情報通信実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 情報通信実験
科目番号 5S17 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:実験手引、テキストプリント配布
担当教員 丸山 延康,黒木 祥光,中野 明

到達目標

1.ネットワークにおける通信の仕組みに関する理解を深める。
2.ソケット通信を行うプログラムの作成やパケットの観測を通して通信技術に関する理解を深める。
3.実時間画像処理の組込システムをSoC(System on Chip)に実装し,画像信号の通信,処理に関する理解を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ネットワークにおける通信の仕組みに関して、実験データを示して的確に説明できる。ネットワークにおける通信の仕組みに関して説明できる。ネットワークにおける通信の仕組みに関して説明できない。
評価項目2ソケット通信を行うプログラムの作成やパケットの観測を通して通信技術に関して、実験データを示して的確に説明できる。ソケット通信を行うプログラムの作成やパケットの観測を通して通信技術に関して説明できる。ソケット通信を行うプログラムの作成やパケットの観測を通して通信技術に関して説明できない。
評価項目3深層学習を用いたパターン認識について理解し、代表的なネットワークのプログラムを作成できる。深層学習のフレームワークを用いてプログラムを作成し、学習と検証を行う事ができる。深層学習のフレームワークを用いてプログラムを作成する事ができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
情報通信ネットワークは現代社会における重要なインフラである。本実験は、情報通信の基礎、ネットワーク通信、情報通信の仕組みとその実現を理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
設定された3テーマの実験を順次実施する。各テーマについて実験指導書をあらかじめ予習し、実験の内容、順序を把握する。担当教官が巡回を行うので、不明な点は必ず質問を行うこと。実験終了後に、実験内容、測定結果、考察を記載したレポートを提出する。レポートの提出期限等は担当教官の指示に従う。実験の出席回数が不足する学生が再実験を行う。
注意点:
実験の前に実験手引、実験テキストプリントをよく読んでおくこと。
実験レポートにより100点満点で評価する。
評価基準:60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験ガイダンス;
実験1-1:ネットワークの観測 - 通信用語の調査と簡単なネットワーク観測
ネットワーク通信の専門用語を理解し、それに関連する命令を使用できる。
2週 実験1-2:ネットワークの観測 - PCのMACアドレスを取得するプログラムの作成 コンピュータ通信時必要とするMACアドレスを理解し、MACアドレスを取得するプログラムを作成できる。
3週 実験1-3:ネットワークの観測 - Tcpdumpを利用したネットワーク観測と通信データ解析 tcpdump命令を用いてネットワークの通信データを観測・解析できる。
4週 実験1-4:ネットワークの観測 - wiresharkを利用したネットワーク観測と通信データ解析 パケット取得・プロトコル解析ソフトwiresharkを利用してネットワークの通信データを解析できる。
5週 実験1-5:ネットワークの観測 - 実験データの整理及びレポート作成。必要に応じて再実験を行う。 実験データ、課題考察を示したレポートを作成する。
6週 実験2-1:JAVA言語によるTCP/IP通信 - TCP通信のためのサーバプログラムの作成 ソケット通信におけるサーバのプログラムを作成できる。プログラムの動作確認をtelnetコマンドを用いてできる。
7週 実験2-2:JAVA言語によるTCP/IP通信 - TCP通信のためのクライアントプログラムの作成 ソケット通信におけるクライアントのプログラムを作成できる。プログラムの動作確認を前週に作成したサーバプログラムを用いてできる。
8週 実験2-3:JAVA言語によるTCP/IP通信 - Tcpdumpを用いたTCP通信のパケット内容の観測と解析 4年生時の情報工学実験にて作成したGUIアプリと、前週に作ったクライアントのアプリとを統合させたプログラムが作成できる。
4thQ
9週 実験2-4:JAVA言語によるTCP/IP通信 - クライアントプログラムのGUI化 ソケット通信におけるクライアントのプログラムを作成できる。プログラムの動作確認を前週に作成したサーバプログラムを用いてできる。
10週 実験2-5:JAVA言語によるTCP/IP通信 - 実験データの整理及びレポート作成。必要に応じて再実験を行う。 実験データ、課題考察を示したレポートを作成する。
11週 実験3-1:機械学習 - Linuxにおける開発環境の構築とscikit-learnによる機械学習 回帰分析と誤差の統計的な分析,主成分分析による次元削減のプログラムを作成できる.
12週 実験3-2:機械学習 - ニューラルネットワークの基礎 ニューラルネットワークの構造や誤差伝搬法などを理解し,それらのプログラムを作成できる.
13週 実験3-3:機械学習 - 畳み込みニューラルネットワークによる識別モデル 識別モデルを理解し,畳み込みニューラルネットワークのプログラムを作成できる.
14週 実験3-4:機械学習 - オートエンコーダーを用いた低次元特徴ベクトルの生成 オートエンコーダーを理解し、そのプログラムを作成できる.
15週 実験3-5:機械学習 -課題調査とレポート作成。 実験データ、課題考察を示したレポートを作成する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後15
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後15
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後15
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4後15
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4後15
変数の概念を説明できる。4後15
データ型の概念を説明できる。4後15
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。4後15
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。4後15
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4後9
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4後9
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。4後9
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。4
情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。4後9
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。4後9
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。4後15
インターネットの概念を説明できる。4後15
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。4後15
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。4後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合000000100100
基礎的能力0000007070
専門的能力0000003030
分野横断的能力00000000