概要:
多くの化学分析の分野が機器分析に移行し、省力化、迅速化、高感度化等の点で機器分析法の占める役割が大きくなっている。本講義では、化学に携わる学生に必用な各種機器分析法の原理・用途・装置・検出データについて概説し、これらの使用法の理解及びデータ解析能力の修得を目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書とプリントを併用する。授業内容は、白板とパワーポイントを併用して説明する。
各種機器分析法の原理、用途、装置、検出データについて概説し、これらの機器分析の定性・定量・
構造同定における重要性と必要性を説明する。
適宜演習を加えて、各種機器分析データの解析を行う。
注意点:
すでに受講した関連科目(有機化学、物理化学、無機化学、分析化学)の基礎知識を必要とする。
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。
前期中間試験(25%)、前期期末試験(25%)、後期中間試験(25%)、後期期末試験(25
%)から評価する。再試験は必要に応じて行う。評価基準:60点以上を合格とする。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
各種機器分析の導入 |
各種機器分析を知る
|
2週 |
ガスクロマトグラフィー |
ガスクロマトグラフィーの原理を理解する
|
3週 |
高速液体クロマトグラフィー |
高速液体クロマトグラフィーの原理を理解する
|
4週 |
検量線によるクロマトグラム解析 |
検量線によるクロマトグラム解析ができる
|
5週 |
電気泳動 |
電気泳動の原理を理解し、生体分子の分析に応用できる
|
6週 |
電磁波と物質の相互作用 |
電磁波と物質の相互作用を理解する
|
7週 |
Lambert-Beerの法則 |
Lambert-Beerの法則を理解し、定量分析に応用できる
|
8週 |
中間まとめ |
上記内容の理解度を確認し、前期後半授業に繋げる
|
2ndQ |
9週 |
紫外・可視分光法 |
紫外・可視分光法の原理を理解し、スぺクトル解析能力を修得する。
|
10週 |
蛍光分光法 |
蛍光分光法の原理を理解し、スぺクトル解析能力を修得する。
|
11週 |
原子スペクトル分析 |
原子スペクトル分析を知る
|
12週 |
原子吸光分析 |
原子吸光分析の原理を理解し、定量分析に応用できる
|
13週 |
ICP発光分析 |
ICP発光分析の原理を理解し、定量分析に応用できる
|
14週 |
X線分析 |
X線分析の原理を理解し、データの解析能力を修得する
|
15週 |
前期まとめ |
前期内容の習得度を確認する
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
有機化合物の同定法 |
有機化合物の同定法を知る
|
2週 |
核磁気共鳴分光法(NMR) |
核磁気共鳴分光法(NMR)を知る
|
3週 |
NMRの基礎原理ーゼーマン分裂・核磁気共鳴・緩和 |
NMRの基礎原理の原理を理解する
|
4週 |
NMRによる構造同定1:化学シフト |
化学シフトによる構造同定ができる
|
5週 |
NMRによる構造同定2:スピンースピンカップリング |
スピンースピンカップリングによる構造同定ができる
|
6週 |
NMRによる構造同定3:積分 |
積分による構造同定ができる
|
7週 |
13C NMRと2次元NMR |
13C NMRと2次元NMRの原理を理解し、基礎知識を習得する
|
8週 |
中間まとめ |
上記内容の理解度を確認し、後半の授業に繋げる
|
4thQ |
9週 |
赤外分光法(IR)の基本原理 |
赤外分光法(IR)の基本原理を理解する
|
10週 |
IRによる構造同定(1) |
IRによる構造同定ができる
|
11週 |
IRによる構造同定(2) |
IRによる構造同定ができる
|
12週 |
質量分析法の基本原理 |
質量分析法の基本原理を理解する
|
13週 |
質量分析法による構造同定 |
質量分析法による構造同定ができる
|
14週 |
電子顕微鏡・プローブ顕微鏡 |
電子顕微鏡・プローブ顕微鏡の原理を理解し、データの解析能力を修得する
|
15週 |
後期まとめ |
後期内容の習得度を確認する
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 4 | 後12 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | 前1,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後13 |
無機化学 | 電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 3 | 前6 |
分析化学 | 光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 4 | 前6,前7,前9,前10,後9,後10,後11 |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 4 | 前7 |
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 4 | 前3 |
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。 | 4 | 前3,前11 |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 4 | 前2,前3,前5,後1,後2,後11,後13 |
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。 | 4 | 前2,前3 |
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 | 4 | 前4,前12,前13,前14,後14 |
物理化学 | 放射線の種類と性質を説明できる。 | 4 | 前14,後12,後14 |
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。 | 4 | 後12 |
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。 | 4 | 後12 |