酸塩基化学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 酸塩基化学
科目番号 3C09 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:モダン・ケミストリー 酸と塩基、バンダー・ワーフ 著、桐栄恭二 訳、共立出版。参考書:化学サポートシリーズ 酸と塩基、水町邦彦 著、裳華房
担当教員 石井 努

到達目標

1.アレニウス、ブレンステッド・ロウリー、及びルイスの酸塩基が理解できる。
2.配位結合の性質及び錯化合物の性質と反応性を理解できる。
3.化学反応を酸塩基の概念で理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸塩基の概念を理解し、化学構造との相関を十分理解できる酸塩基の概念を理解できる酸塩基の概念を理解できない
評価項目2錯体構造を酸塩基の概念で解釈し、錯体の酸塩基反応の進行方向を予想できる酸塩基としての錯体の性質と反応性を理解できる酸塩基としての錯体の性質と反応性を理解できない
評価項目3酸塩基の概念で有機反応を解釈し、有機反応進行の有無を理解できる酸塩基の概念で、有機反応を解釈できる酸塩基の概念で、有機反応を解釈できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
共有結合化合物の構造と化学反応性との関連の基礎的な概念を、酸塩基の考え方を用いて学ぶ。酸と塩基の概念をルイスの定義まで拡張し、配位結合の性質を理解し、錯化合物の性質と反応性を学習する。
授業の進め方・方法:
教科書とプリントを併用し、授業内容を白板に投射及び黒板に記載して、それらについて説明する。
理解力を深めるために、適宜演習を行う。
注意点:
すでに受講している関連科目(一般化学、分析化学、無機化学、有機化学)の基礎知識を必要とする。
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。
中間試験(50%)と期末試験(50%)から評価する。再試験は必要に応じて行う。評価基準:60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 共有結合より見た化学反応の分類 一般的な化学が、酸塩基反応に分類されることを認識する
2週 アレニウスの酸塩基の定義 アレニウスの酸塩基の定義を理解するとともに、本定義の限界を認識する
3週 ブレンステッド・ロウリーの酸塩基の定義 ブレンステッド・ロウリーの酸塩基の定義を理解する
4週 酸塩基の強さ(酸・塩基解離定数) 酸・塩基解離定数の絶対値より、酸及び塩基の強さを理解できる
5週 酸性度、塩基性度および構造 酸及び塩基の構造と、酸性度及び塩基性度との相互関係を理解できる
6週 電荷分散の原則 電荷分散の原則を理解し、酸性度及び塩基性度の解釈に繋げる
7週 共鳴と酸性度および塩基性度 共鳴による酸及び塩基の安定化を理解し、酸性度および塩基性度の解釈に繋げる
8週 中間まとめ 上記内容の理解を確認し、後半の授業に繋げる
4thQ
9週 ルイスの酸塩基の定義 ルイスの酸塩基の定義を理解できる
10週 ルイス酸、ルイス塩基の分類と反応 ルイス酸及びルイス塩基を分類し、反応を理解できる
11週 硬い酸塩基、軟らかい酸塩基の分類 硬い酸塩基、軟らかい酸塩基の概念を理解できる
12週 硬い酸塩基、軟らかい酸塩基の反応 硬い酸塩基、軟らかい酸塩基の概念に基づき、酸塩基反応を理解できる
13週 酸塩基の概念による有機反応の理解(1) 有機反応を酸塩基の概念で解釈できる
14週 酸塩基の概念による有機反応の理解(1) 有機反応を酸塩基の概念で解釈できる
15週 まとめ 酸塩基の理解度を確認する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)原子のイオン化について説明できる。3後1,後2,後9
代表的なイオンを化学式で表すことができる。4後1,後2,後9
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3後1,後2,後9
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3後1,後2,後9
イオン式とイオンの名称を説明できる。3後1
イオン結合について説明できる。3後1
イオン結合性物質の性質を説明できる。3後1
共有結合について説明できる。3後1
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3後1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後2,後9
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。4後3,後4,後5,後7
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。4後2,後9
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後4
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後4
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学σ結合とπ結合について説明できる。2後1,後13,後14
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4後1,後13,後14
共鳴構造について説明できる。4後1,後6,後14
無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。3後1
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3後2,後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力400000040
分野横断的能力100000010