到達目標
1.行列,およびベクトルに関する基礎知識の定着.
2.1次独立・1次従属の判定ができる.
3.階数を用いて,連立方程式の解の存在を判定できる.
4.直交行列を用いて,対称行列の対角化ができる.
5.基礎的な微分方程式が解ける.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 線型代数 | 具体的な計算が着実にでき,抽象的な議論ができる. | 定義を理解し,標準的な計算ができる. | 定義を理解せず,計算もできない. |
評価項目2 微分方程式 | 複雑な微分方程式を簡単なものに帰着して解を求められる. | 典型的な微分方程式が解ける. | 簡単な微分方程式が解けない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
この授業は,線型代数の基礎と微分方程式の解法を身に着けることを目的とする.いずれの項目も工学を習得するためには必須のものである.具体的な計算方法が身につくことが第一であるが,その計算法の背後にある理論を体得し,工学の問題に応用するために必要な能力を獲得することも視野に入れた授業であることを強調しておきたい.
授業の進め方・方法:
授業は通常の講義形式で進める.前半は線型代数,後半は微分方程式についての講義である.
前後期の第1週目、第8週目、第15週目以外は、すべての週で小テストを行う.
わかりやすい解説を心がけるが,既習の内容よりも一段と高度な内容であり,また授業の進度も速くなるため,自宅での継続的な学習がなされなければならない.
注意点:
(定期試験4回の平均点)×0.5+(小テスト等の評価点の平均)×0.5の合計100点で評価する.
60点以上を合格とする.
定期試験の再試験は行わない.
【小テストの注意点】
・小テストは授業の最初に行う.
・公欠2回につき小テスト2回分の追試験を行う.(例:5回公欠の場合,4回分の再試験を行い,1回分は必要受験回数に含めない)
・小テストの追試験は本人からの申出があった場合のみ行う.申出がない場合は,2回の公欠につき,2回分の小テストの点数が0点になる.(申出は、2回目の公欠日から次の授業日の前日までとする.)
・遠隔授業になった場合,その分の小テストは対面授業が再開する初めの授業で,遠隔授業回数分の小テストを行う.
・小テストの評価点は,(努力点3点)+(小テストの点数)×0.7の10点満点で評価する.出席と欠席では、小テストの点数が同じ0点であっても評価点は異なることに注意する.
・小テストを受験することにより、出席の扱いとする.小テストを受験しなければ欠席とする.早退する場合は,事前に申告すること.
【それ以外の注意点】
・次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと.
・スマートフォン,タブレット端末,パソコン等の通信機器の目的外使用はしないこと.目的外使用を発見した場合,その回の小テストの評価点を0点にする.
・授業中に食べ物を食べることを禁止とする.
・教員の説明中の私語は禁止とする.
・各自,欠席・遅刻・早退回数に注意する.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス・連立同次1次方程式 |
連立同次1次方程式が解ける.
|
2週 |
1次独立と1次従属 |
複数のベクトルが1次独立であるか,1次従属であるかを判定できる.
|
3週 |
行列式の復習 |
行列式を用いて,ベクトルの1次独立性を判定できる.
|
4週 |
連立1次方程式の解と階数1 |
連立1次方程式の解と拡大係数行列,係数行列の階数の関係を理解する.
|
5週 |
連立1次方程式の解と階数2 |
連立1次方程式を拡大係数行列の行基本変形を用いて解ける.
|
6週 |
基本変形と1次独立性 |
基本変形を用いて、1次独立性が判定できる.
|
7週 |
確認テスト1 |
前期第1週目から第7週目までの復習(60分のテスト)
|
8週 |
問題演習1 |
前期第1週目から第7週目までの復習
|
2ndQ |
9週 |
固有値と固有ベクトル |
行列の固有値,固有ベクトルを求められる.
|
10週 |
対角化1 |
行列の対角化(2×2)ができる.
|
11週 |
対角化2 |
行列の対角化(3×3)ができる.
|
12週 |
対角化の応用 |
Aのn乗を求めることができる.
|
13週 |
対称行列,直交行列 |
対称行列,直交行列の定義を理解する. 対称行列を直交行列で対角化ができる.
|
14週 |
確認テスト2 |
前期第9週目から第14週目までの復習(60分のテスト)
|
15週 |
問題演習2 |
前期第9週目から第14週目までの復習
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス・微分方程式の解 |
微分方程式とは何か,その解とは何かを知る.
|
2週 |
変数分離形(1) |
変数分離形の微分方程式が解ける.
|
3週 |
変数分離形(2) |
やや複雑な変数分離形の微分方程式が解ける.
|
4週 |
変数分離形(3) |
置き換えを利用した変数分離形の微分方程式が解ける.
|
5週 |
同次形 |
同次形の微分方程式が解ける.
|
6週 |
1階線型微分方程式 |
1階線型微分方程式が解ける.
|
7週 |
完全微分形 |
完全微分形の微分方程式が解ける.
|
8週 |
問題演習3 |
後期第1週目から第7週目までの復習
|
4thQ |
9週 |
いろいろな線型微分方程式(1) |
線型微分方程式のさまざまなパターンを知る.
|
10週 |
いろいろな線型微分方程式(2) |
やや複雑な線型微分方程式が解ける.
|
11週 |
定数係数線型微分方程式(1) |
定数係数線型微分方程式の基本的な解法を知る.
|
12週 |
定数係数線型微分方程式(2) |
定数係数線型微分方程式の解の形を知り,実際に解を求めることができる.
|
13週 |
定数係数線型微分方程式(3) |
線形微分方程式の特殊解がどのような式で与えられるかを知る.
|
14週 |
定数係数線型微分方程式(4) |
微分方程式を用いて,応用問題が解ける.
|
15週 |
問題演習4 |
後期第9週目から第14週目までの復習
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | 後5,後6 |
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | 後11,後12,後13,後14 |
評価割合
| 試験 | 小テスト等 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 40 | 80 |
専門的能力 | 10 | 10 | 20 |