電子回路

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路
科目番号 1326 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「電気・電子系教科書シリーズ12電子回路」須田健二、土田英一共著(コロナ社)
担当教員 江頭 成人

到達目標

1.電子回路を構成する上で必要不可欠となる半導体素子の基本動作が理解できる。
2.ダイオードやトランジスタを含む電子回路の動作が理解できる。
3.増幅回路の動作が理解できる。
4.発振回路における発振周波数を算出できる。
5.オペアンプを用いた増幅回路や演算回路の動作が理解できる。
6.ディジタル信号回路の動作が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子回路を構成する上で必要不可欠となる半導体素子の基本動作が説明できる.電子回路を構成する上で必要不可欠となる半導体素子の基本動作が理解できる.電子回路を構成する上で必要不可欠となる半導体素子の基本動作が理解できない.
評価項目2ダイオードやトランジスタを含む電子回路の動作が説明できる.ダイオードやトランジスタを含む電子回路の動作が理解できる.ダイオードやトランジスタを含む電子回路の動作が理解できない.
評価項目3増幅回路の動作が説明できる.増幅回路の動作が理解できる.増幅回路の動作が理解できない.
評価項目4発振回路における発振周波数を算出できる.発振回路における発振周波数をおおむね算出できる.発振回路における発振周波数を算出できない.
評価項目5オペアンプを用いた増幅回路や演算回路の動作が説明できる.オペアンプを用いた増幅回路や演算回路の動作が理解できる.オペアンプを用いた増幅回路や演算回路の動作が理解できない.
評価項目6ディジタル信号回路の動作が説明できる.ディジタル信号回路の動作が理解できる.ディジタル信号回路の動作が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
メカトロニクスにおいては、モータを用いた機器の制御やノイズカットなどのフィルタリングが必要であり、増幅回路やフィルタ回路などのアナログ電子回路の知識が必要である。電子回路においては、半導体素子(ダイオード、トランジスタおよびチップ化されたオペアンプ)が用いられている。本科目においては、半導体素子の動作原理から半導体を用いた応用回路まで幅広く学習する。
授業の進め方・方法:
教科書と板書を中心に授業を進める。その中で、演習問題を適宜取り入れ、授業内容が身に付くようにする。さらに、試験前には課題レポートを課し、試験勉強に向けた要点を整理できるように配慮する。
注意点:
得点配分は、中間試験35%、期末試験35%、課題30%とし、100点法で評価する。
課題を提出した者に対しては、必要に応じて再試験を行う。再試験を受けた場合、総合評価の上限を60点とする。
評価基準:60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子回路の基本 電子回路の基本を理解する。
2週 半導体(真性半導体,n形半導体,p形半導体) 半導体(真性半導体,n形半導体,p形半導体)を理解する。
3週 ダイオード(pn接合,基本特性) ダイオード(pn接合,基本特性)を理解する。
4週 ダイオード(その他のダイオード) ダイオード(その他のダイオード)を理解する。
5週 バイポーラトランジスタの構造と動作 バイポーラトランジスタの構造と動作を理解する。
6週 バイポーラトランジスタの電流増幅率 バイポーラトランジスタの電流増幅率を理解する。
7週 バイポーラトランジスタの接地方式および特性 バイポーラトランジスタの接地方式および特性を理解する。
8週 バイポーラトランジスタの等価回路導出 バイポーラトランジスタの等価回路導出を理解する
2ndQ
9週 hパラメータ hパラメータを理解する。
10週 hパラメータを用いたエミッタ接地回路の等価回路 hパラメータを用いたエミッタ接地回路の等価回路を理解する。
11週 hパラメータを用いたベース接地回路の等価回路 hパラメータを用いたベース接地回路の等価回路を理解する。
12週 hパラメータを用いたコレクタ接地回路の等価回路 hパラメータを用いたコレクタ接地回路の等価回路を理解する。
13週 電界効果トランジスタ(バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタの違い) 電界効果トランジスタ(バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタの違い)を理解する。
14週 電界効果トランジスタ(J-FET) 電界効果トランジスタ(J-FET)を理解する。
15週 電界効果トランジスタ(MOS-FET) 電界効果トランジスタ(MOS-FET)を理解する。
16週
後期
3rdQ
1週 増幅回路の種類 増幅回路の種類を理解する。
2週 増幅作用(増幅度) 増幅作用(増幅度)を理解する。
3週 増幅作用(利得) 増幅作用(利得)を理解する。
4週 電流増幅,電圧増幅,電力増幅 電流増幅,電圧増幅,電力増幅を理解する。
5週 負荷線(直流負荷線) 負荷線(直流負荷線)を理解する。
6週 負荷線(交流負荷線) 負荷線(交流負荷線)を理解する。
7週 負荷線(負荷線の利用) 負荷線(負荷線の利用)を理解する。
8週 LC発振回路 LC発振回路を理解する。
4thQ
9週 CR発振回路 CR発振回路を理解する。
10週 オペアンプの性質 オペアンプの性質を理解する。
11週 オペアンプを用いた増幅回路 オペアンプを用いた増幅回路を理解する。
12週 オペアンプを用いた演算回路 オペアンプを用いた演算回路を理解する。
13週 変調復調回路 変調復調回路を理解する。
14週 電源回路 電源回路を理解する。
15週 応用電子回路 応用電子回路を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2
運動方程式を用いた計算ができる。2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。2
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2
熱機関の熱効率に関する計算ができる。2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2
ホイヘンスの原理について説明できる。2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2
自然光と偏光の違いについて説明できる。2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2
ジュール熱や電力を求めることができる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2前1,前2,前3,前4,後15
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。2前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,後15
FETの特徴と等価回路を説明できる。2前13,前14,前15,後15
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2後1,後2,後3,後4,後8,後9,後15
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後15
演算増幅器の特性を説明できる。2後10,後11,後12,後15
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。2後10,後11,後12,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000