有機金属化学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 有機金属化学
科目番号 4C09 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 有機金属化学ノーツ、伊東卓 著、裳華房。参考書: 有機金属反応剤ハンドブック、玉尾皓平 著、化学同人
担当教員 石井 努

到達目標

1.金属元素が関与する有機合成知識を習得する。
2.触媒反応の基礎知識を理解できる。
3.有機金属錯体の触媒作用を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1典型金属元素が関金属元素が関与する有機合成知識を十分理解できる。金属元素が関与する有機合成知識を理解できる金属元素が関与する有機合成知識を理解できない
評価項目2触媒反応の基礎知識を十分理解できる触媒反応の基礎知識を理解できる。触媒反応の基礎知識を理解できない
評価項目3有機金属錯体の触媒作用を十分説明できる有機金属錯体の触媒作用を説明できる有機金属錯体の触媒作用を説明できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
金属が関与する有機反応について学ぶ。典型金属が関与する有機合成反応、及び有機金属錯体が関与する有機触媒反応を理解することを目的としている。
授業の進め方・方法:
教科書とプリントを併用する。授業内容を白板に板書し、またはプロジェクターで投射して、それらについて説明する。
有機反応機構を理解するために、反応の説明では電子移動を矢印で示す。
有機金属化合物の触媒作用を理解するために、触媒サイクルによる説明を行う。
理解力を深めるために、毎回小テストを行う。更に、適宜演習を行う。
注意点:
すでに受講した関連科目(無機化学、有機化学)の基礎知識を必要とする。
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。
中間試験(40%)と期末試験(40%)及び小テスト・演習(20%)から評価する。再試験は必要に応じて行う。評価基準:60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション-有機金属試薬 有機金属試薬を知る
2週 有機マグネシウムの反応 有機マグネシウムの反応を理解する
3週 有機リチウムの反応 有機リチウムの反応を理解する
4週 有機亜鉛、有機アルミニウムの反応 有機亜鉛、有機アルミニウムの反応を理解する
5週 有機ケイ素化合物の反応 有機ケイ素化合物の反応を理解する
6週 有機リン化合物の反応 有機リン化合物の反応を理解する
7週 有機ホウ素化合物の反応 有機ホウ素化合物の反応を理解する
8週 前半のまとめ 上記内容の理解度を確認し、前期後半授業に繋げる
2ndQ
9週 遷移金属錯体と触媒作用 遷移金属錯体とその触媒作用を知る
10週 有機遷移金属錯体の構造-d軌道、18電子則、配位子 有機遷移金属錯体の構造を理解する
11週 触媒サイクル1-配位 触媒サイクルにおける配位過程を理解する
12週 触媒サイクル2-挿入 触媒サイクルにおける挿入過程を理解する
13週 触媒サイクル3-酸化的付加と還元的脱離 触媒サイクルにおける酸化的付加と還元的脱離過程を理解する
14週 触媒サイクル4-求電子・求核攻撃と金属交換 触媒サイクルにおける求電子・求核攻撃及び金属交換過程を理解する
15週 全体のまとめ 有機金属を用いた触媒反応の理解度を確認する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3前1
σ結合とπ結合について説明できる。3前1
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3前1
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3前1
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3前1
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3前1
共鳴構造について説明できる。3前1
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3前2,前3,前4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3前2,前3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前2,前3,前6,前7
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3前2,前3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
重合反応について説明できる。3前11,前12
無機化学錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3前9,前10
配位数と構造について説明できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4前9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力400000040
分野横断的能力100000010