環境工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 環境工学
科目番号 5C08 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:荻野和子・竹内茂彌・柘植秀樹編 環境と化学(グリーンケミストリー入門(第3版))(東京化学同人)
担当教員 笈木 宏和

到達目標

1. 地球環境の実態を把握し、改善・対策を考えることができる。
2. 実際の環境対策技術の原理を理解することができる。
3. 持続可能な開発のあり方を考察できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1地球環境の実態を把握し、改善・対策を考えることができる。地球環境の実態を把握することができる。地球環境の実態を把握することができない。
評価項目2実際の環境対策技術の原理を理解することができる。実際の環境対策技術を説明できる。実際の環境対策技術を説明できない。
評価項目3持続可能な開発のあり方を考察できる。持続可能な開発のあり方を説明できる。持続可能な開発のあり方を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
地球環境問題の実態をオゾン層破壊、酸性雨、残留性有機汚染物質、ダイオキシン、PCB、環境ホルモン、地球温暖化を通して把握し、技術者の社会的責任としてその改善・対策について考える能力を身につける。また、身の回りの大気・水質・土壌汚染の対策技術についても学習する。世界的レベルでの環境と開発に関する変遷を概観し、持続可能な開発のあり方について考える。
授業の進め方・方法:
教科書およびスライドを用いて授業を進める。これまでの地球環境破壊の事例、環境データをできるだけ多く提示する。
注意点:
・中間試験45%、定期試験45%、レポート課題+クイズ10%(宿題+学習評価小試験など)として評価する。
・評価基準:60点以上を合格とする。
・成績が60点未満の者を対象に必要に応じて再試験を行う。
・授業内容を記したパワーポイントを事前にTeamsにて配布するので、予習しておくこと(印刷などして、空欄に文字をを記入できる状態にしておくほうが望ましい)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション、地球環境の現状 地球規模および国内規模での環境破壊の現状や環境基本法について理解する
2週 大気環境および水質汚濁の現状 環境白書のデータなどを用いて、大気環境や水質汚染の現状について理解する
3週 水環境問題と汚水処理技術 水質汚染の原因と、汚水処理の概要について理解する
4週 酸性雨の現状 酸性雨による環境破壊と、酸性雨の発生メカニズムについて理解する
5週 酸性雨防止対策 酸性雨の防止対策技術としての、脱硫・脱硝技術について理解する
6週 地球温暖化のメカニズム 地球温暖化のメカニズムと原因物質について理解する
7週 地球温暖化の対策技術 地球温暖化の対策として、地球温暖ガスの発生抑制、回収方法について理解する
8週 まとめ これまでの内容を復習する
2ndQ
9週 資源としての水と食糧問題 淡水の資源としての考え方について理解する
10週 オゾン層破壊とその対策 オゾン層破壊物質としてのフロンの性質とその抑制方法について学習する
11週 エネルギー問題 エネルギーとしての石油・石炭・天然ガス・原子力の使用方法について理解する
12週 グリーンケミストリー 環境に優しい化学プロセスのあり方について理解する
13週 高分子のリサイクル 高分子のリサイクル方法について学習する
14週 廃棄物のリサイクル 廃棄物処理法や産業廃棄物のリサイクル方法について学習する
15週 環境保全のための政策 環境保全のために実施されている国内外の政策について理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学化学洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前12
ライフサイエンス・アースサイエンスライフサイエンス・アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3前10
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3前10
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3前10
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3前6
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3前6
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3前6
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3前6
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6
生態ピラミッドについて説明できる。3前3
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3前6,前7
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3前4
有害物質の生物濃縮について説明できる。3前3
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3前6
工学基礎技術者倫理技術者倫理説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3前15
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前11,前12,前13,前14,前15
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。2前1,前15
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3前1,前15
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3前2
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前2
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前15
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3前15
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3前15
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前15
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前15
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3前11
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。3前11
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。3前11
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4前11
生物工学微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4前3
分野横断的能力基盤的資質・能力自己理解自己理解法令やルールを遵守した行動をとれる。3前1
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前1
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力300000030
専門的能力6000001070
分野横断的能力0000000