物化・化工実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物化・化工実験
科目番号 4C23 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 教科書:自作プリント。参考書:橋本健治編、ベーシック化学工学、化学同人。後藤廉平編、物理化学実験法、共立図書。松本道明ら編、標準化学工学、化学同人。化学工学会編、化学工学便覧、丸善
担当教員 松田 貴暁,栫 隆彦,中島 めぐみ,我部 篤

到達目標

1.実測値と既往の実験式や理論式と比較して一致点や相違点を見出し、考察を進めて様々な現象や単位操作を深く理解し、説明できる能力を身に付ける。
2.技術レポートの書き方を身に付ける。
3.測定機器の取扱および測定技術を身に付ける。
4.チームで協力して実験を実施し,正確なデータを取得できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実測値と既往の実験式や理論式と比較して一致点や相違点を見出し、考察を進めて様々な現象や単位操作を深く理解し、説明できる能力を身に付けている。実測値と既往の実験式や理論式と比較して一致点や相違点を見出し、考察を進めることができる。実測値と既往の実験式や理論式と比較して一致点や相違点を見出し、考察を進めることができない。
評価項目2技術レポートの書き方を身に付けている。技術レポートの作成能力を有する。技術レポートの作成能力を有していない。
評価項目3測定機器の取扱および測定技術を身に付け、チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得できる。測定機器の取扱および測定技術を身に付け、チームで協力して実験を実施している。測定機器の取扱および測定技術を身に付け、チームで協力して実験を実施できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 物理学および数学的理論を基礎として化学的分野に理論的体系を与える。主に自然界における物質の挙動を数式を用いて記述し、化学物質の性質および現象に関する精密な測定と解析の結果からその構造単位を解明することを目的とする。本講は物理化学I以降の内容について行う。
 
授業の進め方・方法:
 実験を行うにあたって必要な内容を実験前に説明する。説明後、実験を行い、その結果をレポ−トとして各自提出する。学生は実験ノートを準備し、これに実験ドキュメントを記録し、実験終了後各自実験ノートを担当教員に提出して認印を貰うこととする。
 実験レポートの提出期限は、原則次回実験日の17時までとする。レポートは手書きとし、使用するグラフ用紙(方眼紙、対数方眼紙)等は各自で用意する(ただし、表など、各実験担当がパソコンの使用を認める場合がある。)。
 実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で材料開発を担当していた教員が、その経験を活かし、材料物性に関連した実験の指導を行うものである。
注意点:
 次回の実験の内容を確認し、専門用語の意味等を予習し、一連の実験操作の流れを理解しておくこと。
 履修にあたって、物理化学、機器分析、化学工学に関する基礎知識が必要である。
 実験レポート70点、期末試験でのテスト30点の合計100点満点から評価する。60点以上を合格とする。再試験を行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験概要 物理化学および化学工学で必要となる諸物性の取得方法の概要について理解する
2週 実験の理論、実験操作、データ処理に関する説明1 溶解度と溶解熱・粘度・気液平衡・分配平衡などの物理化学的な諸物性の測定法の概要について理解する
3週 実験の理論、実験操作、データ処理に関する説明2 吸着・撹拌・ろ過・流動層などの化学工学的なプロセス設計で必要となる諸物性の測定方法の概要について理解する
4週 物理化学、化学工学に関する実験1 溶解度と溶解熱の測定方法について理解する
5週 物理化学、化学工学に関する実験2 混合溶液の粘度・密度の測定方法について理解する
6週 結果の整理とレポート作成1 得られた実験データの整理を行い、理論式などの適用性について検討する
7週 物理化学、化学工学に関する実験3 液液平衡系における分配物質の分配定数の測定方法について理解する
8週 物理化学、化学工学に関する実験4 オスマー型気液平衡測定装置を用いて気液平衡データの測定方法について理解する
2ndQ
9週 結果の整理とレポート作成2 得られた実験データの整理を行い、理論式などの適用性について検討する
10週 物理化学、化学工学に関する実験5 活性炭に対する有機物の吸着実験を行い、吸着等温線について理解する
11週 物理化学、化学工学に関する実験6 撹拌動力の測定を行い、動力数とレイノルズ数の関係について理解する
12週 結果の整理とレポート作成3 得られた実験データの整理を行い、理論式などの適用性について検討する
13週 物理化学、化学工学に関する実験7 定圧濾過実験を行い、Ruthの濾過方程式の適用性について検討する
14週 物理化学、化学工学に関する実験8 充填層および流動層の圧力損失および空隙率の測定方法を理解する
15週 結果の整理とレポート作成4 得られた実験データの整理を行い、理論式などの適用性について検討する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前6,前9,前12,前15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4前6,前9,前12,前15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4前6,前9,前12,前15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4前6,前9,前12,前15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学蒸留の原理について理解できる。3前8,前10
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。3前8
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。2前8
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。2前7
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。2前10
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前10
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前10
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4前13,前14
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4前5,前11
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4前5,前11
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4前4
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4前5
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4前4
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4前13,前14
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4前8
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4前10,前11,前13,前14
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合30000070100
基礎的能力0000000
専門的能力30000070100
分野横断的能力0000000