概要:
メカトロ系エンジニアが経験する実務上の問題点と課題を理解し、適切に対応する能力を養う。
実務経験のある教員による授業活用:この科目は、企業で各種制御系設計を担当していた教員の経験を活かし、実験内容を構成し、実験を行うものである。
授業の進め方・方法:
実際の産業界で用いられている装置や制御システムを実験室サイズにした実験装置を使い、メカトロニクス系エンジニアに必要な専門内容がどのように応用されているのかを体験し理解を深める。
実験の日程表,出席簿はTeams上で公開し,質問や連絡事項もTeamsでも行う。また,WebClassには各実験のテキスト,各実験の評価点を公開する。
各実験は班毎に行う.班分けは1クラスを12班(班のメンバーは毎週変わる)に分け、各テーマの実験を行う。
公欠,欠席等により未実施の実験がある場合は,開講時数(補講を含まない)の5分の4(12回)以上出席した学生に対しその補講を行う。
補講を含め、未実施の実験がある場合は不合格とする。
注意点:
第1~10週の実験は各レポート8点満点で評価し,ロボット操作実験は20点満点で評価し、これらの合計を評価点とする。評価点が60点以上を合格とする。
第1~10週の実験の評価について:
●実験レポートは配布する実験テキストに適語,計算式,グラフ,課題解決プログラム等を記入し,次の実験日の開始時までに提出すること.(提出遅れは2点減点)
●実験レポートは次の様に評価します.
・実験テキストに記入する次の項目毎にポイント(点)を付与します.
語句や式の穴埋め(1),グラフ(5),プログラム(5),ラダー図(5),タイムチャート(5),説明(5),データ記入等(5)
・下記の各実験No.毎の最大ポイント合計ポイント値を8点満点に換算します.
No.1(41),No.2(35),No.3(48),No.4(54),No.5(23),No.6(25),No.7(30),No.8(35),No.9(56),No.10(49)
・実験テキスト下部に番号・名前が未記入の場合,1ポイント減点とします.
●実験が早く終了した学生には口頭試問を行い,合格すれば解散とします.
ロボット操作実験の評価はレポートの内容で行う.
実験班割およびテーマを確認し、次回の配布プリントの内容を事前に読んでおくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
PID制御系実験1(温度制御:ジーグラーニコルス法) |
温度制御装置によるPID制御系をジーグラーニコルス法により設計・実験することにより、その特性を理解できる。
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2週 |
PID制御系実験2(DCモータ:限界感度法) |
DCモータによるPID制御系を限界感度法により設計・実験することにより、その特性を理解できる。
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3週 |
PID制御系実験3(DCモータ:根軌跡法) |
DCモータによるPID制御系を根軌跡法により設計・実験することにより、その特性を理解できる。
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4週 |
アナログフィルタ/ディジタルフィルタ |
ローパス・ハイパス・バンドパス・バンドエリミネイトフィルタを設計し、アナログ回路及びPCによるプログラムで実験することにより、その特性を理解できる。
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5週 |
ステップモータ駆動回路実験 |
ステップモータを駆動させるプログラムを作成ることにより、その特性を理解できる。
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6週 |
シーケンス制御1(4階エレベータランプ表示) |
4階エレベータ実験装置による基礎的ランプ表示実験の後,早押し,2番目の早押しランプ表示シーケンスプログラムを作成し、実験することにより、その内容を理解できる。
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7週 |
シーケンス制御2(4階エレベータ移動) |
4階エレベータ実験装置による基礎的移動実験の後,各階間のエレベータ移動シーケンスプログラムを作成し、実験することにより、その内容を理解できる。
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8週 |
シーケンス制御3(搬送仕分け) |
搬送仕分け装置を用いて基礎的搬送システムの実験の後,搬送上の問題点を解決するより実践的なシーケンスプログラムを作成し、実験することにより、その内容を理解できる。
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4thQ |
9週 |
歪みゲージ,圧力センサ,ポテンショメータ |
歪みゲージ,圧力センサ,ポテンショメータ実験装置により計測実験を行い、それらの内容を理解できる。
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10週 |
DCモータ駆動回路 |
DCモータ駆動回路実験装置により動作実験を行い、それらの内容を理解できる。
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11週 |
ロボット操作実験1(1)(産業用多関節型ロボットの輪郭制御の仕組み) |
産業用多関節型ロボットの輪郭制御の仕組みについて、理解できる
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12週 |
ロボット操作実験1(2)(産業用多関節型ロボットの輪郭制御実験) |
産業用多関節型ロボットの輪郭制御の実験ができる
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13週 |
ロボット操作実験2(1)(台車型倒立振子の仕組み) |
台車型倒立振子の仕組みについて、理解できる
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14週 |
ロボット操作実験2(2)(台車型倒立振子の不倒停止制御実験) |
台車型倒立振子の不倒停止制御の実験ができる
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15週 |
成績確認 |
実験レポートの評価は閲覧できるようにし,その評価点はWebClassにて都度公開する.最終成績は全実験終了後に公開する.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後10,後11 |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11 |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後10 |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11 |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | 後12,後13,後14,後15 |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後10,後11 |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | 後12,後13,後14,後15 |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11 |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11 |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11 |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | 後12,後13,後14,後15 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後5,後6 |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 3 | 後2,後5,後6 |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 3 | 後12,後13 |