代謝工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 代謝工学
科目番号 4C16 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:菅原二三男 監訳 マクマリー生物有機化学Ⅱ生化学編 丸善。参考図書:村尾澤夫・荒井基夫共編 応用微生物学 培風館
担当教員 笈木 宏和

到達目標

1.生体内の代謝反応が酵素反応の組み合わせでできていることを理解する。
2.代謝反応により生体内でエネルギーが生じる仕組みを理解する。
3.各種生理活性物質の合成、分解メカニズムについて理解する。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生体内の代謝反応が酵素反応の組み合わせでできていることを理解し、説明できる。生体内の代謝反応が酵素反応の組み合わせでできていることを理解する。生体内の代謝反応が酵素反応の組み合わせでできていることを理解できない。
評価項目2代謝反応により生体内でエネルギーが生じる仕組みを理解し、説明できる。代謝反応により生体内でエネルギーが生じる仕組みを理解する。代謝反応により生体内でエネルギーが生じる仕組みを理解できない。
評価項目3各種生理活性物質の合成、分解メカニズムについて理解し、説明できる。各種生理活性物質の合成、分解メカニズムについて理解する。各種生理活性物質の合成、分解メカニズムについて理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人間をはじめとする生物が有している代謝反応や生体反応を順を追って理解する。生体内に存在する有機化合物が、酵素の作用によりどのように変化するかについて系統的に学ぶ。 
授業の進め方・方法:
教科書に沿って、講義を中心として行う。その基礎は「生物」、「酵素構造/反応工学」であり、生体内における有機/無機化合物の生体触媒「酵素」の作用によりおこる「代謝反応」について学ぶ。
授業内容は生物有機化学IIとパラレルの形で行うため、受講時には注意のこと。
レポートおよびクイズは授業終了後に出題し、各自解答の上提出する。主に授業内容の復習および補足となる。
注意点:
2回の試験結果(中間試験(45 %), 期末試験(45 %))およびレポート・復習テスト(10 %)により評価する。
 60点以上を合格とする。
 再試験は必要に応じて行う。


授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 全体内容のガイダンスを行う
2週 酵素の性質I(酵素の触媒作用) 酵素の触媒作用に関して学ぶ
3週 酵素の性質II(酵素の特徴) 酵素の特徴について学ぶ
4週 水素伝達系、TCA回路 水素伝達系、TCA回路について学ぶ
5週 炭水化物の代謝I(解糖系、ATP生産量の計算) 解糖系およびそれに関連するATP生産量の計算について学ぶ
6週 炭水化物の代謝II(光合成、その他代謝経路など) 光合成反応やその他代謝経路について学ぶ
7週 難分解性化合物の代謝 難分解性化合物の代謝について学ぶ
8週 内容のまとめ 内容全体のまとめを行う
4thQ
9週 脂質の代謝I(脂質の分解、ATP生産量の計算) 脂質の分解、ATP生産量の計算について学ぶ
10週 脂質の代謝II(脂質の合成・生分解性プラスチックなど) 脂質の合成・生分解性プラスチックなどについて学ぶ
11週 窒素化合物の代謝I(尿素回路) 尿素回路について学ぶ
12週 窒素化合物の代謝II(アミノ酸の代謝、核酸の代謝) アミノ酸の窒素代謝について学ぶ
13週 各種代謝反応I(食品など) 食品などにおける代謝反応について学ぶ
14週 各種代謝反応II(食品など) 食品などにおける代謝反応について学ぶ
15週 内容の総まとめ 内容全体のまとめを行う
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4後2,後7
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4後2
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4後9,後10
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4後9,後10
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4後9,後10
基礎生物核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4後6
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4後6
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4後11
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4後2,後3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4後6
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4後12
生物化学タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4後2,後3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4後2,後3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後2,後3
解糖系の概要を説明できる。4後5
クエン酸回路の概要を説明できる。4後4,後9,後10
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後4,後5
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後4,後5
各種の光合成色素の働きを説明できる。4後6
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4後6
炭酸固定の過程を説明できる。4後6
生物工学アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4後5,後13,後14
食品加工と微生物の関係について説明できる。4後7,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力500000555
専門的能力400000545
分野横断的能力0000000