概要:
人間をはじめとする生物(微生物を含む)が有している生体物質やその役割を順を追って理解する。生体内に存在する有機化合物が、生体内でどのような役割で存在するかを、一部生体物質の取扱法も含めて系統的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って、講義を中心として行う。その基礎は「有機化学」、「酵素構造工学」であり、生体内における有機/無機化合物の構造と、その役割について学ぶ。
課題レポートは各授業終了後あるいは長期休暇中に出題し、各自解答の上提出する。授業内容の復習および補足が中心となる。
注意点:
2回の試験結果(中間試験(50 %), 期末試験(50 %))により評価する。
60点以上を合格とする。
再試験は必要に応じて行う。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | 後2 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 2 | 後2 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 2 | 後2 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 2 | 後2 |
基礎生物 | 酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 1 | 後2 |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 3 | 後6 |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 4 | 後6,後8 |
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。 | 4 | 後4,後5,後6,後7,後8,後13,後14 |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 4 | 後13,後14 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 3 | 後2 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 3 | 後2 |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
グリコシド結合を説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
多糖の例を説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 3 | 後2,後3 |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 2 | 後10,後11 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 3 | 後10,後11 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 2 | 後10,後11 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 2 | 後10,後11 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 2 | 後11 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 3 | 後10 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | 後8,後10,後11 |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 1 | 後2 |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 1 | 後3 |
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 1 | 後2 |
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。 | 4 | 後2,後3 |