電子計算機基礎

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電子計算機基礎
科目番号 3S16 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:中川祐志,新版 電子計算機工学,朝倉出版 参考書:パターソン&ヘネシー,コンピュータの構成と設計 第5版 上,日経BP社
担当教員 請園 智玲

到達目標

1.電子計算機の基本構造の理解
2.電子計算機のプログラム動作原理の理解
3.基礎的なフロントエンド設計の習得

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子計算機の基本構造の理解ハードウェアの仕組みを含めて演算を理解している.試験で出題される範囲の演算回路が理解できる.試験で出題される範囲の演算回路が理解できない.
電子計算機のプログラム動作原理の理解プログラムとハードウェアの関係を理解しプログラミングできる.課題で与えられたプログラムを理解できる.課題で与えられたプログラムを理解できない.
基礎的なフロントエンド設計手法の習得自在にハードウェアのRTL設計ができ,正確で効率的な動作検証ができる.課題で与えられたハードウェアをRTL設計できる.課題で与えられたハードウェアをRTL設計できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータを利用して周辺装置の制御を行なう際に必要な知識,および技術を習得する.コンピュータのハードウェア構成,ハードウェアとソフトウェアのインタフェースをソフトウェア側及びハードウェア側からの両視点で学習する.
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って講義形式で行い,その後,計算機を用いた演習を行う.まず,電子計算機とは何かをハードウェアレベルで理解し,後にソフトウェアからの制御方式を理解する.講義の中で,C言語などのプログラミング言語やVerilog HDLなどのハードウェア記述言語を使用する.これらの書式は原理の理解に必要最低限の項目のみを学習する.
関連科目:プログラミングI,II,論理回路
注意点:
(1)点数配分:前期中間試験,前期期末試験,後期演習のレポート課題の平均を最終的な評価点とする.
(2)評価基準:100点法で評価し,60以上を合格とする.
(3)再試:再試は行わない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数の表現,ブール代数,ブール関数 論理演算を式として表現し,扱える.
2週 組み合わせ回路の基礎1
論理演算を用いた算術演算アルゴリズムが理解できる.
3週 組み合わせ回路の基礎2 計算機内で用いられる基礎的な組み合わせ回路を理解できる.
4週 順序回路の基礎1 計算機内で用いられるDフリップフロップの動作原理を理解できる.
5週 順序回路の基礎2 レジスタやカウンタなどの記憶回路の動作原理を理解できる.
6週 記憶の論理構造 CPUと主記憶の概念を理解し,メモリアドレスを理解できる.
7週 演算装置
ALUの機能を理解できる.
8週 レジスタ転送論理 RTL設計の概念を理解できる.
2ndQ
9週 浮動小数表現と演算 浮動小数表現を理解し,その演算方法を理解できる.
10週 計算機の構造1 計算機の全体構造を理解できる.
11週 計算機の構造2 命令セットとプログラムの作成フローを理解できる.
12週 計算機の構造3 データパスと制御の概念を理解できる.
13週 計算機の構造4 プログラム制御の概念を理解できる.
14週 I/Oの基礎1 メモリマップドI/Oと各種I/Oデバイスを理解できる.
15週 I/Oの基礎2 割り込みとDMAを理解できる.
16週
後期
3rdQ
1週 計算機設計の基礎1 組み合わせ回路をRTL記述する方法を理解できる.
2週 RTL設計演習1 組み合わせ回路の論理シミュレーション技法を習得する.
3週 RTL設計演習2 計算機内部の各回路の動作を説明できる.
4週 RTL設計演習3 計算機内部の各回路の動作を説明できる.
5週 RTL設計演習4 計算機内部の各回路の動作を説明できる.
6週 RTL設計演習5 計算機内部の各回路の動作を説明できる.
7週 RTL設計演習6 計算機内部の各回路の動作を説明できる.
8週 RTL設計演習7 計算機内部の各回路の動作を説明できる.
4thQ
9週 計算機設計の基礎2 順序回路をRTL記述する方法を理解できる.
10週 RTL設計演習8
順序回路の論理シミュレーション技法を習得する.
11週 RTL設計演習9 計算機の構造とプログラムの動作を説明できる.
12週 RTL設計演習10 計算機の構造とプログラムの動作を説明できる.
13週 RTL設計演習11 計算機の構造とプログラムの動作を説明できる.
14週 RTL設計演習12 計算機の構造とプログラムの動作を説明できる.
15週 RTL設計演習13 計算機の構造とプログラムの動作を説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。1
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。2前8,前13
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。2前8,前13
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。2前8,前11,前13,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。2前2,前13,前14,前15,後10
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。2前2,後10
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。2前2,後10
計算機工学基本的な論理演算を行うことができる。2前1,前2,前6,前7,前8,後9,後10
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。2前1,前2,前6,前7,前8,後9,後10
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。2前2,前3,前6
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前6,前10
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。4前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4後15

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力50500000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000