
最終成績で合格とならなかった者に対しては追認試験を行う.ただし,追認試験を行った者の評価は60点を最大とする.
追認試験受験には全課題の提出,受験者全員の同時受験を条件とし,不合格の場合は合格点を挙げて再度追認試験を行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,古典制御理論と現代制御理論の違い 古典制御理論と現代制御理論の違いを説明できる。簡単な物理現象にラグランジュ運動方程式を適用できる。
2週 倒立振子の数学モデル(非線形微分方程式の導出1) 倒立振子の非線形微分方程式を求めるためのラグランジュ関数を導出できる。
3週 倒立振子の数学モデル(非線形微分方程式の導出2) 倒立振子のラグランジュ関数から非線形微分方程式を導出できる。
4週 倒立振子の数学モデル(線形微分方程式1) 倒立振子の非線形微分方程式から線形微分方程式を導出する方法を理解できる。
5週 倒立振子の数学モデル(線形微分方程式2) 倒立振子の非線形微分方程式から線形微分方程式を導出できる。
6週 倒立振子の数学モデル(伝達関数) 倒立振子の線形微分方程式から伝達関数を導出できる。
7週 倒立振子の数学モデル(状態方程式) 倒立振子の線形微分方程式から状態方程式を導出できる。
8週 倒立振子の数学モデル(パルス伝達関数) 倒立振子の線形微分方程式からパルス伝達関数を導出できる。
2ndQ
9週 倒立振子の数学モデル(差分方程式) 倒立振子のパルス伝達関数から差分方程式を導出できる。
10週 可制御性、可観測性 離散時間系の状態方程式から、可制御性、可観測性を判定できる。
11週 離散時間極配置制御系設計法 離散時間系の状態方程式から、離散時間極配置制御系を設計できる。
12週 離散時間極配置制御系設計法 倒立振子の状態方程式から、離散時間極配置制御系を設計できる。
13週 離散時間LQ制御系設計法 倒立振子の状態方程式から、離散時間LQ制御系を設計できる。
14週 倒立振子実験装置の安定化制御実験1 設計した倒立振子(実機)に対するLQ制御系を実際に実験できる。
15週 定期試験
16週 試験解答、成績確認、倒立振子実験装置の安定化制御実験2 設計した倒立振子(実機)に対するLQ制御系を実際に実験できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。1前6,前8
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。1前10,前11,前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000