1. 原子構造と原子軌道、量子数の関係が説明できる。
2. 有効核電荷が理解でき、原子軌道のエネルギー分裂が説明できる。
3. ルイス構造を書くことができ、これに基づき化合物の反応性を予想することができる。
4. VB法、VSEPR則により分子の形を説明できる。
5. σ結合とπ結合をVB法により説明でき、それぞれの特徴から反応などに結び付けて考えることができる。
6. 原子軌道を用いて原子の電子配置を書くことができる。
7. 化学結合(共有結合やイオン結合等)について説明することができ、これらの結合の特徴を考えることができる。
概要:
化学結合論の基本原理である原子軌道、分子軌道、混成軌道について学習し、原子同士を結びつける「化学結合」を理解する。
授業の進め方・方法:
教科書とTeamsを併用し、授業内容を黒板に記載してそれらについて説明する。
理解力を深めるために適宜演習を行う。
関連科目: 有機化学、有機金属化学、無機化学、化学I
注意点:
中間試験と期末試験をそれぞれ50点ずつで評価し、全体で60点以上を合格とする。
再試験は原則として実施しない(試験当日欠席者に対する追試験は実施する)。
次回の講義の各単元ごとに専門用語及びその意味を予習しておくこと。
本科目は学修単位であるので、授業時間以外での学修が必要である。
出席点及び課題点は原則として成績の評価項目には入れないが、中間・期末試験の合計が合格点にわずかに満たない者(50点以上60点未満)に対しては、すべての授業に出席し、なおかつ課題をすべて提出した場合の持ち点を10点として、実際の出席回数と課題の提出回数に応じて点数を加える。
なお、代返等の行為が見受けられた場合は、追試験は公欠認定者に対してのみ実施し、中間・期末試験の結果のみで成績を評価する。また、課題のすべての設問に対して無回答での提出は課題点にカウントしない。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、授業の進め方及び成績の評価の仕方について 原子の構造 |
古典力学によりボーアの式を導ける。
|
2週 |
電子の波動性とオービタル |
ドブロイの式により電子の粒子性と波動性を関連づけられる。
|
3週 |
波動関数の意味と原子軌道(AO) |
量子数とオービタルの概形を関連づけられる。
|
4週 |
遮蔽・有効核電荷・電子配置 |
原子軌道のエネルギー分裂を理解し、AOを使い原子の電子配置を描ける。 Slaterの規則から有効核電苛を計算できる。
|
5週 |
イオン化エネルギーと電子親和力 |
イオン化エネルギーと電子親和力の周期表の傾向を説明できる。
|
6週 |
電気陰性度と分子の極性 |
いくつかの電気陰性度の定義と計算の仕方について説明できる。 電気陰性度と分子の極性の関係について説明できる。
|
7週 |
共有結合とイオン結合 |
結合のイオン性を計算できる。
|
8週 |
中間まとめ |
上記項目について、中間試験で60%以上の正解ができる。
|
2ndQ |
9週 |
分子のルイス式 |
分子のルイス構造が描ける。
|
10週 |
原子価結合法(VB法)1 |
VB法における結合を理解し、代表的な分子の結合を説明できる。
|
11週 |
原子価結合法(VB法)2 |
昇位と混成について説明できる。
|
12週 |
原子価結合法(VB法)3 |
超原子価化合物のπ結合を説明できる。
|
13週 |
分子の構造: 原子価殻電子対反発則(VSEPR則) 分子の形と非共有電子対: VSEPR則の修正 |
VSEPR則から代表的な分子の形を説明できる。 電子対反発による分子構造の修正ができる。
|
14週 |
水素結合・金属結合・分子間力 |
自由電子と金属結合が説明でき、ここから金属の性質について考えることができる。 水素結合により水の特異性について説明できる。
|
15週 |
前期まとめ |
上記項目について、期末試験で60%以上の正解ができる。
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学 | 化学 | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 1 | 前14,前15 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | 前1,前8,前15 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 2 | 前1,前8,前15 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前1,前8,前15 |
同位体について説明できる。 | 2 | 前1,前8,前15 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前1,前2,前8,前9,前15 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前3,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前15 |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | 前5,前6,前8,前15 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前5,前6,前8,前15 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前1,前3,前5,前6,前8,前9,前15 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前1,前4,前5,前6,前8,前15 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | 前5,前6,前7,前8,前15 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前7,前8,前15 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 2 | 前7,前8,前15 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前15 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12,前13,前15 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 1 | 前14,前15 |
金属の性質を説明できる。 | 1 | 前14,前15 |
原子の相対質量が説明できる。 | 2 | 前1,前8,前15 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 2 | 前1,前8,前15 |
イオン化傾向について説明できる。 | 1 | 前5,前8,前15 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 1 | 前5,前8,前15 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | 前7,前8,前10,前11,前12,前15 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13,前15 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 4 | 前9,前15 |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | 前12,前15 |
無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | 前3,前8,前15 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | 前3,前8,前15 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 前3,前8,前15 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前8,前9,前15 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前8,前15 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | 前5,前6,前8,前15 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | 前7,前8,前15 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 前9,前15 |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | 前14,前15 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 3 | 前10,前11,前12,前13,前15 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13,前15 |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | 前7,前8,前9,前12,前14,前15 |
水素結合について説明できる。 | 4 | 前14,前15 |