計算機アーキテクチャ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 計算機アーキテクチャ
科目番号 0277 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:柴山潔 著 コンピュータアーキテクチャの基礎、近代科学社。参考書:鈴木昌治 著 ディジタル数値演算回路の実用設計 CQ出版社。参考書:Xilinx社FPGA設計ドキュメント
担当教員 小田 幹雄

到達目標

1.プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。
2.固定少数点数と浮動小数点数の数表現について説明できる。
3.固定小数点数に対する演算アーキテクチャを説明できる。
4.浮動小数点数に対する演算アークテクチャを説明できる。
5.マシン命令の実行制御について説明できる。
6.ハードウエア記述言語を用いてプロセッサの機構を設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1プロセッサを実現するために考案された主要な技術を正確で詳細に説明できる。プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できない。
評価項目2固定少数点数と浮動小数点数の数表現について正確で詳細に説明できる。固定少数点数と浮動小数点数の数表現について説明できる。固定少数点数と浮動小数点数の数表現について説明できない。
評価項目3固定小数点数に対する演算アーキテクチャを正確で詳細に説明できる。固定小数点数に対する演算アーキテクチャを説明できる。固定小数点数に対する演算アーキテクチャを説明できない。
評価項目4浮動小数点数に対する演算アークテクチャを正確で詳細に説明できる。浮動小数点数に対する演算アークテクチャを説明できる。浮動小数点数に対する演算アークテクチャを説明できない。
評価項目5マシン命令の実行制御について正確で詳細に説明できる。マシン命令の実行制御について説明できる。マシン命令の実行制御について説明できない。
評価項目6ハードウエア記述言語を用いてプロセッサの機構を幅広く設計できる。ハードウエア記述言語を用いてプロセッサの機構を設計できる。ハードウエア記述言語を用いてプロセッサの機構を設計できない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
フォンノイマン型コンピュータは、基本原理が考案されて以来、半世紀にわたって情報化社会の中核を担い続けている。本授業では、コンピュータの設計思想について、コンピュータを設計する際に指針とすべき技術項目を分類整理し、機能部分ごとに系統立てて、その内部機構を理解することを目的とする。さらに、ハードウエア記述言語を用いてプロセッサの機構を設計し、内部機構を詳細に理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書に沿った講義とハードウエア記述言語を用いたコンピュータの設計を行う。本授業は、コンピュータ内部の機構、処理に関する専門用語を多く覚える必要がある。機構や処理は、論理回路や数学的な裏づけにより設計されているため、これらの基礎知識が必要であり、なぜそのような機構や処理が最適であるかを工学的に考察する力が必要である。また、演習として、講義で得られた知識を応用し、ハードウエア記述言語を用いてプロセッサに関連する機構を設計する。
関連科目:論理回路
注意点:
中間試験(50%)、定期試験(50%)を実施し、100点法により前期および後期をそれぞれ評価する。半期の評価点が60点未満の場合は、再試験を実施する。再試験の範囲は、半期の全範囲とし、60点を上限とする。総合成績は,前期および後期の評価点の平均とする。
評価基準:60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 情報処理の階層化 情報処理の階層化を説明できる。
2週 ハードウエアとソフトウエアの機能分担 ハードウエアとソフトウエアの機能分担を説明できる。
3週 コンピュータシステムにおけるトレードオフ コンピュータシステムにおけるトレードオフを説明できる。
4週 ノイマン型コンピュータの基本ハードウエア構成 ノイマン型コンピュータの基本ハードウエア構成を説明できる。
5週 基本命令セットアーキテクチャ 基本命令セットアーキテクチャを説明できる。
6週 命令形式と命令実行サイクル 命令形式と命令実行サイクルを説明できる。
7週 固定小数点数表現 固定小数点数表現を説明できる。
8週 補数表現 補数表現を説明できる。
2ndQ
9週 浮動小数点数表現 浮動小数点数表現を説明できる。
10週 固定小数点数算術演算装置(加減算器) 固定小数点数算術演算装置を説明できる。
11週 固定小数点数算術演算装置(乗算器) 固定小数点数算術演算装置を説明できる。
12週 固定小数点数算術演算装置(除算器) 固定小数点数算術演算装置を説明できる。
13週 浮動小数点数算術演算装置(加減算器) 浮動小数点数算術演算装置を説明できる。
14週 浮動小数点数算術演算装置(乗除算器) 浮動小数点数算術演算装置を説明できる。
15週 ALUのハードウエア構成 ALUのハードウエア構成を説明できる。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 配線論理制御方式 配線論理制御方式を説明できる。
2週 マイクロプログラム制御方式 マイクロプログラム制御方式を説明できる。
3週 命令実行順序制御機構 命令実行順序制御機構を説明できる。
4週 命令パイプライン処理 命令パイプライン処理を説明できる。
5週 演算パイプライン処理 演算パイプライン処理を説明できる。
6週 割り込み処理 割り込み処理を説明できる。
7週 メモリアーキテクチャ メモリアーキテクチャを説明できる。
8週 メモリ階層 メモリ階層を説明できる。
4thQ
9週 仮想メモリ 仮想メモリを説明できる。
10週 ハードウエア記述言語による算術演算装置の設計(1) ハードウエア記述言語により算術演算装置を設計できる。
11週 ハードウエア記述言語による算術演算装置の設計(2) ハードウエア記述言語により算術演算装置を設計できる。
12週 ハードウエア記述言語による算術演算装置の設計(3) ハードウエア記述言語により算術演算装置を設計できる。
13週 ハードウエア記述言語による算術演算装置の設計(4) ハードウエア記述言語により算術演算装置を設計できる。
14週 ハードウエア記述言語による算術演算装置の設計(5) ハードウエア記述言語により算術演算装置を設計できる。
15週 ハードウエア記述言語による算術演算装置の設計(6) ハードウエア記述言語により算術演算装置を設計できる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2前7
整数・小数をコンピュータのメモリー上でディジタル表現する方法を理解している。2前7,前8,前9
五大装置それぞれの役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2前4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2前5,前6,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2後7,後8,後9
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて理解している。2前3
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。3後10,後11,後12,後13,後14,後15
コンピュータシステムシステム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを理解している。2前2

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
専門的能力100100