基礎有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 基礎有機化学Ⅰ
科目番号 2C12 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:荒井貞夫著,「工学のための有機化学[新訂版]」,サイエンス社。参考書:「マクマリー有機化学上・中・下」,東京化学同人。「ウォーレン有機化学上・下」,東京化学同人。「ストライトウィーザー有機化学解説上・下」廣川書店 他
担当教員 渡邊 勝宏

到達目標

1.原子の構造・電子配置,化学結合を理解する.
2.有機化合物の構造を立体的視点で理解する.
3.有機反応における電子の動きを理解する. 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造・電子配置,化学結合が十分理解できる.原子の構造・電子配置,化学結合が理解できる.原子の構造・電子配置,化学結合が理解できない.
評価項目2有機化合物の構造を立体的視点で十分理解できる.有機化合物の構造を立体的視点で理解できる.有機化合物の構造を立体的視点で理解できない.
評価項目3有機反応における電子の動きを十分理解できる.有機反応における電子の動きを理解できる.有機反応における電子の動きが理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
有機化合物の化学構造,物理的・化学的性質を官能基の性質に分類し系統的に学習し,より専門的な有機化学を学ぶための基礎知識を養う. 
授業の進め方・方法:
基本的な座学スタイルで授業を進める.分子の構造や名称等ある程度暗記もいたし方ないが.丸暗記に頼っていては理解は深まらない.有機反応の電子の流れ(有機電子論・有機反応機構)の基礎を体得し,高学年開講の応用科目につなげていく必要がある.有機化学は生物化学系・応用化学系必須の学問であるという認有機化学は生物化学系・応用化学系必須の学問であるという認識を持ってほしい.授業で学んだ内容は,反復的に自学自習されることを推奨する.識を持ってほしい.授業で学んだ内容は,反復的に自学自習されることを推奨する.
注意点:
定期試験(中間試験40%+期末試験60%)で評価する.再試験は必要に応じて実施する.60点以上を修得とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション,有機化合物の構造と結合(1)-原子の電子配置-  原子の構造と電子軌道,電子配置について理解する
2週 有機化合物の構造と結合(2)-イオン結合と共有結合,結合の分極と電気陰性度-  化学結合(イオン結合,共有結合,配位結合)について理解する
3週 有機化合物の構造と結合(3)-ルイス構造式、共鳴-  ルイス構造式と電子対の動き(まがった矢印の使い方)を理解する
4週 有機化合物の構造と結合(4)-炭素の混成軌道(1)-  分子軌道と炭素の混成軌道(SP3混成)について理解する
5週 有機化合物の構造と結合(5)-炭素の混成軌道(2)-  炭素の混成軌道(SP2,SP混成)について理解する
6週 アルカン・シクロアルカン(1)-アルカンの命名法,アルカンの構造と立体配座-  IUPAC命名法に準じたアルカンの命名法を理解する
7週 アルカン・シクロアルカン(2)-アルカンの反応-  アルカンの反応(ラジカル置換反応)について理解する
8週 中間まとめ 
4thQ
9週 アルカン・シクロアルカン(3)-シクロアルカンの命名法,シクロアルカンの構造と性質- シクロアルカンとその誘導体の命名法について理解する
10週 アルカン・シクロアルカン(4)-シクロアルカンの立体配座-  シクロアルカンの立体配座について理解する
11週 アルケンと共役ジエン(1)-アルケンの命名法,アルケンの構造とシス-トランス異性-  IUPAC命名法に準じたアルケンの命名法,アルケンの構造について理解する
12週 アルケンと共役ジエン(2)-アルケンの合成,アルケンの反応(1)- 求電子付加反応について理解する
13週 アルケンと共役ジエン(3)-アルケンの反応(3)-  求電子付加反応について理解する
14週 アルケンと共役ジエン(4)-アルケンの反応(4)-  求電子付加反応について理解する
15週 アルケンと共役ジエン(5)-共役ジエンの性質と反応-  共役ジエンの構造,性質と反応性について理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。2
σ結合とπ結合について説明できる。2
混成軌道を用い物質の形を説明できる。2
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。2
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。2
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。2
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。2
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。2
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。2
無機化学電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000