工業物理化学2

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 工業物理化学2
科目番号 5C05 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:山内淳著、基礎物理化学Ⅱ(サイエンス社)
担当教員 我部 篤

到達目標

1. 化学的現象を理解するために必要な基礎式・基礎理論を十分理解し、化学工学などへの応用力を習得する。
2. これらの化学的現象を数理的に取り扱うことができる。
3.物質の状態平衡、溶液の熱力学、電解質溶液と電気化学の理解を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学的現象を理解するために必要な基礎式・基礎理論を十分理解し、化学工学への応用が可能である。化学的現象を理解するために必要な基礎式・基礎理論を十分理解している。化学的現象を理解するために必要な基礎式・基礎理論を十分理解していない。
評価項目2相平衡に関する現象を数理的に取り扱うことができる。相平衡に関する現象を理解している。相平衡に関する現象を理解していない。
評価項目3電気化学に関する現象を数理的に取り扱うことができる。電気化学に関する現象を理解している。電気化学に関する現象を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
工学の基礎として、物質の性質、変化、化学反応及びエネルギーに関する物理化学的な基礎理論を理解し、応用のための計算手法を学習する。工業物理化学Ⅱでは、物質の平衡状態、溶液の熱力学、イオン溶液および基礎的な電気化学に関する内容についての理解を目指す。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で製造・研究開発等を担当していた教員が、その経験を活かし化学工業の基本となる物理化学について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書およびプリントを用いて授業を進める。
注意点:
計算に必要な関数電卓を持参すること。期末試験90%、レポート10%として評価する。次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。60点以上を合格とする。成績が60点未満の者を対象に再試験を行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学第一法則 熱、仕事、エンタルピーについて復習し、計算に応用できる。
2週 熱力学第二法則 エントロピー、自由エネルギーについて復習し、計算に応用できる。
3週 物質の溶解 物質の溶解について理解し、溶解度積を用いた沈殿の計算ができる。
4週 部分モル量と化学ポテンシャル 混合物を考えるうえで重要となる部分モル量の考え方を理解し、説明できる。
5週 一成分系の相平衡 純物質の状態図を理解して、蒸気圧曲線を説明できる
6週 理想溶液 溶液の理想性および非理想性について説明ができる
7週 気液平衡、液液平衡、固液平衡 二成分系の気液平衡、液液平衡、固液平衡を説明し、相図を理解できる
8週 中間まとめ これまでの内容を復習する
2ndQ
9週 溶液の束一的性質 束一的性質を説明でき、蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧の計算ができる
10週 酸化還元反応と電池 電池の構造と原理について説明することができる
11週 電池の起電力とネルンストの式 ネルンストの式を用いて、起電力を計算することができる
12週 電池の熱力学 電池の自由エネルギーや平衡定数などの熱力学変数について説明できる
13週 半電池と標準電極電位 半電池と標準電極電位について説明できる
14週 電気分解と燃料電池 電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる
15週 イオンの活量 電解質溶液の活量を計算することができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)一次電池の種類を説明できる。3前10,前11,前12,前13,前14
二次電池の種類を説明できる。3前10,前11,前12,前13,前14
電気分解反応を説明できる。3前14
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前14
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4前15
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4前3
物理化学混合気体の分圧の計算ができる。4前7
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4前5
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4前6,前7
束一的性質を説明できる。4前9
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4前7,前9
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4前7,前9
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4前1,前2,前3,前7
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4前10,前11,前14
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。4前12,前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000