創造化学実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 創造化学実験
科目番号 1C10 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 実験書は、学科で作成したものを配布.レポート用紙(書式あり)は実験の都度配布.実験衣・保護メガネは学生負担で購入.参考図書;「実験で学ぶ化学の世界1-4」,日本化学会編,丸善
担当教員 我部 篤,栫 隆彦,中島 めぐみ

到達目標

1.実験器具の基本的な使い方をマスターする
2.実験を通じ,「化学」を身近に感じ、基礎知識を体得する
3.レポート提出の重要性を認識し,コミュニケーション能力の基礎を学ぶ 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1期限内にレポートが提出される. 誰が見ても理解でき,わかりやすいレポート作成がなされている.期限内に実験レポートが提出される.実験レポートが提出されない.
評価項目2設問に対し,自ら積極的に調査している. 設問に対し,自ら調査している. 設問に対し,調査されていない.
評価項目3チームで協力して実験を実施し、正確なデータを得ている.チームで協力して実験を実施している.チームで協力して実験を実施していない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
化学物質及び生体物質を触って知る生物応用化学の入門実験.応用化学関連では,セッケン,ナイロンなど実際の化学製品を合成する実験を主体にする.生物化学関連では身近な植物の栽培,発酵(パン作り)などの実験を行う. 
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で開発等を担当していた教員が,その経験を活かし,担当教員の一人として基礎化学に関連した実験の指導を行うものである.
授業の進め方・方法:
生物応用化学に関する興味を高めてもらおうと考え,面白そうな実験を準備した.操作も特段難しいものはなく,実験器具も中学時代から慣れ親しんだものが多くなっている.「生物応用化学」を身近に感じてほしい.実験開始前までにテキストを熟読し,その日の実験操作の内容を確認しておくこと.実験時は毎回必ず実験着(白衣)・安全メガネを着用し,楽しい実験の中にも,危険ととなり合わせであることを認識し,実験を安全第一で遂行するよう心がけて欲しい.実験レポートはそれぞれ所定の書式に従い作成するが,項目以外にも実験中の「色の変化」「温度の変化」など細かくメモを取ってほしい. 
注意点:
1.実験時は毎回必ず実験着(白衣)・安全メガネを着用.楽しい実験の中にも危険ととなり合わせであることを認識し,実験を安全第一で遂行すること
2.実験当日までに実験書を熟読し,実験操作,使用する試薬の性質等をしっかりと調査しておくこと.
3.実験レポートはそれぞれ所定の書式に従い作成すること.実験レポートの提出期限を厳守すること.
4.各実験終了後,提出期限以内にレポートの提出がない場合は,その実験の点数は0点とする.60点以上を合格とする.
5.中間試験および期末試験は実施しない(再試験は実施しない).

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション,実験器具の紹介 実験の基礎知識、事故への対処方法について理解する。
2週 植物の種まき・観察・収穫(カイワレダイコン)  植物の発芽と生育メカニズムについて理解する。
3週 廃油セッケン作り  油脂のケン化について理解する。
4週 DNAの抽出(各種野菜)  野菜からのDNAの抽出方法について理解する。
5週 色素の合成  フェノールフタレインなどの色素の合成方法について理解する。
6週 高分子実験  ナイロンおよびスライムの合成方法について理解する。
7週 フルーツゼリー作り  ゼラチンと寒天の違いについて理解する。
8週 カルメ焼き作り  炭酸水素ナトリウムの熱分解について理解する。
4thQ
9週 電池の作成  化学反応により電気が発生するメカニズムを理解する。
10週 パン作り  パン作りにおける発酵について理解する。
11週 ホタライトによるホタルの発光実験  ホタルの発光を通して、酵素について理解する。
12週 溶液の調製法・中和滴定・食酢中の酢酸の定量  中和滴定について理解する。
13週 使い捨てカイロの作成 発熱反応について理解する。
14週 工場見学  実際の化学工場や食品工場を見学し、生物や化学の応用分野を理解する。
15週 確認テスト  今までの学習内容について確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験器具(電子天秤やガラス器具など)を目的と精度に応じて選択し正しく使うことができる。1後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
試薬(粉体及び液体)の取扱いができる。1後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(物理実験と共通)1後3,後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷など)を説明できる。1後1,後2,後3,後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(物理実験と共通)1後1,後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
実験結果を表やグラフなどに見やすく整理できる。1後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(物理実験と共通)1後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(物理実験と共通)1後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野(実験・実習能力)化学・生物系分野(実験・実習能力)使用する試薬の危険性を理解し、適切に取り扱うことができる。1後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
実験廃液の分類方法を理解し、適切に処理できる。1後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
安全を意識して実験に取り組み、災害時の対応について説明できる。1後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
実験の目的・理論・操作方法を説明できる。1後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験データを正しく取り扱うことができる。1後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
適切な構成と文章でレポートを作成できる。1後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
適切な実験装置を組み立て、合成反応ができる。1後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13
物質の単離又は精製ができる。1後8,後11,後12,後13
収率の計算ができる。1後8,後11,後12,後13
適切な方法を用いて定性及び定量分析ができる。1後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
各種の機器・装置を用いて、物質(材料)の構造解析、試料観察、物性測定、定量分析、定性分析等を行うことができる。1後1,後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
適切な器具を用いて各種の物性値を測定し、得られたデータを解析できる。1後1,後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
微生物の分離、培養、観察を行うことができる。1後1,後7,後10,後11,後12,後13
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。1後1,後7,後10,後11,後12,後13
酵素の活性を定量的又は定性的に調べることができる。1後1,後7,後10,後11,後12,後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000