半導体材料工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 半導体材料工学
科目番号 5S06 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 半導体工学(渡辺英夫著)(コロナ社)
担当教員 堺 研一郎

到達目標

1.真性半導体と不純物半導体を説明できる.
2.半導体のエネルギーバンド図を説明できる.
3.pn接合の構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流-電圧特性を説明できる.
4.バイポーラトランジスタの構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる.
5.電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1真性半導体と不純物半導体を定量的に説明できる.真性半導体と不純物半導体を定性的に説明できる.真性半導体と不純物半導体を説明できない.
評価項目2半導体のエネルギーバンド図を定量的に説明できる.半導体のエネルギーバンド図を定性的に説明できる.半導体のエネルギーバンド図を説明できない.
評価項目3pn接合の構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流-電圧特性を定量的に説明できる.pn接合の構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流-電圧特性を定性的に説明できる.pn接合の構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流-電圧特性を説明できない.
評価項目4バイポーラトランジスタの構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を定量的に説明できる.バイポーラトランジスタの構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を定性的に説明できる.バイポーラトランジスタの構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できない.
評価項目5電界効果トランジスタの構造と動作を定量的に説明できる.電界効果トランジスタの構造と動作を定性的に説明できる.電界効果トランジスタの構造と動作を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
電気電子工学の基礎科目,およびメカトロニクス・情報工学関連科目として,半導体材料工学の修得を目的とする.電子工学を学ぶ上で必須の科目である.
授業の進め方・方法:
教科書に沿った板書授業を中心とし,例題や類題の演習も行う.演習課題は必ず自分で解き,自己学習能力を高めるよう努力すること.
関連科目:電気回路1,電気回路2,電磁気学,電子回路,パワーエレクトロニクスなど
注意点:
点数配分:試験(80%),レポート(20%)とする.
評価基準:60点以上を合格とする.
再試:再試は一回のみ行う.再試による合格は60点とする.
諸注意:次回の授業範囲を予習し,専門用語の意味等を理解しておくこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電子の性質(電子の電荷量や質量などの基本的性質,エレクトロンボルトの定義と単位換算) 電子の性質(電子の電荷量や質量などの基本的性質,エレクトロンボルトの定義と単位換算)を説明できる.
2週 原子の構造(原子の構造,パウリの排他律,原子の電子配置) 原子の構造(原子の構造,パウリの排他律,原子の電子配置)を説明できる.
3週 固体の構造(結晶,エネルギーバンドの形成,フェルミ・ディラック分布,金属・絶縁体・半導体のエネルギーバンド図) 固体の構造(結晶,エネルギーバンドの形成,フェルミ・ディラック分布,金属・絶縁体・半導体のエネルギーバンド図)を説明できる.
4週 電気伝導と伝導体の種類(電気伝導のメカニズム,金属,絶縁体,半導体,移動度) 電気伝導と伝導体の種類(電気伝導のメカニズム,金属,絶縁体,半導体,移動度)を説明できる.
5週 半導体中のキャリア濃度(フェルミ準位,真性半導体) 半導体中のキャリア濃度(フェルミ準位,真性半導体)に関連する計算ができる.
6週 半導体中のキャリア濃度(不純物半導体,ホール効果) 半導体中のキャリア濃度(不純物半導体,ホール効果)に関連する計算ができる.
7週 半導体の接合(仕事関数,金属と金属の接合,金属と半導体の接合,アインシュタインの関係式,ショットキーダイオードの整流作用,整流接合,オーミック接合) 半導体の接合(仕事関数,金属と金属の接合,金属と半導体の接合,アインシュタインの関係式,ショットキーダイオードの整流作用,整流接合,オーミック接合)を説明できる.
8週 pn接合の電気的特性(pn接合の物理,pn接合を流れる電流,ダイオード,逆方向飽和電流) pn接合の電気的特性(pn接合の物理,pn接合を流れる電流,ダイオード,逆方向飽和電流)を説明できる.
4thQ
9週 バイポーラトランジスタ(npn型トランジスタ,pnp型トランジスタ,各種接地方式) バイポーラトランジスタ(npn型トランジスタ,pnp型トランジスタ,各種接地方式)を説明できる.
10週 電界効果トランジスタ(J-FET,MOS-FET),電力用トランジスタ 電界効果トランジスタ(J-FET,MOS-FET),電力用トランジスタを説明できる.
11週 集積回路(IC)(CMOS,半導体メモリ(DRAM,SRAM),CCD) 集積回路(IC)(CMOS,半導体メモリ(DRAM,SRAM),CCD)を説明できる.
12週 オプトエレクトロニック素子 オプトエレクトロニック素子を説明できる.
13週 半導体変換素子 半導体変換素子を説明できる.
14週 プロセス技術 プロセス技術を説明できる.
15週 前期末まとめ 前期末まとめ
16週 前期定期試験 前期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000