人文社会科学探求1

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 人文社会科学探求1
科目番号 3C02 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 特に用いない。適宜参考となる文献を提示する。
担当教員 大家 慎也

到達目標

1.応用倫理学における概念や議論について、正確かつ十分な説明をあたえることができる。
2.学習内容を自分自身の生活に適用し、適切な具体例を考えることができる。
3.学習内容を踏まえ(もしくは批判的に受け止め)、自分自身や社会のあり方について、自らテーマを見つけて、十分に説得力のあるかたちで考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11.応用倫理学における概念や議論について、正確かつ十分な説明をあたえることができる。1.応用倫理学における概念や議論について、必要最低限の説明をあたえることができる。1.応用倫理学における概念や議論について、説明することができない。
評価項目22.学習内容を自分自身の生活に適用し、適切な具体例を考えることができる。2.学習内容を自分自身の生活に適用し、具体例を考えることができる。2.学習内容を自分自身の生活に適用し、具体例を考えることができない。
評価項目33.学習内容を踏まえ(もしくは批判的に受け止め)、自分自身や社会のあり方について、自らテーマを見つけて、十分に説得力のあるかたちで考察することができる。3.学習内容を踏まえ(もしくは批判的に受け止め)、自分自身や社会のあり方について、自らテーマを見つけて一定の考察ができる。3.学習内容を踏まえ(もしくは批判的に受け止め)、自分自身や社会のあり方について、考察することができない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー 4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
■私たちは普段の生活のなかで、善いことや悪いことを体験したり見聞きしています。身の回りで、もしくはテレビやインターネットで、こうしたことに触れない日はありません。しかし何が善く、何が悪いのか、自分自身で考えなければならない状況に置かれたとき、私たちはしばしば途方に暮れてしまいます。そうしたとき私たちはどのように考え、行動することができるのでしょうか。
■この授業では、応用倫理学という学問のアプローチを学習します。応用倫理学とは現実世界の具体的な様々な事柄について倫理学的に(すなわちその善悪を)徹底的に考え抜く学問です。とりわけ本授業では、環境、生命、ロボット、情報といった諸テーマを取りあつかいます。こうしたテーマを学習することで、そこで提示されている視点と方法論を理解し、それを批判的に検討して自分自身のものの見方や考え方を発展させてゆきます。
■各回には講義の主題となる問いが設定されています。各回終了時点で、各々の学生が自分なりにその問いに回答できるように授業が設計されています。とりわけ具体的な事例に基づいて考察することを心がけます。倫理学的思考が必要とされる問題状況や困難な状況について担当教員が適宜具体例を提示するほか、学生も主体的に自身の生活を振り返って具体例に基づいて考察します。
授業の進め方・方法:
■事前学習について
・本授業は事前学習が必須です。
・教員は毎回の授業の最後に一枚のプリントを学生に配布して次回授業までに取り組むよう指示します。学生は、配布されるワークシートの設問に回答して授業に臨んでください。
■授業について
・授業は大きく分けて二つのパートからなります。まず、教員が各回の重要なテーマについて講義をおこないます。次に、ワークシートを用いたグループワークをおこないます。
■事後学習
・授業後、学生はワークシートを持ち帰り、これを事後学習および中間・期末試験対策に役立てます。
注意点:
■成績評価その他
(1)点数配分:平常点(グループワーク)60%、中間・期末試験合計40%
(2)評価基準:60点以上を合格とする  
(3)再  試:再試は行わない
(4)学修単位:本科目は学修単位であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す
■中間・期末試験について
・資料持ち込み不可です。授業内で扱ったことを確認します。
■欠席について
・欠席者分の配布資料は保管しません。欠席時はクラスメートにコピーさせてもらってください。
・授業を欠席すると平常点がありません(公欠の場合も同様)。公欠の場合は連絡すること。代替措置があります。また、グループワークに参加しない者(睡眠する、また討論に参加しないなど)は欠席とみなします。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション 授業方針の説明 授業を受けるにあたっての基礎的な知識を得る。授業方針を理解する。
2週 環境倫理
「温暖化を止めるために地球を改造するってアリですか?」
人新世、ジオエンジニアリングなどの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
3週 ロボット倫理
「ロボットと恋愛するってアリですか?」
ロボットの行為者性、被行為者性などの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
4週 出生前診断の倫理
「あなたは出生前診断技術を活用しますか?」
(新型)出生前診断などのなどの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
5週 ナッジの倫理
「選択肢を操作されることは不快ですか?」
ナッジやリバタリアン・パターナリズムなどの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
6週 ルッキズムの倫理
「外見が能力ないし資産となるのはアリですか?」
ルッキズムなどの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
7週 生命倫理
「安楽死、尊厳死をみとめるべきでしょうか?」
安楽死、尊厳死などの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
8週 中間試験
2ndQ
9週 エンハンスメントの倫理
「より優れた人間になるために薬や手術に頼ることってアリですか?」
エンハンスメントなどの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
10週 プライヴァシーの倫理
「防犯カメラで常に監視されてたら犯罪も起こらない! 賛成ですか反対ですか?」
監視、プライヴァシーなどの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
11週 人工知能(AI)の倫理
「AIに手伝ってもらって善いことをするってアリですか?」
AIモラルエンハンスメントなどの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
12週 行動嗜癖の倫理
「ハマるゲームをつくることは操作みたいで危ない! 賛成ですか反対ですか?」
行動嗜癖などの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
13週 ゲノム情報の倫理
「自分や他人のゲノム情報を活用したらいろいろ捗る! 賛成ですか反対ですか?」
ゲノム情報、遺伝子差別などの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
14週 情報コミュニケーション倫理
「スマホだと温もりある人間関係が育たない! 賛成ですか反対ですか?」
コミュニケーション理論などの考え方を理解する。自分の意見をディスカッションを通じて深める。
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40600000100
基礎的能力2030000050
専門的能力0000000
分野横断的能力2030000050