概要:
近年、生物のゲノム解析が進み、遺伝子に関して理解することが必須となっている。また、アミノ酸(タンパク質)および細胞レベルでの機能解析も必要である。そこで、本講義では、遺伝子操作の原理および手法について理解させる。
授業の進め方・方法:
教科書および作成プリントを併用した講義を行う。実践的な遺伝子操作を理解することが目的であるため、事例に対してどのような方法が必要となるかを自ら考える力を必要とする。また、生物工学実験において実際に遺伝子解析を行うため、原理について良く理解しておく。
注意点:
(1)点数配分:中間試験50%、期末試験50%
(2)評価基準:60点以上を合格とする。
(3)必要に応じて再試を行う。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
生物学理解のための基礎知識(生物の分類) |
生物の分類に関する概要を説明できる
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2週 |
細胞と生物 |
原核生物と真核生物についてそれぞれの構造の違いについて理解する
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3週 |
遺伝物質DNAの発見 |
遺伝物質であるDNAの発見に関する実験例を理解し、それから導かれる結論について説明できる
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4週 |
遺伝子の定義 |
「遺伝子」の定義について説明できる
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5週 |
情報高分子(DNA,RNA)の構造 |
DNAとRNAの構造を説明でき、その違いを理解する
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6週 |
DNAの物理的性質 |
DNAの物理的性質を学び、色々な処理による変化を理解する
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7週 |
RNAの構造・種類と機能 |
RNAの種類及びそれぞれの機能について理解する
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8週 |
RNAの合成:転写(転写単位とオペロン,プロモーター) |
原核生物の転写について理解する
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2ndQ |
9週 |
RNAの合成:転写(真核生物の転写後修飾・スプライシング) |
真核生物における転写後の修飾・スプライシングについて理解する
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10週 |
タンパク質の合成:翻訳(mRNAのアミノ酸配列情報,コドン) |
翻訳においてコドンについて理解する
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11週 |
タンパク質の合成:翻訳(tRNAの構造,リボソームの構造) |
翻訳についてその過程を理解する
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12週 |
遺伝情報の保存:DNA複製(半保存的複製,複製単位・レプリコン) |
DNAの半保存的な複製について理解する
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13週 |
遺伝情報の保存:DNA複製(DNA複製様式,不連続DNA複製) |
DNAの複製について複製様式を学び、また不連続的複製の過程について理解する
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14週 |
遺伝子の変異と修復 |
遺伝子の変異についてそのパターン及びその修復方法について理解する
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15週 |
まとめ |
遺伝物質や遺伝子に関する基礎的な知識を身に付ける
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
DNA、RNAの抽出と検出 |
核酸の特性を理解し、抽出と検出の原理を学ぶ。
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2週 |
制限酵素の種類と性質 |
制限酵素について学び、その応用方法を考えることができる。
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3週 |
制限酵素地図の作成 |
制限酵素の特性から、切断パターンが意味するものを読み取ることができる。
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4週 |
遺伝子組換えと選択マーカー |
遺伝子組換えの原理を学び、その組換え体の選抜方法を理解できる。
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5週 |
遺伝子解析技術(PCR) |
PCRの原理について理解できる。
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6週 |
シークエンシング |
DNAの配列決定の原理が理解できる。
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7週 |
遺伝子クローニング(宿主・ベクター系、形質転換) |
宿主、プラスミドベクターについて学び、形質転換の原理と方法が理解できる。
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8週 |
遺伝子クローニング(cDNA、ゲノムクローニング) |
cDNAライブラリやゲノムDNAライブラリを理解できる。
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4thQ |
9週 |
遺伝子導入技術(トランスジェニック動物) |
遺伝子組換え動物の作製原理と特性が理解できる。
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10週 |
遺伝子導入技術(トランスジェニック植物) |
遺伝子組換え植物の作製原理と特性が理解できる。
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11週 |
幹細胞の種類と性質(ES細胞) |
ES細胞の作製原理と特性が理解できる。
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12週 |
幹細胞の種類と性質(iPS細胞) |
iPS細胞の作製原理と特性が理解できる。
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13週 |
クローン技術 |
クローン技術の原理と問題が理解できる。
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14週 |
細胞融合 |
細胞の融合原理と方法が理解できる。
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15週 |
まとめ |
遺伝子工学や細胞工学の原理と特性が理解でき、実践することができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 4 | |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 4 | |
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。 | 4 | |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 4 | |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 4 | |
細胞周期について説明できる。 | 4 | |
分化について説明できる。 | 4 | |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 4 | |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 4 | |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 4 | |
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。 | 4 | |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 4 | |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 4 | |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 4 | |
グリコシド結合を説明できる。 | 4 | |
多糖の例を説明できる。 | 4 | |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 4 | |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 4 | |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 4 | |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 4 | |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 4 | |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 4 | |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 3 | |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 3 | |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 3 | |
解糖系の概要を説明できる。 | 3 | |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 3 | |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 3 | |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 3 | |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 2 | |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 2 | |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 2 | |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 4 | |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 4 | |
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 3 | |
微生物の育種方法について説明できる。 | 4 | |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 4 | |
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 2 | |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 2 | |
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。 | 2 | |
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。 | 2 | |