概要:
21世紀はバイオの時代であり,遺伝子工学,細胞工学,生物情報工学分野での産業化がすでに始まっている。将来,バイオ分野で活躍するためには,生物の基礎知識が不可欠となる。この授業は,生物応用化学科のバイオ関連科目を学ぶときに必要となる基礎知識・技術の習得を目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書及び図説を併用した講義を行う。生物学の基礎項目(細胞,分類学,生活環,遺伝,代謝,光合成など)の基本的な内容を理解することを目指すため,それぞれの項目を深く掘り下げない。しかし,もっと深く学びたい学生には,質問に答えることはもちろん,さらに高度な専門書を紹介する。また,顕微鏡観察やその他の生物実験を随時取り入れて,理解の助けとする(実験は,主に前期に取り組む)。資料の配布,レポート提出は,Teamsを使用する。この科目は,2年生の生物学Ⅱに継続する。
関連科目 生物学Ⅱ
注意点:
次回の講義の各単元ごとに生物用語及びその意味を予習して理解しておくこと。実験には安全第一に集中力をもって取り組み,レポートとしてまとめて提出すること。
(1)点数配分:中間試験30%、期末試験30%、レポート40%
(2)評価基準:60点以上を合格とする。
(3)必要に応じて再試を行う。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
生物の多様性と共通性 【顕微鏡観察】
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生物の特徴を定義できる。 原核生物と真核生物の違いを説明できる。
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2週 |
生命活動とエネルギー(1)
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生体のエネルギーはATPでやり取りされる 生体の化学反応は酵素により触媒される
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3週 |
生命活動とエネルギー(2) 【カタラーゼによる過酸化水素の分解】
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カタラーゼの触媒反応を実験により確認する
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4週 |
生命活動とエネルギー(3) 【葉緑体色素のTLC展開】
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光合成と呼吸,葉緑体とミトコンドリアの機能を理解する 葉緑体色素をTLCにより展開分離することができる
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5週 |
生体物質と細胞(1)
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生物を構成する物質と原子を説明できる
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6週 |
生体物質と細胞(2)
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細胞内小器官と働きを説明できる
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7週 |
生体物質と細胞(3)
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アミノ酸とタンパク質の関係を理解する
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8週 |
中間まとめ
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上記項目について,中間テストで60%の正解ができる
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2ndQ |
9週 |
生物と遺伝子 【根端細胞の体細胞分裂,ブライダルベールの減数分裂の観察】
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遺伝子の本体はDNAであることを知り,その構造が描ける
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10週 |
遺伝情報の分配
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DNAの複製と転写を理解する
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11週 |
遺伝情報とタンパク質の合成
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コドン表によりアミノ酸配列が決定されることを知る
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12週 |
遺伝情報の発現
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パフとDNA鎖の解れの関係を説明できる
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13週 |
遺伝子の発現調節
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リプレッサー,調節遺伝子を理解する
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14週 |
遺伝情報の変化
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SNPによる 翻訳への影響を理解し,鎌状赤血球の原因を説明できる
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15週 |
バイオテクノロジー(1) |
PCRと電気泳動の原理を理解する DNA配列決定法を理解する
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16週 |
前期まとめ
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上記項目について,期末テストで60%の正解ができる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
遺伝子の働き(遺伝の法則)
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メンデル遺伝における法則とその用語について理解する.
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2週 |
遺伝の規則性(いろいろな遺伝)
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メンデル遺伝を基本とし,その変異型である様々な遺伝について理解する。
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3週 |
遺伝の規則性(遺伝子と染色体)
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一染色体上の遺伝について理解する。また,モーガンの遺伝子地図について理解する。
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4週 |
バイオテクノロジー(2)
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動物・植物のバイオテクノロジーについて,実例を挙げて説明できる
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5週 |
代謝とエネルギー(1)
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糖の代謝について簡単に説明できる
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6週 |
代謝とエネルギー(2)
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脂質とタンパク質の分解経路を簡単に説明できる
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7週 |
代謝とエネルギー(3)
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好気呼吸と嫌気呼吸を説明できる
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8週 |
中間まとめ
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上記項目について,中間テストで60%の正解ができる
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4thQ |
9週 |
体内環境(1)
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心臓と血液循環,ヘモグロビンについて解説できる
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10週 |
体内環境(2)
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体内環境を調節する器官(肝臓,腎臓)について説明できる
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11週 |
体内環境と調節
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自律神経系,内分泌系による調節を説明できる
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12週 |
免疫(1) 【魚の血液観察】
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塩類濃度の赤血球への影響について説明できる クエン酸ナトリウムの血液凝固への影響を説明できる
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13週 |
免疫(2)
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自然免疫と適用免疫について説明できる
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14週 |
免疫(3)
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細胞性免疫と体液性免疫について簡単に説明できる T細胞トB細胞について説明できる 免疫グロブリンについて説明できる
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15週 |
免疫(4) |
エイズ,インフルエンザの作用機序を説明できる
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16週 |
後期まとめ |
上記項目について,期末テストで60%の正解ができる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 地球上の生物の多様性について説明できる。 | 1 | 前1 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 3 | 前1 |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 3 | 前4,前5,前6 |
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。 | 3 | 前4 |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 2 | 前2,前3,後5,後6,後7 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 2 | 前2,前3 |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 1 | 前4 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 2 | 前10 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 2 | 前11 |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 2 | 前12 |
細胞周期について説明できる。 | 2 | 前12 |
分化について説明できる。 | 1 | |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 2 | 前13,前14 |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 1 | 前6 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 1 | 前7 |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 1 | 前7,後5,後6 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 1 | 前7 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 1 | 前9,前10 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 1 | 前10,後1,後2,後3 |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 1 | 前10,後1,後2,後3 |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 1 | 前11 |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 1 | 前11,前12,前13,前14,前15,後4,後5 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 1 | 前3 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 1 | 前3 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 1 | 前3 |
解糖系の概要を説明できる。 | 1 | 後5,後6 |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 1 | 後5,後6 |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 1 | 前4 |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 1 | 前4 |
生物工学 | アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 1 | 後7 |