応用物理1

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 応用物理1
科目番号 3S08 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:総合物理1 (数研出版 検定教科書)、総合物理2 (数研出版 検定教科書)  副教材:リードα物理基礎・物理 (数研出版 問題集)
担当教員 篠島 弘幸

到達目標

1.円運動、単振動、慣性力について、それらの数学的な表記に慣れ、それらの説明ができる。
2.力のモーメントや慣性モーメントが理解できている。剛体にはたらく力のモーメントを計算し、剛体の回転運動に関る運動方程式が立てることができる。剛体の回転運動に関する方程式を解き、剛体の回転運動について説明できる。
3.波特有の現象について説明できる。屈折、反射の法則等重要な法則を導出でき、説明することができる。
4.光の粒子性や量子論に基づく原子モデルを理解し、放射線についての基礎知識を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 円運動、単振動、慣性力数学的な表記に慣れていて、現象の説明もできる。現象が説明でき、数学的な表記で記述することがでる。現象の説明ができない。
評価項目2 剛体の運動剛体の運動方程式を立て、それを解くことで剛体の運動が理解できる。力のモーメントについて説明でき、剛体の運動方程式をつくることができる。力のモーメントの概念が理解できていない。
評価項目3 波動波特有の現象を説明でき、重要な法則を導出できる。波特有の現象と重要な法則を理解している。波特有の現象と重要な法則を説明できない。
評価項目4 原子物理量子論的な観点から自然現象を説明できる。電子、光子の二重性について理解している。電子、光子の二重性について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自然現象を把握し、数式を導入することでその理解を深めて一般化する。そのような自然現象の物理的な理解の方法・考え方を学ぶ。専門科目を学ぶための基礎知識・学力・思考力を身につける。
授業の進め方・方法:
講義中心の授業を行うが、内容の理解と定着をはかるため、演習問題を適宜レポートとして、授業の進度に合わせて解答・提出してもらう。また、必要に応じて小テスト等を実施する。
注意点:
【評価方法】 前期と後期それぞれに中間試験と期末試験を実施し、年間4回の定期試験を行う。それらの定期試験の結果を 70%、適宜行う小テストや課題レポートの結果を 30%で評価する。
【評価基準】 総合評価 60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 波動 (1) 波の性質、ホイヘンスの原理 ・ホイヘンスの原理について説明できる。
2週 波動 (2) 波の伝わり方 ・ホイヘンスの原理を使って、反射、屈折の法則が説明できる。
・波の干渉について説明できる。
3週 波動 (3) 正弦波の式 ・波の正弦波の表示に慣れ、表現することができる。
4週 波動 (4) 定常波

・定常波について説明できる。
5週 波動 (5) 波に関する総合問題 ・問題演習により波動現象について理解を深める
6週 音の性質(1)弦、弦にできる定常波、固有振動、弦を伝わる波の速さ ・弦を伝わる波について説明できる。
7週 音の性質(2)音の速さ、音の干渉(強め合い・弱め合いうなり) ・音波について説明できる。
・音の干渉について説明できる。
8週 音の性質(3)気柱(開管・閉管)、気柱にできる定常波、気柱の固有振動 ・気柱の共鳴現象について説明できる。
2ndQ
9週 音の性質(4)ドップラー効果、音源、観測者が動いた場合、壁、風がある場合 ・ドップラー効果について説明できる。音源、観測者の関係で、聞こえる音の振動数が変化することを数式を使って理解できる。
10週 音の性質(5)音に関する総合問題 ・問題演習により、音波についての理解を深める。
11週 光の性質(1)反射、屈折の法則、散乱 ・光の反射、屈折現象を説明でき、光の反射、屈折の法則を説明できる。
12週 光の性質(2)回折 ・光の回折現象について説明できる。
13週 光の性質(3)干渉 ・光の干渉現象について説明できる。
14週 光の性質(4)くさび形空間、薄膜による干渉 ・具体的ないくつかの光学素子による光の干渉について、明線となるための条件を導出できる。
15週 光の性質(5)レンズと球面鏡(作図) ・レンズと球面鏡による像が作図できる。
16週
後期
3rdQ
1週 力学(1)円運動、角運動量、慣性力、遠心力 ・角運動量について説明できる。
・慣性力が説明できる。
2週 力学 (2) ケプラーの法則、万有引力 ・ケプラーの法則、万有引力の法則、万有引力
3週 力学 (3) 様々な運動(惑星の運動) ・惑星の運動について説明できる。
4週 剛体の力学(1)重心 ・剛体の重心について説明できる。
・剛体の重心の位置を計算することができる。
5週 剛体の力学(2)力のモーメント、 ・力のモーメントについて説明できる。
・剛体にはたらく力のモーメントを計算することができる。
6週 剛体の力学(3)慣性モーメント ・剛体の慣性モーメントについて説明できる。
・剛体の慣性モーメントを計算することができる。
7週 剛体の力学(4)剛体のつり合い ・力のモーメントと剛体のつり合いについて説明できる。
8週 剛体の力学(5)剛体のつり合いと回転の運動方程式 ・力のモーメントを計算し、剛体のつり合いについて回転の運動方程式が立式できる。
4thQ
9週 剛体の力学(6)回転の運動方程式 ・剛体にはたらく力のモーメントを計算し、回転の運動方程式を立式できる。
10週 剛体の力学(7)回転の運動方程式 例題 ・いくつかの簡単な例で、剛体に関する回転の運動方程式を解くことができる。
11週 剛体の力学(8)剛体の力学に関する演習 ・問題演習により、剛体の運動について理解を深める。
12週 原子物理(1) 陰極線、電子、電子の比電荷、電気素量、電子線回折 ・電子についての物理的な特徴やその二重性を説明できる。
13週 原子物理(2) 光電効果、コンプトン散乱、光子の粒子性と波動性 ・光の二重性について説明できる。
14週 原子物理(3) 水素原子のスペクトル、ボーアの原子モデル、エネルギー準位 ・水素原子モデルについて説明できる。
15週 原子物理(4) 放射線・放射性崩壊、半減期、X線、核エネルギー、核分裂・核融合 ・放射線と崩壊現象について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。2
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000