基礎有機化学2

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 基礎有機化学2
科目番号 3C10 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:荒井貞夫著,「工学のための有機化学」,サイエンス社。富岡秀雄他著,「有機化学の基本」,化学同人。参考書:「マクマリー有機化学上・中・下」,東京化学同人「ウォーレン有機化学上・下」,東京化学同人「ストライトウィーザー有機化学解説上・下」,廣川書店 他
担当教員 渡邊 勝宏

到達目標

1.原子の構造・電子配置,化学結合を理解する.
2.有機化合物の構造を立体的視点で理解する.
3.有機反応における電子の動きを理解する. 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造・電子配置,化学結合が十分理解できる.原子の構造・電子配置,化学結合が理解できる.原子の構造・電子配置,化学結合が理解できない.
評価項目2有機化合物の構造を立体的視点で十分理解できる.有機化合物の構造を立体的視点で理解できる.有機化合物の構造を立体的視点で理解できない.
評価項目3有機反応における電子の動きを十分理解できる.有機反応における電子の動きを理解できる.有機反応における電子の動きが理解できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化合物の化学構造,物理的・化学的性質を官能基の性質に分類し系統的に学習し,より専門的な有機化学を学ぶための基礎知識を養う. 
授業の進め方・方法:
基本的な座学スタイルで授業を進める.分子の構造や名称等ある程度暗記もいたし方ないが.丸暗記に頼っていては理解は深まらない.次回の授業範囲を予習し,専門用語の意味等を理解しておくとともに,授業で学んだ内容は,反復的に自学自習されることを推奨する.有機反応の電子の流れ(有機電子論・有機反応機構)の基礎を体得し,高学年開講の応用科目につなげていく必要がある.有機化学は生物化学系・応用化学系必須の学問であるという認識を持ってほしい.
注意点:
1.次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと
2.定期試験(中間試験40%+期末試験60%)で評価する.再試験を行う.60点以上を合格とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基礎有機化学Ⅰ内容復習
2週 アルキン(1)-アルキンの命名法,アルキンの構造- IUPAC命名法に準じたアルキンの命名法を理解する
3週 アルキン(2)-アルキンの合成,アルキンの反応-  アルキンの求電子付加反応について理解する
4週 芳香族化合物(1)-ベンゼン誘導体の命名法- ベンゼン及びその誘導体の命名及び構造を理解する
5週 芳香族化合物(2)-ベンゼンの安定性と構造- ベンゼンの安定性と構造について理解する
6週 芳香族化合物(3)-求電子置換反応(1)-  求電子置換反応について理解する
7週 芳香族化合物(4)-求電子置換反応(2)-  求電子置換反応について理解する
8週 中間まとめ 
2ndQ
9週 立体化学入門(1)-エナンチオマー-  鏡像異性体(エナンチオマー)について理解する
10週 立体化学入門(2)-立体配置の表示法-  立体配置の決定法について理解する
11週 立体化学入門(3)-ジアステレオマーとメソ化合物-  ジアステレオマーとメソ化合物について理解する
12週 ハロゲン化アルキル(1)-ハロゲン化アルキルの命名法,ハロゲン化アルキルの合成-  ハロゲン化アルキルの命名法,ハロゲン化アルキルの合成について理解する
13週 ハロゲン化アルキル(2)-ハロゲン化アルキルの求核置換反応(1)-  SN2反応について理解する
14週 ハロゲン化アルキル(3)-ハロゲン化アルキルの求核置換反応(2)-  SN1反応について理解する
15週 ハロゲン化アルキル(4)-脱離反応,有機金属試薬-  E2,E1脱離反応,有機金属試薬について理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。3前1,前8
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3前1,前2,前4,前8,前9,前12
σ結合とπ結合について説明できる。3前1,前2,前5,前8,前15
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3前1,前2,前5,前8
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3前1,前2,前5,前8,前12
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3前1,前2,前5,前8,前15
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3前1,前8,前12
共鳴構造について説明できる。3前1,前5,前6,前8
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前1,前2,前8
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4前1,前5,前6,前7,前8
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3前1,前8,前9,前10,前11
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3前1,前8,前9,前10,前11
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3前1,前8,前9,前10,前11
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前6,前7,前8,前12,前13,前14,前15
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3前1,前3,前6,前8,前13,前14,前15
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。3前3,前6,前7,前8,前13,前14,前15
反応機構に基づき、生成物が予測できる。3前3,前6,前7,前8,前13,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000