概要:
生物応用化学関連の代表的な商品であるレトルト食品を要素技術に分解し,なぜレトルトは長期にわたって保存が可能か,その殺菌方法,品質管理はどのようにおこなわれているのか,レトルト容器の材料と成型方法,レトルト食品製造に用いられている工程制御技術や製品管理技術について詳しく解説する。したがって,本授業は,レトルト食品が,多くの技術蓄積により成り立っていることを理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
この授業は,レトルト食品という実際の商品を題材にとり進められる。学生にとって,教科書を用いない授業は初めての経験であり,戸惑うかも知れないが,実学(実際に社会の役に立つ学問)のおもしろさを味わって欲しい。また,工学的,技術的に非常に高度な内容になっているため,各講義を完璧に理解することは無理と思われるが,技術的深みに酔って欲しい。もちろん,講義はカラー図表を多用し,できる限り平易な言葉を用いて分かりやすく解説し,学生の興味を起こさせるような授業の進め方を心掛ける。また,この講義は,生物応用化学科全教員によるオムニバス形式でおこなわれる
注意点:
授業終了時に示す課題についてレポートを作成すること。
評価の方法
各講義の小試験または課題レポートによる採点結果(各100点満点)を合計して,平均点(100点満点)を算出する。出席時の未提出レポートがある場合は総合評価ができないので,必ずすべての回のレポートを提出すること。(ただし,公欠は除く。)欠席の回はレポート提出を求めないが,その回をゼロ点として全体を平均する。また,遅れて提出されたレポートは,60点を満点(40点減点)として採点する。
評価基準:60点以上を合格とする
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 2 | 前6,前7 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 2 | 前6,前7 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 2 | 前3,前5 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 2 | 前5 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 2 | 前5 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 1 | 前5 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 2 | 前5 |
水の状態変化が説明できる。 | 2 | 前5 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 2 | 前5 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 2 | 前11 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 2 | 前11 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 2 | 前5 |
同位体について説明できる。 | 2 | 前5 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 2 | 前5 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 1 | 前5 |
イオン結合について説明できる。 | 1 | 前5 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 1 | 前5 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 1 | 前9 |
金属の性質を説明できる。 | 1 | 前9 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 1 | 前3,前7 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 1 | 前3 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 1 | 前3,前5 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 1 | 前3,前5 |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 1 | 前6,前7 |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 1 | 前6,前7 |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 1 | 前6,前7 |
化学工学 | 物質の流れと物質収支についての計算ができる。 | 1 | 前11 |
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。 | 1 | 前11,前13 |
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。 | 1 | 前11,前13 |
基礎生物 | 代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 1 | 前4 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 1 | 前4 |
生物化学 | 単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 1 | 前4,前12 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 1 | 前4,前12 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 1 | 前4,前12 |
解糖系の概要を説明できる。 | 1 | 前2,前4 |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 1 | 前2,前4 |
生物工学 | 微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 1 | 前2 |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 2 | 前12,前15 |