論理回路

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 論理回路
科目番号 3S17 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:山田輝彦著 論理回路理論 森北出版
担当教員 小田 幹雄

到達目標

1.素演算系、主加法標準形、主乗法標準形の説明ができる。
2.カルノー図を用いた論理式の簡単化ができ、与えられた仕様に合致した組合せ回路を設計できる。
3.フリップフロップの構造および動作を説明できる。
4.与えられた仕様に合致した順序回路を設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1素演算系、主加法標準形、主乗法標準形が正確かつ詳細に説明できる。素演算系、主加法標準形、主乗法標準形の説明ができる。素演算系、主加法標準形、主乗法標準形の説明ができない。
評価項目2カルノー図を用いた論理式の簡単化ができ、与えられた仕様に合致した組合せ回路を多種設計できる。カルノー図を用いた論理式の簡単化ができ、与えられた仕様に合致した組合せ回路を設計できる。カルノー図を用いた論理式の簡単化ができず、与えられた仕様に合致した組合せ回路を設計できない。
評価項目3フリップフロップの構造および動作を詳細に説明できる。フリップフロップの構造および動作を説明できる。フリップフロップの構造および動作を説明できない。
評価項目4与えられた仕様に合致した順序回路を多種設計できる。与えられた仕様に合致した順序回路を設計できる。与えられた仕様に合致した順序回路を設計できるない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
論理回路は、計算機や家電製品などの情報処理装置の主要部であり、情報処理装置の回路設計には必須の技術である。本授業では、論理代数を理解し、基本ゲート素子による組合せ論理回路の設計法と順序回路の動作と設計手法を修得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書に沿った講義を行う。講義は、論理代数の初歩から始まり、組合せ回路および順序回路を設計できるようになることである。講義全体にわたり、基礎的な論理代数を用いるため、これを十分理解し、式を扱えるようになることが重要である。授業中の演習やレポートにより、できる限り論理式の計算を扱うが、予習または復習による自学自習の機会に自ら演習問題に取り組むことを推奨する。
関連科目:計算機アーキテクチャ、離散数学、ディジタル回路設計
注意点:
定期試験(80%)、レポート(20%)とし、100点法により前期および後期をそれぞれ評価する。
半期の評価点が60点未満の場合は、半期全体を範囲とし上限60点の再試験を実施する。この場合、再試験を100%とし、レポートは考慮しない。
総合成績は,前期および後期の評価点の平均とする。
評価基準:60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 情報処理装置の処理 情報処理装置の概念を説明できる。
2週 2値変数と基本演算 2値変数による基本演算を行うことができる。
3週 基本演算から得られる等式 ブール代数の等式を証明できる。
4週 2変数論理演算と素演算系 素演算系を説明できる。
5週 n項演算への拡張 n項演算を説明できる。
6週 真理値表と論理関数 真理値表を作成できる。
7週 論理関数の論理式による表現 論理関数を論理式として表現できる。
8週 双対関数 双対関数を説明できる。
2ndQ
9週 AND-OR形論理式の簡単化 AND-OR形論理式を簡単化できる。
10週 不完全定義論理関数に対する簡単化 不完全定義論理関数の論理式を簡単化できる。
11週 OR-AND形論理式の簡単化 OR-AND形論理式を簡単化できる。
12週 論理ゲート 論理ゲートを説明できる。
13週 2段論理回路と回路の複雑さ 回路の複雑さを評価できる。
14週 加算器の設計 加算器を設計できる。
15週 デコーダの設計 デコーダを設計できる。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 順序回路モデル 順序回路の概念を説明できる。
2週 状態遷移図と状態遷移表 状態遷移図と状態遷移表を作成できる。
3週 状態遷移関数と出力関数 状態遷移関数と出力関数の概念を説明できる。
4週 状態の等価性による順序回路の簡単化 順序回路を簡単化できる。
5週 状態変数関数と出力変数関数 状態遷移関数と出力関数の論理式を求めることができる。
6週 SRラッチ回路 SRラッチ回路を説明できる。
7週 フリップフロップによる遅延回路の実現 遅延回路とフリップフロップの概念を説明できる。
8週 マスタースレーブ型フリップフロップ マスタースレーブ型フリップフロップを説明できる。
4thQ
9週 フリップフロップ(その1) フリップフロップを説明できる。
10週 フリップフロップ(その2) フリップフロップを説明できる。
11週 フリップフロップの駆動回路の実現 フリップフロップの駆動回路を設計できる。
12週 順序回路の設計(その1) 順序回路を設計できる。
13週 順序回路の設計(その2) 順序回路を設計できる。
14週 論理回路の遅延 論理回路の遅延を説明できる。
15週 論理回路の非同期動作 論理回路の非同期動作を説明できる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。2
物質が原子からできていることを説明できる。2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
純物質と混合物の区別が説明できる。2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。2
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。2
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。2
同位体について説明できる。2
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。2
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。2
価電子の働きについて説明できる。2
原子のイオン化について説明できる。2
代表的なイオンを化学式で表すことができる。2
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。2
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。2
イオン式とイオンの名称を説明できる。2
イオン結合について説明できる。2
イオン結合性物質の性質を説明できる。2
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。2
共有結合について説明できる。2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。2
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。2
金属の性質を説明できる。2
原子の相対質量が説明できる。2
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。2
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。2
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。2
気体の体積と物質量の関係を説明できる。2
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。2
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。2
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。2
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。2
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。2
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。2
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。2
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。2
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。2
酸化還元反応について説明できる。2
イオン化傾向について説明できる。2
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。2
ダニエル電池についてその反応を説明できる。2
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。2
一次電池の種類を説明できる。2
二次電池の種類を説明できる。2
電気分解反応を説明できる。2
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。2
ファラデーの法則による計算ができる。2
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学基本的な論理演算を行うことができる。3前2,前3,前4,前5
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3前7
論理式の簡単化の概念を説明できる。3前9,前10,前11
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。3前9,前10,前11
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3前12,前13
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3前14,前15
組合せ論理回路を設計することができる。3前14,前15
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4後6,後7,後8,後9,後10
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3後5
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3後5
順序回路を設計することができる。3後12,後13
情報数学・情報理論ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3前2,前3,前4

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
専門的能力8020100